2025.3.15

実は貝ではない!【ホヤとは?】味の特徴や旬、おいしい食べ方について詳しく解説!

実は貝ではない!【ホヤとは?】味の特徴や旬、おいしい食べ方について詳しく解説!

色は赤く、パイナップルのようにゴツゴツした見た目をしている「ホヤ」。貝のようにも見えますが、実は貝ではないんです!この記事では、ホヤがどんな生き物なのか、また味、旬の時期について解説します。記事の後半では、ホヤのさばき方やおいしい食べ方についてもご説明するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • ホヤとは?
  • ホヤは人間と同じ?
  • ホヤの種類は?
  • ホヤの特徴は?
  • ホヤの旬の時期と産地
  • ホヤのさばき方
  • 用意するもの
  • さばき方

ホヤとは?

赤くてゴツゴツとした形が特徴の「ホヤ」。パイナップルに似ていることから、「海のパイナップル」と呼ばれることもあります。
お店によってはホヤのことをホヤ貝と呼ぶこともあるようですが、

実のところホヤは貝ではないんです。

それでは、ホヤは一体なんなのでしょうか。

ホヤは人間と同じ?

ホヤは心臓や脳神経、そして消化器官を持った動物です。

そのため、私たち人間と同じく脊索動物(せきさくどうぶつ)に分類されます。脊索というのは、神経または体の軸を支える器官であり、わかりやすくいうと人間の背骨にあたるものです。

ホヤは生まれてから成体になるまでは、オタマジャクシのような形をしていて、海を回遊しています。その体の中には、背骨の原始である脊索があり、ヒレを動かして水の中を泳いでいるのです。

半日から2日間ほど回遊したのち、海底の岩などにくっつき成体に成長していきます。成長する過程で尾や脊索は消失していき、私たちが知っているホヤの姿になります。

見た目からは全く想像ができませんが、ホヤは、よく間違われる貝類やイカといった軟体動物よりも人間に近い生物だったなんて驚きですよね。

💡ワンポイント豆知識💡
ちなみにホヤを調べることで、人間を含む脊椎動物の神経ができる仕組みの解明につながると言われており、今でも研究が進められています。

ホヤの種類は?

ホヤの仲間は世界中で2000種類以上、日本近海には数百種類生息しているといわれています。その中でも、主に食用とされているのは「マボヤ」と「アカボヤ」です。一般的によく知られるゴツゴツとした見た目をしているのがマボヤで、アカボヤは突起が少なく、さつまいものようなツルッとした見た目をしています。

ホヤの特徴は?

とても不思議な見た目をしているホヤ。食べたことがない人にとっては、どんな味がするのか気になりますよね。

ホヤは、ウニのような特有の香りと甘みがあるのが特徴で、個性的な味がすることから「海のパクチー」と言われることもあるようです。また、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味といった人間が舌で感じる五味を持ち合わせ、唯一無二の珍しい食材なんですよ。食感はプリプリ、コキュッとした歯ごたえがあり、噛めば噛むほど甘味が広がります。

アカボヤよりもマボヤの方が風味が強くて味が濃く、アカボヤの方がクセが少なくマイルドな味わい。身の色はマボヤがオレンジ色なのに対して、アカボヤは赤っぽい色をしています。どちらの方がおいしいかは、好みによるところですが、どちらにも言えるのは新鮮なものを選ぶのが大切だということです。新鮮なものは臭みもなく食べやすいので、ぜひ見かけたらチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

ホヤの旬の時期と産地

ここがポイント

旬の時期:5~8月
主な産地:東北地方、北海道

ホヤの旬は5~8月。とくに5月に採れるホヤは身が大きく、一年で一番大きいサイズになるのだそうです。旬の終わりにかけてサイズが小さくなっていきますが、その分身は厚くなり旨味も増していくのだとか!5月あたりに採れたものも旨味たっぷりでおいしいですが、実は最もおいしいのは、サイズが小さくなってきた7~8月だといわれています。

マボヤの生息域は広く、北海道から九州などに生息していますが、主な産地は東北地方や北海道です。天然のホヤを採取することもありますが、三陸海岸では養殖も盛んなんですよ。アカボヤの主な産地は北海道ですが、天然ものがほとんどで流通量が少なく、産地以外で見かける機会は少ないかもしれません。

このように、主な産地が東北地方以北であることから、関東よりも西の地域では食べ慣れていない方が多いホヤですが、青森県では地域を代表する「四季の味」の食品の一つに選ばれています。これは青森県のある団体が地元のおいしい魚介類をPRするため「七子八珍(ななこはっちん)」と名付けて青森の新鮮な魚介類をブランド化した総称で、これにホヤが含まれているのです。ほかにもウニやなまこといった地域の特産物がピックアップされています。

