■保存期間
冷蔵1週間/冷凍1か月
■紹介文
今回は、たっぷりのひじきと高野豆腐と根菜類で作る具だくさんレシピをご紹介します。
毎週欠かさず作っています。ご飯に合うコクたっぷりの甘辛い味に仕上げています。調味料控えめ、濃過ぎず、くどくなく、たっぷりと食べられる味です。お子さんやひじきの煮物が苦手な方にも、ぜひおすすめしたい一品です。
そのままはもちろん、混ぜご飯、おにぎり、玉子焼きなどの具材にはもちろん、豆腐と和えたら白和えに、長芋すり下ろしと和えて速攻で酒の肴など、冷蔵庫に用意しておけば大変重宝します。
ミネラルと繊維質たっぷり、体が喜ぶ一品です。お試しくださいませ。
■材料(4人分)
乾燥ひじき 15g(大さじ5程度)
高野豆腐 1個(17g程度)
干ししいたけ 2枚
こんにゃく 1/2枚(200~250g×1/2)
鶏ひき肉 50g
ごぼう 50g(小1/2本 または 中1/3本目安:半分の長さに切った細い方)
にんじん 50g(小1/2本 または 中1/3本目安:半分の長さに切った細い方)
■合わせ調味料
だし汁 100ml
(または) 水100ml+粉末だしの素小さじ1/4
干ししいたけの戻し汁 50ml
しょうゆ 大さじ1+1/2
砂糖 小さじ2
みりん 大さじ1/2
■作り方
【1】干し椎茸を戻します。
干し椎茸がかぶる程度の水につけると、3~5時間くらいで戻ります。
一番おいしいのは、水につけて冷蔵庫に入れて12時間~24時間(一昼夜)ほどかけて戻すと、中までふっくらと戻り、かつ、歯ごたえもあり、そして良い出汁も出て、絶妙な仕上がりになります。
時間がない場合や、思い立って作る場合は、耐熱容器に干し椎茸と、干し椎茸がかぶる程度の水とひとつまみ(小さじ1/6~1/8目安)の砂糖を入れてラップをし、電子レンジ600Wで1分ほど様子をみながら50度程度の温度まで加熱し、冷めるまで置いておくと戻ります。その間に、次以降の手順に進むと良いです。
【2】ひじきはたっぷりの水に10~15分間つけて戻し、ざるにあげて水気を切っておきます。
戻している間に、次の手順に進んでおくと効率が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
戻す際、ざるとボウルを重ねて戻すのはやめましょう。ざるの目にひじきが入り込んだまま戻るため、ざるの目からひじきが抜けなくなります。
上のほうからすくうようにしてざるに取り、ごみが多いようなら2~3度水をかえて軽くすすぎ、水気をよく切ります。
砂などがついていることがあるので、砂を落とすように、ひじきをすくって取り出すと良いです。
【3】高野豆腐は製品の表記に従い、40~50℃のお湯または水につけて戻します。
「水戻し不要」のものは、水につけて1~2分程度で戻ります。重曹などの膨張剤を使用していないものは、50℃のお湯で20分程度で戻ります。
【4】材料を切ります。手順3で戻した高野豆腐を水の中で白くにごるまで、もむようにして押し、水気を絞り7mm角に切ります。
この作業は、手順9~11でこんにゃく、鶏ひき肉、ごぼう、を炒めている間に行うと効率が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
白くにごるまで、しっかりともんで押しておくことで、仕上がりの際、粉っぽい風味の独特のクセを抑えます。また、味がうんとしみ込みやすくなります。
水気を絞る際、このあと炒り煮にしますので、神経質になる必要はありません。
【5】こんにゃくを7mm角に切ります。
扱いやすい長さに切ってから、厚さを半分にし、端から7mm幅(人差し指の1/2幅目安)に切り、90度回転させて端から7mm幅に切っていくとよいです。
材料は、多少大きめに切っても構いません。火の通りが均一になるように、すべての材料が同じぐらいの大きさになるように心がけましょう。
【6】ごぼうはたわしなどで泥を洗い落とします。根元の硬い部分は切り落とし、太い場合は縦半分に切ってから端から7mm幅に切ります。
この作業は、手順9~10でこんにゃく、鶏ひき肉を炒めている間に行うと効率が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
ごぼうは、皮と実の間に旨味、香り、栄養が詰まっていますので、皮はむかずに調理することをおすすめします。スポンジの硬い面、アルミタワシ、アルミホイルを軽く丸めたものなどが、ごぼうの皮をむくことなく、泥を落としやすいです。
シンクが狭い場合は、長さを2つ3つに切ってから洗うと良いです。
いったん扱いやすい長さに切ってから、縦半分に切ると良いです。
ごぼうはすぐに調理するので、水にはつけなくて問題ありません。しばらく調理しない場合や、アクがどうしても気になる場合は変色を防ぐため水につけるとよいです。
【7】手順1で戻した干し椎茸を7mm角に切ります。水気を軽く絞り石づきを取り除き、7mm幅に切り、90度回転させて端から7mm幅に切っていくとよいです。
