「ふくらぎ」という魚を知っていますか?名前を聞いたこともないという方も多いかもしれませんが、実は出世魚であるブリの幼魚なんです。この記事では、ふくらぎの特徴や旬の時期、おいしい食べ方について解説します。記事の後半では、ふくらぎを使った料理のおすすめレシピもご紹介!ぜひ最後までご覧くださいね。
魚の「ふくらぎ」とは?特徴や地方別の呼び方、おいしい食べ方について解説!
- 目次
- ふくらぎとは?
- 出世魚の呼び名
- ふくらぎの旬の時期は?
- ふくらぎのおいしい食べ方
- 刺身
- 塩焼き
- 生姜煮
- 漬け
ふくらぎとは?
「ふくらぎ」は体長30~40cm、体重500g~1.0kg程度の大きさのブリの幼魚のこと。ブリと比べて脂が少なく、さっぱりとした味わいが特徴です。
主に富山県で「ふくらぎ」と呼ばれているため、全国的には名前を聞いたことがないという方が多いかもしれませんね。ふくらぎは漢字で「福来魚」と書きますが、大漁によって港が賑わい「港に福が来た」ということから、縁起を担ぎ「福が来る魚」という意味でそう呼ばれるようになったと言われています。
出世魚の呼び名
今回テーマである「ふくらぎ」は、成長するとブリになりますが、このように成長とともに呼び名が変わっていく魚を「出世魚」といいます。出世魚の呼び名は地域によっても異なります。
ブリは富山では成長の順に
コヅクラ → フクラギ → ガンド → ブリ
と変化します。
それが、関東では
ワカシ(ワカナゴ) → イナダ → ワラサ → ブリ
関西では
モジャコ → ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
となり、ふくらぎは関東でいう「イナダ」、関西でいう「ハマチ」と同じものです。
ちなみにブリ以外にも出世魚と呼ばれる魚が存在し、スズキやサワラ、コハダなどがそれにあたります。機会があったらぜひチェックしてみてくださいね。
ふくらぎの旬の時期は?
ふくらぎが旬を迎えるのは、ブリよりも少し早い10~11月。富山では、県内のほぼすべての漁港で漁獲されます。
ちなみにブリは12~2月に旬を迎えますが、ここで気になるのがふくらぎの成長のスピードです。この旬の時期を見るだけだと数か月でふくらぎからブリに成長するのかと思った方もいるかもしれませんが、そうではありません。
ふくらぎは生後7~8ヶ月の幼魚。それから1年以上経過し、生後2年目の冬に体長60cmほどのガンドになります。さらにその次の年の冬にブリと呼ばれる体長80cm以上にまで成長するのです。
旬を迎えたふくらぎは、ほどよく脂がのっていて、クセがなくさっぱりとしています。しっかりと脂がのっているブリともまた違ったおいしさを楽しめますよ。
ふくらぎのおいしい食べ方
そんなふくらぎは、どのような料理に合うでしょうか?以下で、ふくらぎのおいしい食べ方について見てみしょう。
刺身
ふくらぎのほどよくのった脂とさっぱりとした味わいをダイレクトに楽しむなら、やはりお刺身がおすすめです。三枚おろしにしてから骨や皮を取り除き、冊状になったふくらぎをそぎ切りします。おつまみにもぴったりですよ。
塩焼き
ふくらぎを塩焼きにすると、刺身とはまた違った身のふんわりとした食感が楽しめます。レモン汁をかけると爽やかな風味がプラスされて、よりさっぱりといただけますよ。
生姜煮
ふくらぎを生姜やしょうゆ、砂糖などを使って煮た生姜煮もおすすめの食べ方です。ふくらぎの旨味と生姜の香りが食欲をそそり、ごはんにもお酒にもぴったりの一品に仕上がります。
漬け
ふくらぎの刺身を、しょうゆや味噌を使って漬けにするのもおいしいですよ。ごはんが進む味わいで、米どころでもある富山県にぴったりの食べ方ですね。
ふくらぎのおすすめレシピをご紹介!
