皮膚や粘膜の健康を維持するために欠かせない「ビタミンA」。どんな食べ物に含まれているのかご存じでしょうか。この記事では、ビタミンAの特徴や一日の推定平均必要量と推奨量、ビタミンAが多い食品などについて解説します。ビタミンAがおいしく摂れるレシピも必見ですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ビタミンAが多く含まれる食べ物をご紹介!
- 目次
- ビタミンAとは?
- ビタミンAはどのくらい摂ればいい?
- ビタミンAを多く含む食品は?
- 100gあたりのビタミンA(レチノール活性当量)含有量
- ビタミンAがおいしく摂れるレシピ
- レンジで簡単 もやしとにんじんのナムル
- 玉ねぎとにんじんの中華スープ
- ほうれん草とたまごのふんわり炒め
ビタミンAとは?
ビタミンAは脂溶性ビタミンのひとつで、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称です。ビタミンAは皮膚や目、喉、消化管などの粘膜の健康を維持する働きをもちます。ビタミンAの主要な成分はレチノールで、レバーやうなぎなどの動物性食品に多く含まれます。目の健康を保つために重要な成分で、目が光を感じるのに必要な網膜色素成分である「ロドプシン」という物質の合成に欠かせません。
植物性食品に含まれるβ-カロテンは、摂取すると小腸上皮細胞で必要に応じてビタミンAに変換されることから、プロビタミンAとも呼ばれます。プロビタミンAには、ほかにα-カロテン、β-クリプトキサンチンなどがありますが、β-カロテンが最もレチノールへの転換効率がよいとされています。
ビタミンAは肝臓に蓄えられるため、通常の食事をしていれば欠乏症になることは少ないといえます。欠乏症としては、乳幼児では角膜乾燥症から失明に至ることもあり、成人では暗い場所での視力が著しく衰える夜盲症を発症することがあります。
脂溶性のビタミンAは油に溶けやすい性質を持つため、油を使ったドレッシングをかけたり、炒め物にしたりすることで吸収がよくなりますよ。
ビタミンAはどのくらい摂ればいい?
ビタミンAは一日にどのくらいの量を摂る必要があるのでしょうか?「日本人の食事摂取基準(2020年版)」に示されている数値を確認してみましょう。ビタミンAの量は、レチノール活性当量(※1)として示されています。
ビタミンA(レチノール活性当量)の推定平均必要量は、18~29歳の男性で600μgRAE、女性で450μgRAE、30~64歳の男性で650μgRAE、女性で500μgRAE、65~74歳の男性で600μgRAE、女性で500μgRAE、75歳以上の男性で550μgRAE、女性で450μgRAEです。
推奨量は、18~29歳の男性で850μgRAE、女性で650μgRAE、30~64歳の男性で900μgRAE、女性で700μgRAE、65~74歳の男性で850μgRAE、女性で700μgRAE、75歳以上の男性で800μgRAE、女性で650μgRAEです。
推定平均必要量は半数の人が必要量を満たす量、推奨量はほとんどの人が必要量を満たす量のことです。
また、脂溶性のビタミンAは体内に蓄積しやすく、過剰に摂取することで体に害を及ぼす可能性があります。そのため、18歳以上の男女ともに2,700μgRAEの耐容上限量が設けられています。
※1 レチノール活性当量(μgRAE) =レチノール(μg)+β -カロテン(μg)×1/12+α -カロテン(μg)×1/24 +β -クリプトキサンチン(μg)×1/24+その他のプロビタミン A カロテノイド(μg)×1/24
ビタミンAを多く含む食品は?
