「カレイ」と「ヒラメ」の違いをご存知ですか?「左ヒラメ、右カレイ」という言葉もありますが、実際に並べてみても見分けがつかない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、カレイとヒラメの見分け方をはじめ、それぞれの特徴や味の違い、調理のポイントやおすすめのレシピなどをご紹介します。
カレイとヒラメは何が違う?特徴や見分け方を解説!
- 目次
- カレイとヒラメの見分け方は?
- 顔の向き
- 口の形
- 味の違いは?
- 価格の違いは?
- エンガワの正体はカレイ?
- ごはんのおかずに!おすすめのカレイレシピ
- 簡単に作れる カレイの煮付け
カレイとヒラメの見分け方は?
カレイ(鰈)とヒラメ(鮃)は同じカレイ目に属する魚なので、色や形がとてもよく似ています。どちらも平べったい葉のような形をしており、左右対称ではなく目が片方に寄っているという、少し変わった特徴を持つ魚なのです。
顔の向き
カレイとヒラメの簡単な見分け方に「左ヒラメ、右カレイ」という言葉があります。
目を上にして置いたときに左向きになるのがヒラメ、右向きになるのがカレイになります。ところが例外も多く、日本近海の「ヌマガレイ」はほとんどが左向きであったり、ヒラメの仲間にも「メガレイ」や「テンジクガレイ」と呼ばれる種類があったりと、顔の向きだけでは見分けられないこともあるのです。
口の形
実は、顔の向き以外に「口の形」でカレイとヒラメを見分けることもできます。これらふたつは食べるエサが異なるため、口が違う形に発達しているのです。
ヒラメは海底に身を潜め、近づいてきたイワシやアジなどの小魚を瞬時に襲って捕食するため、口がとても大きくて歯が生え揃っています。
一方で、カレイは自らエサを襲って捕食することはなく、ゴカイやエビなどの小さな生き物を主食としています。口が小さくて歯が発達していないので、地方によっては「口細(クチボソ)」とも呼ばれています。
味の違いは?
ヒラメとカレイは同じ白身魚で身の形がよく似ているので、切り身するとほとんど見分けがつきません。しかし、それぞれの味わいや食感は異なります。
カレイはあまり動かない魚なので、身がやわらかくて脂がのっているのが特徴です。新鮮なものは刺身にすることもできますが、少しクセがあるので煮つけやフライ、から揚げ、干物など、加熱調理していただくのが一般的です。種類が多く、食用だけでも40種はあるため、旬の時期もそれぞれです。
一方で、ヒラメは瞬発力があるので身の筋肉が引き締まっています。生だとコリコリ、加熱するとふんわりとした食感と、クセが少なく上品な旨味があります。いわゆる高級魚として和食では刺身や寿司に、フランス料理ではムニエルなどメインデッシュに用いられるのが一般的です。旬の時期は晩秋から早春にかけてですが、一番脂がのる冬には「寒ビラメ」と呼ばれ、格別のおいしさを楽しむことができます。
価格の違いは?
カレイは大衆魚、ヒラメは高級魚と呼ばれているように、ヒラメの方が価格が高くなっています。それぞれの漁獲量を見てみると、令和2年度の統計ではカレイが約40000トン、ヒラメが約6300トンと、カレイはヒラメの約6.3倍もの漁獲量があります。
カレイは種類が多く生息域が広いため、日本近海だけでもマガレイ、メイタガレイ、イシガレイ、ヤナギムシガレイなど40種程の種類があり、地方によって獲れる種類もさまざまです。一方で、ヒラメは種類が少なく生息域が限られているため、希少価値があります。養殖も行われていますが、1997年を境にその量は減り、現在はピーク時の1/3程になっています。
※参照:農林水産省「海面漁業生産統計調査 / 確報 令和2年漁業・養殖業生産統計」
エンガワの正体はカレイ?