ここからは、ふくらぎのおすすめレシピをご紹介します。レシピにはイナダやハマチと書かれていますが、これまで解説してきたようにどちらもふくらぎと同じものです。カルパッチョや照り焼きなど、ふくらぎをおいしくいただけるレシピをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
イナダのねぎ塩和え
おつまみにもぴったり!ねぎ塩和えを作ってみましょう。ほどよく脂ののったやわらかなイナダと、シャキシャキとした食感の白髪ねぎがよく合い、箸がどんどん進むおいしさですよ。火を使わずササッと作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
イナダのユッケ
10分で作れるおかず!イナダのユッケをご紹介します。お刺身にしょうゆやコチュジャン、すりおろしニンニクなどの調味料を和えるだけなのでとっても簡単!ごま油やニンニクの香りが食欲をそそります。あと一品ほしいときのおかずにもおすすめです。
イナダの和風カルパッチョ
香り豊かな味わいの、イナダの和風カルパッチョはいかがでしょうか。イナダの旨味に、ゆず胡椒やポン酢を使ったさわやかなタレと、ミョウガや大葉といった香味野菜がよく合います。イナダ以外の魚で作ってもおいしいので、覚えておくと便利なレシピですよ。
イナダの塩麹竜田揚げ
イナダで竜田揚げを作ってみるのもおすすめです。味つけはシンプルで、塩麹とすりおろしニンニクに30分ほど漬けてから、片栗粉をまぶして揚げます。表面はカラッと、身はふっくらと揚がり、とてもおいしいですよ。ごはんにもよく合うので、今晩のおかずに作ってみてはいかがでしょうか。
こってり ハマチの照り焼き
ごはんが進む味わいの、ハマチの照り焼きをご紹介します。こってりとした甘辛いタレはハマチと相性抜群!魚に薄力粉をまぶしてから焼くと、タレがしっかり絡みますよ。ふっくらとした食感に仕上げるため、焼きすぎにはご注意くださいね。
シンプル ハマチのカルパッチョ
パパッと作れるカルパッチョはいかがでしょうか。オリーブオイルやレモン汁、だし醤油などを混ぜ合わせたカルパッチョソースをお刺身やラディッシュにかけるだけ!きれいに盛りつけたらおしゃれなおつまみの完成です。クセの少ないハマチをさっぱり食べるのにぴったりのレシピですよ。おもてなしにもおすすめの一品です。
はまちのなめろう
ハマチは、なめろうを作るのにもぴったりなお魚です。適度な脂と旨味があり、たっぷりの薬味とも相性抜群!ごはんはもちろん、お酒にもよく合います。叩き加減によって粘りが変わってくるので、お好みの食感に調整してみてください。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
はまちの韓国風丼
ピリ辛味の韓国風丼はぜひお試しいただきたい一品です。コチュジャンを使ったピリ辛味のタレがハマチによく合い、やみつきになるおいしさですよ。ごはんがモリモリ進む味つけなので、おかわりがほしくなること間違いなし!お魚そのものの味をよりしっかり感じたい方は、漬け時間を短くしたり、タレを和えるのではなくお刺身にかけてもおいしく召しあがれます。
はまちのお吸い物
余ったお刺身の活用にぴったり!ハマチの旨味を活かしたお吸い物を作ってみてはいかがでしょうか。どんな料理にも合わせやすい、ほっとする味わいに仕上がっています。お好みの野菜を追加してアレンジするのもおすすめです。顆粒和風だしを使って簡単に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
ブリの子ども、ふくらぎを味わってみよう!
今回は、ふくらぎの特徴や旬の時期、おいしい食べ方についての解説と、おすすめレシピをご紹介しました。成長とともに呼び名が変わる出世魚は、名前だけではなく味わいも変化していくので、食べ比べてみるのもおもしろそうですね。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひふくらぎを味わってみてくださいね。