「アクアパッツァ」と「ブイヤベース」には、どのような違いがあるのでしょうか?どちらもおしゃれな魚料理というイメージがありますが、その違いを詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。今回は、アクアパッツァの特徴や由来をはじめ、ブイヤベースとの違い、おすすめのアクアパッツァレシピなどをご紹介します。
アクアパッツァとブイヤベースは何が違う?特徴や作り方について徹底解説!
- 目次
- アクアパッツァとは?
- アクアパッツァという名前の由来は?
- どんな料理なの?おすすめの魚は?
- ブイヤベースとの違いとは?
- ブイヤベースはフランス料理
- 具材にルールがある
- 調理法・味つけが異なる
- 別々の皿に盛りつける
アクアパッツァとは?
「アクアパッツァ」とは、イタリア南部の郷土料理で、魚介をふんだんに使った煮込み料理のこと。オリーブオイルで焼いた魚を水で煮込み、白ワインやトマト、ムール貝などを加え、塩で味を調えるシンプルな料理です。
日本ではレストランでいただくイメージがありますが、その発祥は漁師たちが売れ残った魚で作っていた漁師料理だと言われています。本来は焼いた魚を海水で煮込み、トマトとオリーブオイルだけで仕上げる素朴な料理だったので、使う具材に厳密な決まりはありません。本場イタリアでは、ありあわせの魚介で作れる家庭料理として親しまれているそうですよ。
アクアパッツァという名前の由来は?
「アクアッパッツァ(Acqua pazza)」の「acqua」は「水」、「pazza」は「暴れる、飛び跳ねる」という意味で、これを直訳すると「暴れ水」という意味になります。
その由来は諸説ありますが、ひとつ目はオリーブオイルに水を加えるとき、水がジュワーッと跳ね上がる様子からという説。ふたつ目は、漁師が船上で料理するときに船が揺れると、鍋の水が暴れているように見えるから、という説がありますがどちらも定かではないようです。
どんな料理なの?おすすめの魚は?
アクアパッツァは魚介を水で煮込むシンプルな料理なので、複数の具材を組み合わせた方が味に深みが出ておいしくなります。メインの魚とトマトだけで作ることもできますが、あさり、ムール貝、イカ、タコ、オリーブ、ケッパー、ハーブなどをプラスすると、さまざまな具材の旨味や酸味、風味が重なり合って奥深い味わいに仕上げることができますよ。
アクアパッツァに使われる魚は、タイやカサゴ、メバル、イサキ、タラなど、淡白な味わいの白身魚が多いです。切り身より小ぶりの魚を丸ごと使う方が、アラからダシが出やすくなるうえに、見た目も豪華に仕上げることができます。
そして、アクアパッツァに欠かせない具材のひとつがトマトです。トマトを加えると爽やかな酸味が魚のおいしさを引き立て、真っ赤な色合いが華やかさをプラスしてくれますよ。
また、アクアパッツァをいただくときは、スプーンで魚とスープを一緒に口に運ぶのがおすすめです。ふっくらとした身に旨味たっぷりなスープが染み込んで、思わず笑顔になってしまうおいしさです!ワインを合わせる場合は、味つけに使った白ワインをそのまま合わせてもよいですし、すっきりとした味わいのスパークリングワインもおすすめですよ。
ブイヤベースとの違いとは?
アクアパッツァと同じような料理に「ブイヤベース」があります。どちらもスープ仕立ての魚料理という点は同じですが、これらふたつはどのような違いがあるのでしょうか?以下で詳しく見てみましょう!