ここで、ビタミンAを多く含む食品をご紹介します。
100gあたりのビタミンA(レチノール活性当量)含有量
・鶏レバー(生)…14000μg
・豚レバー(生)…13000μg
・うなぎ(生)…2400μg
・ほたるいか(生)…1500μg
・モロヘイヤ…840μg
・卵黄…690μg
・にんじん…690μg
・ほうれん草…350μg
・西洋かぼちゃ…330μg
・小松菜…260μg
・プロセスチーズ…260μg
・豆苗…250μg
レバーやうなぎなどの動物性食品には、ビタミンAが豊富に含まれています。レバーはビタミンAをとくに多く含む食品なので、食べ過ぎには注意が必要です。植物性食品では、モロヘイヤやにんじんなど、緑黄色野菜に多く含まれます。
ビタミンAがおいしく摂れるレシピ
ビタミンAがどんな栄養素なのかわかったところで、ここからはビタミンAを含む食材を使ったレシピをご紹介します。簡単に作れるレシピをバリエーション豊富にピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
レンジで簡単 もやしとにんじんのナムル
電子レンジでぱぱっと!もやしとにんじんのナムルはいかがでしょうか。少ない材料で簡単に作れるので、あと一品ほしいときに役立つレシピです。ごま油を入れることで香ばしい風味が加わるだけでなく、ビタミンAの吸収もよくなりますよ。
玉ねぎとにんじんの中華スープ
ほっこりおいしい、玉ねぎとにんじんの中華スープをご紹介します。鶏ガラスープの素を使ったシンプルな味つけで、野菜の甘みが味わえるやさしい味わいに仕上げました。野菜を薄く切るのが、時短で作れるコツ。ぜひお試しくださいね。
ほうれん草とたまごのふんわり炒め
色鮮やかで食卓が華やぐ、ふんわり卵とほうれん草の炒め物です。卵ははじめに半熟状に炒めて一度取り出すことで、固くならずにふわっと仕上がりますよ。ごま油の風味とピリッと辛い黒こしょうがアクセントになり、ごはんもお酒もすすみます。
常備菜に ほうれん草ソテー
バターの風味が食欲をそそる、ほうれん草のソテーのご紹介です。ベーコンの旨味としょうゆの香ばしさもほうれん草のおいしさを引き立て、お箸が止まらない一品。ほうれん草は下ゆでしているので、さっと炒めて火を通し過ぎないようにしてくださいね。
モロヘイヤとオクラのネバネバおひたし
ネバネバ食感がクセになる、モロヘイヤとオクラのおひたしを作ってみませんか。塩昆布の旨味と塩気が味の決め手になり、とてもおいしいですよ。そのまま食べるのはもちろん、ごはんにのせたり麺類にトッピングしたりするのもおすすめ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
お弁当の定番 卵焼き
和食の定番、ほんのり甘い卵焼きをご紹介します。味つけには薄口しょうゆを使うことで、鮮やかな黄色い卵焼きに仕上がりますよ。卵を溶きほぐすときは、白身を切るように静かに混ぜるのがポイントです。お弁当や朝食に、ぜひ作ってみてくださいね。
大葉入り 鰻の厚焼き卵
うなぎ屋さんのう巻きを、ご家庭で作れるようにアレンジしました。濃厚な味わいのうなぎの蒲焼に、ふんわりとした卵がよく合います。食べ応えのある一品ですが大葉の爽やかな香りがアクセントになり、お酒もすすむ一品です。
鰻ときゅうりの酢の物 鰻ざく
「鰻ざく」とは、うなぎときゅうりの酢の物のこと。関西地方では、土用の丑の日に食べられることの多い料理です。きゅうりの食感と生姜の風味で、脂ののったうなぎがさっぱりと食べられますよ。うなぎの蒲焼きのアレンジとしてもおすすめです。
ごま油香る 鶏のしっとり塩レバー
おつまみにぴったり!ごま油が香る、鶏の塩レバーのレシピです。下ごしらえをしたレバーに塩を揉み込み、お湯でゆでるだけなので、とても簡単に作ることができますよ。しっとりとやわらかな食感で食べやすいので、レバーが苦手な方にもおすすめですよ。
日本酒に合う 鶏レバーの甘辛煮おつまみ
こってり味でお酒がすすむ、鶏レバーの甘辛煮はいかがでしょうか。面倒なイメージのあるレバーの下ごしらえも、お湯でゆでるだけととってもお手軽!甘めのしょうゆ油味がやみつき必至のおいしさです。今日のおつまみに、ぜひお試しくださいね。
おいしく食べて、ビタミンAを摂ろう
ビタミンAがどんな栄養素なのか、お分かりいただけたでしょうか。さまざまな食品に含まれるビタミンなので、動物性と植物性のどちらの食品もバランスよく取り入れてみましょう。ご紹介したレシピも参考にしていただき、おいしく食べながらビタミンAを補給してくださいね。