この作業は、手順9~11でこんにゃく、鶏ひき肉、ごぼうを炒めている間に行うと効率が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
戻し汁は手順12で使いますので、捨てずに置いておきましょう。
【8】にんじんは皮ごと7mm幅に切ります。まずヘタを切り落とし、4~5cm長さ(指3本分の幅目安)に切り、縦に置いて7mm幅に切り、90度回転させて端から7mm幅に切っていくとよいです。
この作業は、手順9~12でこんにゃく、鶏ひき肉、ごぼう、干し椎茸を炒めている間に行うと効率が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
皮ごと使いますので、よく洗いましょう。
【9】フライパンまたは鍋に手順5のこんにゃくを入れ、中火にかけます。こんにゃくの表面が乾いて、ピューピュー、キュッキュッという音が鳴るまで炒めます。
油はひきません。こうすることで、アクを抜くとともに、こんにゃくの余分な水分を抜き、味がしっかりとしみ込むようにします。
ずっとかき混ぜている必要はありません。放置し、シューシューという音がしてきたら、時々かき混ぜて様子をみる程度でよいです。
【10】中央を少し開け鶏ひき肉を加えます。1分ほどそのまま置き、周りが白くなったらほぐしつつ表面が白くなるまで炒めます。
【11】手順4のごぼうを加えざっと全体をかき混ぜて、鶏肉の油を回します。
【12】手順5の干し椎茸を加えます。ざっと全体をかき混ぜて油が回ったら、同様に、にんじん、ひじき、高野豆腐の順に加え、全体を混ぜ合わせます。
具材は、火が通りにくい順番に加えます。
【13】合わせ調味料の材料を加えます。だし汁、砂糖を加え、いったん全体をかき混ぜてなじませます。
【14】そのまま1分ほど煮たらしょうゆ、みりんを加え、全体をかき混ぜてなじませて、ふたをします。
【15】火加減は中火のまま煮込みます。煮立って充分に蒸気が出たら、そのままさらに7~8分ほどガーッと煮込みます。
よく煮立ち、充分に蒸気が出てから7~8分ですので、コンロや具材によっては、ふたをしてからトータルで20分ほど煮込む場合もあります。特に、生きのこ類など、水分が出る具材を使った場合は、充分に蒸気が出てから、さらに12~15分ほど煮飛ばしましょう。
煮込んでいる間は、放置で構いません。洗い物でもしておきましょう。
【16】ふたを取り全体を底からかき混ぜて、煮汁が底から少し残る程度で火を止めます。
コンロや具材によっては、水分が飛ぶまで時間を要する場合があります。その場合は、ふたを開けてから、時々かき混ぜながら、さらに5~6分ほど煮飛ばしましょう。火加減は多少強めにしても構いません。ただし、煮汁が沸騰している時は、一見多めの煮汁に見えますが、底からかき混ぜてみると、意外に少なくなっている場合がありますので、焦がさないように注意しましょう。
底をヘラでかくと、煮汁をかき分けることが出来て、すぐに戻る程度が目安です。
【17】保存の際は、充分に消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
煮物は、冷める際に味が具材にしみ込みます。いったん粗熱が取れるまで置き、再度軽く温めると、とても味のしみ込んだ仕上がりになります。
■具材のバリエーション
炒り高野は、色々な具材がよく合います。
基本は、ひじき/高野豆腐/にんじん/こんにゃく/ひき肉 があればOKで、あとは足すほど、美味しさが増します。
私が試して美味しくいただけた具材をメモしておきます。ご参考になれば幸いです。
【きのこ類】しめじ/生しいたけ/えのき/エリンギ/まいたけ/なめこ/ブラウンマッシュルーム いずれも、石づきは省き、食べられる部分を他の具材と同様に、1~2cm長さに切り揃えると、おいしく仕上がりますよ。 軸の部分は、石づきを省けば、細かく切って煮込めば美味しくいただけます。 きのこは、冷凍してから使うと、とてもおいしくいただけますので、特価日にたくさん購入しておいて、あとから少しずつ使うと、おいしい上に便利で、とても重宝します。
【根菜】彩りとして、にんじんは加えましょう。 さらに、れんこんや、ごぼう、大根があれば、繊維質たっぷり、そして香り良く、とても美味しくいただけます。根菜一掃メニューとしても活躍しますよ。
【彩り】豆類の緑色が合います。 枝豆(中身のみ)を加えて煮込むと、とてもきれいな仕上がりになります。 また、さやいんげんや、きぬさやも合います。塩を入れた熱湯でさっとゆでて、冷水に取って色止めしたものを斜め切りにし、いただく際に加えましょう。炒り高野と一緒に煮込んでも良いのですが、翌日には残念な色になりますので、その点ご留意くださいませ。
【ひき肉】豚肉、鶏肉いずれも合います。 また、ひき肉に替えて、鶏皮をキッチンバサミで1~2cm角に切ったものでもOKです。少ない量で、とてもコクと旨味が出て、美味しく仕上がります。つくねや蒸し鶏で余った皮の、有効活用にもなりますよ。
