節分に食べるものと聞かれたら「恵方巻」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実はほかにも食べるとよいとされる食べ物があるんです!そこで今回は、節分におすすめの食材や料理のレシピをご紹介します。それぞれの食材と料理にどのような意味や由来があるのかも解説しているので、ぜひご覧くださいね。
節分は恵方巻以外に何を食べる?お家で作れるレシピもご紹介
- 目次
- 節分とは
- 節分料理について
- 恵方巻
- 豆(福豆)
- イワシ
- こんにゃく
- けんちん汁
- 福茶
節分とは
まずは、節分がどのようなものなのかをおさらいしておきましょう。
かつての暦においては、立春、立夏、立秋、立冬が季節の変わり目であり、それぞれその前日を「節分」と呼んでいました。現在は、節分と言えば「立春の前日」の節分だけが注目されていますが、これには理由があるのです。立春は旧暦において一年の始まりであり、現在の元旦に当たる大切な日でした。
そんな立春の前日である節分は、一年の最後の日であり、現在でいうと大晦日に当たる日ということになります。立春は年によって変わるため、節分の日付は固定されておらず、変動します。
節分料理について
節分に食べるものというとやはり「恵方巻」を思い浮かべる方も多いですよね。しかし、冒頭でもお伝えしたように、恵方巻き以外にも節分に食べておきたい食材や料理があるんです!そこで、恵方巻をはじめとした節分にぴったりな食べ物についてをまとめてみました。それぞれの食べ物が持つ意味も併せてチェックしてみましょう!
恵方巻
恵方巻は、その年ごとに縁起がよいとされる方角(恵方)を向いて食べると、無病息災につながるとして食べられるようになった巻き寿司の一つです。
節分に恵方巻を食べるという習慣の原形は、江戸時代の末期頃からあったとされていており、大阪や和歌山、滋賀をはじめとした関西地方の一部から始まったという説が有力のようです。
さまざまな具材を巻いて作る恵方巻きは、一般的な巻き寿司と同じようについ切り分けて食べたくなってしまいますが、切ることはご縁を切ることにつながってしまうため、まるごと食べるというルールがあります。また、食べている間におしゃべりをしてしまうと幸福が逃げてしまうとも言われているので、恵方巻きは恵方を向き、無言で丸ごと食べましょう。
豆(福豆)
節分に欠かせないものと言えばやはり「豆」です。豆まきをして、歳の数だけ、または自分の歳の数よりひとつ多く食べるという風習習慣がありますが、なぜ節分に豆をまくのか不思議に思ったことはありませんか?
一説によると、豆まきの風習は「まめ」の発音が「魔目(まめ)」と同じ、というそんな語呂合わせから始まったと言われています。鬼の目である「魔目」に向かって「豆」を投げることで、魔物を滅する効果があるとされていたそうです。また、季節の変わり目である節分は体調を崩しやすかったり、邪気を取り込みやすかったりすると考えられていました。
「大豆を食べると力が宿る」と信じられていたため、そうした邪気(鬼)を祓うために食べるようになったという説もあるようです。
この考え方と中国の古い鬼追い行事「追儺(ついな)」が合わさり、豆まきをして鬼を追い払うという習慣が生まれたとも言われています。ちなみに、豆まきに使用される大豆は芽が出ないよう、必ず炒ったものが使用されます。
イワシ
節分と言えば、イワシを想い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。
イワシが節分に食べられているのは、鬼がイワシの臭いや焼いたときに出る煙を嫌うとされていたことに由来しているそうです。
また、食べる以外にもイワシは節分の飾り物として使用されることもあります。鬼はイワシの臭い以外に葉に棘のある柊も苦手なのだとか。そんな柊の枝に焼いたイワシの頭を刺した「柊鰯」を門口に飾ることで、鬼が家に入ってくるのを防げると言われています。
こんにゃく
体内の掃除をして、悪いものを取り除いてくれることから、冬至に食べる食材としてもおすすめな「こんにゃく」ですが、四国などの一部地域では、節分にこんにゃくを食べる習慣があります。こんにゃくはスーパーなどで入手しやすい食材でもあるので、節分献立のプラスアルファの一品として取り入れやすいのもうれしいですね。
けんちん汁
関東地方の一部地域では、節分にけんちん汁が食べられています。大根、にんじん、ごぼう、こんにゃく、豆腐など、食材がたっぷり入っていて、これだけでお腹が満たされる汁物の一つです。
発祥は鎌倉時代に建てられた「建長寺」だと言われています。精進料理であるけんちん汁は、だしにも煮干しや鰹節を使用せず、昆布やしいたけのだしで作るのが、正統派の作り方だそう。食べると体が温まることから、季節の変わり目である「節分」に食べるとよいとされ、節分にけんちん汁を食べる習慣が生まれたという説もあります。
福茶
「福茶」とは福豆、梅、昆布が入っているお茶のことです。無病息災の願いが込められたお茶で、節分やお祝いの行事に合わせて飲まれます。福茶が節分やお祝いのときに飲まれるようになったのは、はるか昔、平安時代からであると言われているんですよ。豆の数は、縁起がよいことから3粒入れるのがおすすめです。
そば
行事食で「そば」と言えば、大晦日に食べる年越しそばを思い浮かべますが、江戸時代後期ごろには、節分にそばを食べるのが一般的だったそうです。
現在の暦とは一年の終わりの時期が異なるため、旧暦では立春の前日である節分が一年の最後の日である「大晦日」でした。暦が変わってもその習慣は引き継がれ、麺類の中でも切れやすいそばを食べて一年の厄を断ち切るという意味や、そばのように細く長く生きられるようにという願いを込めて、そばが食べられています。
おうちで作れる節分レシピをチェック!