人気の寿司ネタのひとつに「エンガワ(縁側)」があります。エンガワといえば、ヒラメの両側にあるヒレの付け根部分を指すのが一般的です。コリコリとした歯ごたえと脂ののった味わいは、他の魚では味わえないおいしさですよね。
しかし、近年多くの回転寿司では、エンガワにヒラメを使うことはほとんどありません。ヒラメのエンガワはとても小さくて希少価値があるので、リーズナブルな価格で提供するのは難しいのだとか。その代わりにカラスガレイやアブラカレイなど、輸入物のカレイのエンガワを使うことが多いそうです。
ただし、輸入物のエンガワも寿司ネタとしては十分なおいしさです。カラスガレイのエンガワはたっぷりと脂ののったコクのある味わい、ヒラメのエンガワは適度に脂ののった上品な味わいを楽しむことができます。機会があったら、ぜひ食べ比べてみてくださいね。
ごはんのおかずに!おすすめのカレイレシピ
さてここからは、カレイとヒラメのおすすめレシピをご紹介します。調理のポイントも合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
簡単に作れる カレイの煮付け
カレイといえば、やはり煮付けは外せないですよね。ふっくらとしたカレイに甘辛い煮汁が染み込み、ごはんがどんどん進むこと間違いなし!カレイは火を通しすぎると煮崩れてしまうので、中心までしっかりと火が通ったら加熱し続けずに、火から下ろすことがポイントですよ。
中華風ダレで美味しい 揚げカレイ
カレイはから揚げにしても絶品です!こちらのレシピは、カラッと揚げたカレイに中華風のねぎダレをたっぷりかけて、風味よく仕上げました。外はサクサク、中はふっくらとしておいしいですよ。ごはんにもお酒にもよく合うので、ぜひお楽しみくださいね。
子持ちカレイとごぼうの味噌煮
煮付けはしょうゆ味が定番ですが、みそ味にしてもおいしいですよ!ごぼうを一緒に煮ると、ごぼう特有の風味が加わり、コクのある奥深い味わいに仕上がります。卵のプチプチとした食感が楽しめるのは子持ちカレイならでは。お酒のおつまみにぴったりな一品です。
上品な味わい!おすすめのヒラメレシピ
ヒラメは上品な味わいが魅力なので、シンプルな調理で素材本来のおいしさを活かすことがポイントです。おもてなしの一品としても喜ばれますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ヒラメとセロリのカルパッチョ
新鮮なヒラメが手に入ったら、ぜひ試していただきたいのがカルパッチョです!コリコリとした食感のヒラメにセロリの爽やかな風味がよく合う、上品な味わいはまさに絶品。ヒラメを柵から切る場合は、薄くそぎ切りにしてコリコリとした食感を活かしましょう。
ヒラメのゆず胡椒唐揚げ
ヒラメに片栗粉をまぶしてから揚げにすると、カレイとはひと味違うふんわりとした食感に仕上がります。ゆず胡椒がピリッと香る上品な味わいは、一度食べたらやみつきになること間違いありませんよ!しっかりと味がついているので、なにもつけずにそのままお召し上がりくださいね。
トースターでお手軽 ヒラメの香草ホイル焼き
手軽にヒラメ料理を楽しみたいときは、香草ホイル焼きがおすすめです!ヒラメに塩こしょうをふり、レモンやハーブと一緒にアルミホイルで包んでオーブントースターで焼くだけと、簡単に作ることができますよ!短時間で作れるのに豪華に見える、おすすめのレシピです。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
※アルミホイルが熱源に直接触れると溶けてしまう恐れがあります。熱源に触れないようご注意ください。
それぞれの特徴に合わせた調理法で楽しもう!
いかがでしたか?カレイとヒラメの見分け方をはじめ、それぞれの特徴や味の違い、おすすめのレシピなどをご紹介しました。カレイとヒラメは同じカレイ目の魚なので、味や見た目がとてもよく似ています。しかし、カレイはやわらかく脂がのった味わい、ヒラメは身が引き締まっていて上品な旨味があるので、それぞれの特徴を活かした調理法でいただくのがおすすめですよ。
クラシルでは、ほかにもカレイやヒラメのレシピをたくさんご紹介しています。そちらも合わせて参考にして、より手軽に魚料理をお楽しみくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。