ブイヤベースはフランス料理
アクアパッツァはイタリア料理ですが、ブイヤベースはフランス料理で、南フランスの港街・マルセイユ発祥だと言われています。
具材にルールがある
アクアパッツァは使う具材に厳密な決まりはありませんが、本格的なブイヤベースはさまざまなルールが定められています。実は、本場マルセイユ市には「ブイヤベース憲章」というものがあり「地中海岩礁の魚を4種類以上使用する」「タイ、オマールエビ、ムール貝、タコ、イカは加えない」などのルールがあるそうです。
調理法・味つけが異なる
アクアパッツァは、焼いた魚を水で煮込んだ「蒸し煮料理」で、味つけはシンプルな塩味です。一方で、ブイヤベースは魚のアラ、エビ、香味野菜、フェンネル、サフラン、トマトなどを煮込んで濃厚なスープを作り、そこに具材である魚介を加えた「具沢山のスープ」です。魚介やハーブの風味が濃縮された上品な味わいは、ほかの料理では楽しめないおいしさですよ。
別々の皿に盛りつける
アクアパッツァは魚とスープを1皿に盛りつけますが、本格的なブイヤベースは具材とスープを別々の皿に盛りつけ、クルトンやルイユというニンニク風味のソースを添えて提供されます。
手軽に楽しめる!アクアパッツァのおすすめレシピをご紹介
ここからは、アクアパッツァのおすすめレシピをご紹介します。アクアパッツァを作るのはハードルが高いイメージがありますが、実はフライパンひとつで簡単に作ることができるんですよ!オーブントースターを使ったお手軽レシピも合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
スキレットで簡単!アクアパッツァ
タラの切り身で作る、お手軽アクアパッツァです。材料をスキレットに入れて加熱するだけの簡単レシピですが、旨味がギュッと詰まった味わいはまさに絶品!野菜のシャキシャキとした食感もよく、食べすすめる手が止まらなくなるおいしさですよ。
お手軽かんたん タラのアクアパッツァ
続いてもタラのアクアパッツァのご紹介ですが、こちらのレシピではあさりの水煮を使ってより手軽にアレンジしました。ミニトマトやオリーブの酸味が効いた味わいは、ワインのおつまみにぴったり!下ごしらえの手間が少ないので、覚えておくと重宝しますよ。
切り身魚で作る 簡単アクアパッツァ
タラとアサリ、ミニトマトで作る、シンプルなアクアパッツァです。こんがりと焼いたタラが香ばしく、アサリやトマトの旨味がしっかりと絡んでたまらないおいしさ!少ない材料で簡単に作ることができるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
シーフードミックスで サバのイタリアンアクアパッツァ
オーブントースターで簡単!塩サバとシーフードミックスのアクアパッツァです。作り方はとても簡単で、耐熱容器に具材を入れてオーブントースターで15分程焼くだけ!ローズマリーの風味が効いた塩サバは、旨味たっぷりでとてもおいしいですよ。
いさきのアクアパッツァ
イサキを丸ごと使った、少し豪華なアクアパッツァです。丸ごと蒸し煮にしたイサキはふっくらとやわらかく、さまざまな具材の旨味が絡んでやみつきになるおいしさ!カサゴやメバルなどほかの魚でアレンジすることもできますので、ぜひ作ってみてくださいね。
イサキの和風アクアパッツア
アクアパッツァをごはんに合わせるときは、和風に仕上げるのがおすすめです!このレシピでは、しょうゆや白だしで味つけしました。大葉をちらすと爽やかな風味が加わり、さっぱりといただけます。
黒鯛のアクアパッツァ
旨味の強い黒鯛は、アクアパッツァにおすすめの魚のひとつ。ニンニクや白ワインの風味でクセが和らぎ、とても食べやすくなりますよ。調理時間はわずか20分と簡単に作ることができるので、ぜひお試しください。
金目鯛の和風アクアパッツァ
キンメダイなど赤い魚を使うと、アクアパッツァがパッと華やかになります!こちらのレシピは、薄口しょうゆや料理酒を使って和風に仕上げているので、ごはんのおかずとしても楽しむことができますよ。
アジのアクアパッツァ
小ぶりで食べやすい、アジのアクアパッツァです。アクアパッツァを青魚で作る場合は、ブラックオリーブを加えると程よい酸味がアクセントになっておいしく仕上がります!お酒のおつまみにぴったりですので、ぜひ作ってみてくださいね。
白味噌仕立て タラの和風アクアパッツァ
今晩のおかずに、白みそ仕立ての和風アクアパッツァはいかがでしょうか。アクアパッツァにみそを加えるとは驚きですが、トマトの酸味にみその旨味がよく合い、コクのある味わいを楽しむことができます。ぜひ作ってみてくださいね。
実は簡単!アクアパッツァを作ってみよう!
今回は、アクアパッツァの特徴や由来をはじめ、ブイヤベースとの違い、さらにおすすめのアクアパッツァレシピなどをご紹介しました。アクアパッツァとはイタリア南部の郷土料理で、焼いた魚を水や白ワインで煮込んだシンプルな料理です。フライパンひとつで簡単に作ることができますので、ぜひお好みの魚でそのおいしさを堪能してみてくださいね。