※「七子八珍」は、(社)青森観光コンベンション協会の登録商標です。

ホヤのさばき方

ホヤは剥き身で販売されているものを見かけますが、旬の時期には殻つきで手に入れることもできます。ここでは、殻つきのホヤのさばき方を確認してみましょう。

用意するもの

・包丁
・キッチンペーパー
・水を張ったボウル

さばき方

①水を張ったボウルの中でホヤの汚れを落とし、キッチンペーパーで水を拭き取る。

②2つの突起物のうち、口の部分がプラスになっている方を包丁で切り落とし、中に入っている海水を出す。プラスになっている方が入水孔で、マイナスになっている方が出水孔。出水孔を切ると排泄物などの汚れが出てきてしまいます。

③切り口から根元に向かって殻を切り、身を取り出す。

④身に切り込みを入れて開き、内臓や汚れを包丁でこそぎ取る。

⑤水に入れて身を洗い、水気を拭き取る。

【ポイント】

  • ホヤにある大きな突起物を見てみると、それぞれのプラスとマイナスに見えるのがわかります。そのため、わかりやすくプラス側、マイナス側と呼ぶことが多いようです。
  • プラス側は人間でいうと口の部分にあたる「入水孔」です。
  • マイナス側はおしりの部分にあたる「出水孔」になります。マイナス側を切り落とすと排泄物などが出てきてしまうため、必ずプラス側を切り落としましょう。

ホヤのさばき方

改めて、ホヤのさばき方を動画でも確認してみましょう。ホヤを初めて捌く方は、一見すると難しそうに感じるかもしれませんが、実はとても簡単なんです。殻を切ったら身は簡単に取り出せるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

ホヤのおいしい食べ方

続いて、ホヤのおいしい食べ方をご紹介します。

刺身

新鮮なホヤなら、生で食べるのがおすすめ!新鮮なものは特有の苦味や臭みが少なく、ホヤの風味をそのまま楽しむことがでます。わさび醤油やポン酢、酢味噌などお好みのタレをつけて食べてみてくださいね。生のホヤを使って酢の物や塩辛を作るのもとてもおいしいですよ。

また、青森の郷土料理に、ホヤとミズの水物というものがあります。これは、ホヤとミズという山菜にだし汁をかけた料理です。ホヤの風味と歯ごたえ、ミズのシャキシャキとした食感が心地よく、一品料理として親しまれています。

焼き物

ホヤの焼き物では、バター焼きがおすすめです。ホヤのプリプリとした食感とバターの香りがとてもおいしく、お酒のおつまみにもぴったりですよ。

蒸し物

蒸しホヤを作るときは、ホヤの身を殻ごと半分に切り、内臓や汚れなどを取り除いて蒸します。蒸すと身が縮むので、それを手で外しながら食べるのも楽しみの一つですよ。

汁物

風味豊かなホヤは、汁物のだしにしてもおいしいんです!みそ汁やお吸い物はもちろん、ホヤの磯の香りを活かしたクラムチャウダーを作るのもおすすめですよ。

揚げ物

ホヤを天ぷらにすると、ホヤの甘みが引き立ちます。カレー風味の衣にしたり、生姜やしょうゆで下味をつけて唐揚げにするなどのアレンジをすると、より食べやすくなりますよ。

炊き込みごはん

ホヤの炊き込みごはんも絶品です!ホヤの風味が口の中に広がり、クセになるおいしさ。ミョウガや大葉、ねぎといった薬味もよく合いますよ。

ホヤのおいしいレシピをご紹介!

さて最後に、ホヤを使ったおすすめレシピをご紹介します。殻つきのホヤを使ったレシピなので、殻の剥き方をもう一度おさらいしながら、チェックしてみてくださいね。

ホヤとミョウガの酢の物

ホヤとミョウガ、きゅうりを使った酢の物を作ってみましょう。ホヤの旨味に、ミョウガの風味とさっぱりとした味わいの合わせ酢がよく合い、箸休めにもぴったりの一品。火を使わずにパパッと作れるので、夏の暑い日のおかずにいかがでしょうか。

ホヤを食べてみよう!

今回は、ホヤの特徴や味、旬の時期などについて解説し、おいしい食べ方やおすすめレシピをご紹介しました。奇抜な見た目をしているホヤですが、意外と簡単に調理できることがわかって、食べてみたくなった方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでホヤを食べてみてくださいね。

こちらもおすすめ
ミル貝とは?ミルクイとナミガイの特徴やほかの貝との違いについて解説!
寿司のネタでも見かける「ミル貝」。実は、ミル貝と呼ばれている貝には「ミルクイ」と「ナミガイ」2種類あるんです!これらはよく似てはいますが、別の種類の生き物なんですよ。この記事では、そんなミル貝の特徴、味わい、おいしい食べ方について解説します。さらにほかの貝との違いもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ミル貝とは?ミルクイとナミガイの特徴やほかの貝との違いについて解説!
2024.12.17 最終更新

あわせて読みたい

人気のカテゴリ