ここからは、実際におうちで節分料理を作る際に役立つレシピをご紹介します。定番の恵方巻をはじめ、イワシの竜田揚げや無限こんにゃくなど普段の料理にも取り入れやすいメニューをピックアップしました。さらに炒め物や炊き込みご飯など、余った福豆の活用レシピも集めているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
お家でも作れる恵方巻
まずは節分料理の定番、恵方巻を作ってみましょう!マグロやサーモンのほか、桜でんぶや薄焼き卵、きゅうりなども巻き込み、ボリュームのある恵方巻に仕上げました。恵方巻作りを楽しんだあとは、その年の恵方を向いて無言で丸ごと食べて、ご利益にあやかりましょう。
イワシの竜田揚げ
節分に食べたいイワシは、食べやすく竜田揚げにしていただくのがおすすめです。下処理済のイワシを使えば、調味液に漬け込んでから片栗粉をまぶして揚げるだけで手軽に作れるので、節分の献立の一品にもぴったりですよ。
プリプリ食感がクセになる 無限こんにゃく
節分にはもちろん、普段の献立にもあるとうれしい無限こんにゃくは覚えておくと便利なレシピです。すりおろしニンニクやすりおろし生姜を加えた焼肉のタレで味つけをするので、簡単に味が決まりますよ!ごはんにもお酒にもよく合う、しっかりとした味わいの一品です。
簡単ぽかぽか けんちん汁
大根、にんじん、里芋やごぼうなど、具材がたくさん入った満足感のあるけんちん汁のレシピです。こんにゃくも入っているので、節分献立の汁物にぴったりですよ!恵方巻とも相性抜群なので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
きのこたっぷりかけそば
季節の変わり目でもある節分は、しめじとまいたけをたっぷり使用した温かいきのこそばがおすすめ!そばをゆでている間にきのこ入りのかけつゆを作ればあっという間にできあがるので、節分の当日が忙しくても節分料理らしいごはんを楽しむことができますよ!
余っても大丈夫!福豆活用レシピ
豆まきに使った福豆が余ってしまったときは、料理に加えてアレンジするのがおすすめです!ここからは福豆を使い切れるおいしいレシピをご紹介します。
福豆たっぷり 鶏肉のオイスターソース炒め
ごはんがどんどん進む、オイスターソース炒めです。このレシピでは福豆を鶏肉の衣にだけでなく、具材としても使用しています。カリカリとした福豆の食感が楽しく、やみつきになること間違いなし!福豆が余ったらぜひ試していただきたい一品です。
余った福豆でかんたんおつまみ 福豆とじゃこの甘辛煎り
余った福豆は、おつまみにもなるんです!ちりめんじゃことともに甘辛く味つけすれば、お酒が進む一品に。福豆の食感が後引くおいしさで、余った福豆もあっという間になくなりますよ。
福豆の炊き込みご飯
福豆は炊き込みごはんの具材にするのもおすすめ!福豆はしょうゆとみりんで作った調味液に15分ほど浸し、具材と一緒に炊飯器で炊くだけととっても簡単に作れます。節分料理の一つに作ってみてはいかがでしょうか。
【番外編】味も見た目も楽しむ節分レシピ
ここまで節分に食べるとよいとされているものを使ったレシピをご紹介してきましたが、ほかにも節分にぴったりのレシピがあります。番外編としていくつかご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
節分に作ろう 鬼オムライス
食べるのがもったいないほどかわいい!鬼オムライスを節分に作ってみませんか?ハムやスライスチーズ、のりで顔のパーツを作りました。泣き顔にしたり、怒った顔にしたりとパーツの切り方で表情も変えられますよ。ぜひお子様と一緒に作ってみてくださいね。
福豆でザクザクチキン
余りがちな福豆ですが、あえて福豆を多めに買ってもいいとさえ思えるほどおいしいレシピをご紹介します!下味をつけた鶏もも肉に粗めにくだいた福豆をまぶして焼きました。ジューシーな鶏もも肉に衣にした福豆のザクザクとした食感と香ばしさがよく合います。やみつきになること間違いなしの一品です!
恵方巻きロールケーキ
家族も鬼も笑顔になりそうな、恵方巻きロールケーキのレシピです。外側の生地にはブラックココアを加えて、のりに見立ててみました。フルーツやクリームはお好みのものを巻いてみてくださいね!今年の節分は、いつもと少し趣向を変えて楽しんでみてはいかがでしょうか。
今年の節分は節分料理を楽しもう!
節分に食べるとよいとされる食べ物やその意味をご紹介しました。食べて縁起を担いだり、魔除けに使用したりと、食材にさまざまな意味が込められていておもしろいですよね。
また、伝統を大切にしながらも、型にはまることなく洋風のメニューを作って行事を楽しむのもおすすめです。ぜひ今回ご紹介した風習や由来も参考にしながら、節分にぴったりの料理を作って楽しんでくださいね。