【大豆・大豆製品】水煮大豆:特に刻まずそのままの大きさでOKです。4人分50g、8人分100g目安です。 油揚げ:熱湯をさっとかけて油抜きしてから、1cm角に刻みます。4人分1枚、8人分2枚目安です。 豆腐:凍らせた豆腐を解凍し、1cm程度の「さいの目」に切って炒り付けます。高野豆腐の代わりにもなります。4人分1丁、8人分2丁目安です。
■仕上がりの色について
「高野豆腐が真っ黒になってしまった」とのご意見を伺っています。
黒くならない方法と、その理由をご説明いたします。
【煮込む際の火が強過ぎた】
煮詰めているうちに、焦げてしまった可能性があります。
お料理でいう中火は、「炎の先が鍋底に当たる程度」です。
このレシピは煮汁がほとんど無くなるまで煮詰めますので、調味料が焦げないようにするため、また、熱によってひじきの皮が破れることを防ぐため、それよりも「少し弱めの中火」で煮詰めると良いです。
【ひじきの細かい破片がたくさん残っていた】
ひじきは、産地や状態によっては、ひじきの一部が粉のように砕けている場合があります。
手順1で記載しましたように、「上のほうからすくうようにしてざるに取り、ざるに入れたまま2~3度水をかえて軽くすすぎ、水けをよく切る」のは、ごみだけではなく、そのような破片も、できるだけ沈ませて省くことができる、という役割もあります。
少し手間なのですが、ざるにザバーと受けるのではなく、このように対応することで、仕上がりがとても美しくなります。
【ひじきを加える際、鍋が熱過ぎた、ひじきを炒め過ぎた】
ひじきは炒め過ぎると、ひじきの皮が破れてしまい、表面がはがれて、黒い粉々が出てしまうのです。
炒める前の手順で、こんにゃくを空炒りし、その後にひき肉をパラパラになるまで炒めていますので、ものすごく鍋の温度が高くなっている可能性があります。
戻して水分を含んでいるひじきは、とても皮が柔らかくなっていること、この状態で、急激な温度変化を受けることで、皮が破れてしまい、結果として、一番水分などを吸ってしまう高野豆腐が、黒色のひじき破片を吸収してしまう、ということが充分に考えられます。
手順9は、先に根菜などを加えて、ある程度火が回ってから、ひじきを加えると良いでしょう。
【こんにゃくのアク抜きが弱かった】
こんにゃくのアクは変色の素です。厄介なのは、他の食材が変色することです。
こんにゃくは手順7で、よく空炒りすることで、アクが抜けます。
表面が白くなり、ピューピューと音が鳴るまで、しっかりとこんにゃくを空炒りすることで、アクが抜け、他の具材の変色を防ぐことが出来ます。
【高野豆腐の戻し過ぎ】
高野豆腐を、パッケージの説明よりも、熱い温度で長時間かけて戻すと、ふにゃふにゃになってしまいます。
このふにゃふにゃは、まるで「あらゆるものを良く吸い込むスポンジ」の状態ですので、ひじき表面の黒い粉々や、調味料の少しの焦げ付きも、とてもよく吸い込んでしまいます。
【アルミ鍋を使用した】
こんにゃく、ごぼうなどの、アクの強い食材を使った煮物は、アルミ鍋で煮込むと、黒く変色してしまうことがあります。
これを防ぐため、テフロンやフッ素加工、ステンレス、ホウロウといった材質のお鍋をおすすめします。
【きのこ類を切ってから、少し長い時間置いてしまった】
きのこは、切ってしばらくすると、変色することがあります。
この変色が、煮込むことにより、他の具材の変色に繋がることがあります。
ですので、きのこ類はカットしたら、すぐに調理するように心がけましょう。
■作り置きのコツ・ポイント
作り置きは、水分が多いほどいたみやすいです。煮物や佃煮など、炊いたり煮詰めたりするメニューは、汁気がほとんどなくなるまでしっかり炒め煮にしましょう。
根菜はなくても良いですが加えるとさらに美味しくいただけます。ごぼう、れんこん、あるものでOKです。根菜一掃メニューとしても活躍します。
彩りにゆでたさやいんげん、きぬさやを加えても良いです。塩を入れた熱湯でさっとゆでて、冷水に取って色止めしたものを、斜め切りにしいただく際に加えると良いです。
材料をきざむのが面倒!という場合は、フードプロセッサで粗めに砕いても大丈夫です。
保存する際は粗熱を取ってから、よく消毒した保存容器に入れて保存しましょう。
■アレンジのヒント
混ぜご飯、おにぎりにもよく合います。玄米ご飯や、最強飯と、ものすごく合います。また、すし飯とも合いますので、ミネラルたっぷりの混ぜずしを作ることが出来ます。
玉子焼きには、卵とあらかじめ混ぜておいても、巻くときに芯にしても、どちらでもおいしいです。
つくねと混ぜる場合は、ひき肉200gあたり半カップ+パン粉半カップが作りやすいです。
白和えがすぐに出来上がります。絹or木綿(安いほうでOK)を、豆腐の水は切らず、炒り高野と同じくらいの量を崩しながら和えれば出来上がりです。とても口当たり良く、おいしくいただけます。
https://mayukitchen.com/koya-tofu-roasted/