深い色とまろやかな味わいが特徴の「黒酢」。黒酢ドリンクや中華料理の味つけによく使われますが、普通のお酢とはどのような違いがあるのでしょうか?この記事では黒酢の味や使い方、ほかのお酢の種類や黒酢との違いについて解説します。記事後半の黒酢酢鶏やレモン黒酢など、黒酢を使った絶品レシピも必見ですよ。
黒酢とは?特徴や普通のお酢との違いについて解説!
- 目次
- 黒酢とは?
- 普通のお酢と黒酢はどう違う?
- 黒酢の発祥
- 黒酢のおすすめの使い方
- 黒酢を使った絶品おかずレシピ
- 豚バラ肉ロールのジューシー黒酢酢豚
- シンプル 黒酢鶏
- 揚げない さつまいも入り黒酢酢鶏
黒酢とは?
黒酢とは玄米と麹、水を使って作るお酢のこと。玄米とは収穫されたお米から籾殻だけを取り除いた精白されていないお米のことです。そのほかに小麦や大麦も副原料として使われることがあります。
農林水産省が定めた「食酢表示基準」によると、米黒酢は原料として玄米、または玄米に小麦か大麦を加えたもののみを使用し、米の使用量が穀物酢1リットルに付き、180g以上と定められています。また、発酵、熟成によって褐色、あるいは黒褐色に着色しているものを米黒酢と呼ぶそうです。同じ資料によると、大麦の使用量が穀物酢1リットルにつき180g以上で、発酵及び熟成によって褐色か黒褐色に着色したもので原料が大麦のものを大麦黒酢と呼びます。
黒酢の発祥は鹿児島県霧島市福山町で、アマン壺と呼ばれる専用の壺を使う伝統的な製法で作られています。壺の中に麹と蒸した玄米、仕込み水を入れて屋外で発酵させ、1~3年もの期間をかけてじっくりと熟成させて作られるそうです。
黒酢は長時間じっくりと発酵させるため、深い琥珀色をしているのが特徴です。熟成の期間が長ければ長いほど、色合いや旨味が濃くなると言われています。黒酢はツンとした匂いが少なく芳醇な香りで、味わいもまろやか。コクがあって風味豊かなので、普通のお酢とはひと味違うおいしさです。
普通のお酢と黒酢はどう違う?
お酢はさまざまな種類に分類することができます。どのような種類があるか見ていきましょう。
まず、お酢は食酢ともろみ酢、加工酢に大分されます。食酢はわたしたちが日常使っているお酢、もろみ酢は泡盛の製造過程でできるもろみ粕を原料にしたもの、加工酢は食酢に砂糖やしょうゆなどを加えて味つけしたものです。
食酢をさらに詳しく見ていくと、食酢には醸造酢と合成酢があります。「食酢品質表示基準」によると醸造酢は穀類や果実などの農産物やはちみつなどを原料としたものを酢酸発酵させた液体調味料のこと。一方、合成酢とは酢酸を薄めた液に砂糖や酸味料、調味料や食塩などを加えた液体調味料のことです。わたしたちが口にするお酢の大半が醸造酢ですが、醸造酢も穀物酢と果実酢に分けられます。穀物から作られる穀物酢の種類は米酢や玄米黒酢、モルトビネガーなどです。果物が原料の果実酢には、リンゴ酢やバルサミコ酢、ワインビネガーなどがあります。
では、原料が似ている米酢と黒酢はどのような違いがあるのでしょうか?黒酢と米酢とでは、色合いや味わいがかなり異なります。米酢は薄い黄色でツンとする香りが特徴。それに対し黒酢は深い琥珀色、あるいは黒褐色で、匂いもそれほど強くありません。米酢はさっぱりとした酸味とお米の風味が感じられますが、黒酢は特有の風味とコクがあり奥行きのある味わいです。料理に使うと、味に深みが出てまろやかに仕上がりますよ。これは黒酢が長期間発酵、熟成されることが理由です。普通の食酢は発酵が3ヶ月ほどでよいのに対し、黒酢は半年以上、長いと3年ほども時間がかかると言われています。
黒酢の発祥
お酢の歴史はたいへん古く、紀元前5000年ごろから使われていたとされています。実は塩と並ぶ古い調味料なのだとか。日本へは古墳時代に伝来したと言われており、その当時のお酢は米酢だったと考えられています。
黒酢の発祥時期ははっきりとは分かっていませんが、約200年ほど前に中国の商人から伝わったという説が有名です。それによると鹿児島県福山市の商人が中国の商人から製法を聞いて、壺を使ったお酢作りをスタートさせたとのこと。戦後は原料の不足などにより、ほとんどの醸造所で生産が途切れましたが、一部の業者が米の代わりにさつまいもを使って製造を続け黒酢づくりの伝統と技術を守ったそうです。
当時は黒酢ではなくアマンや福山酢、壺酢などと呼ばれていましたが、近年黒酢と呼ばれるようになり、市場に多く流通するようになりました。
黒酢のおすすめの使い方
黒酢はドリンクやさまざまな料理の調味料として活用できます。ドリンクとして楽しむ場合には、原液で飲むと胃や喉を痛めてしまう場合があるので、水やお湯などで薄めて飲むのがポイントです。はちみつを入れたり牛乳などで割ったりすると、まろやかで飲みやすくなりますよ。果物や野菜のジュースなどに加えて手軽に楽しむ人も多いです。
普段の料理でお酢を使う際に、黒酢に置き換えるのもおすすめ。サラダのドレッシングや酢の物、マリネに使うこともできます。ただし、黒酢は特有の風味があり、普通のお酢とは少し違う味わいになります。酸味がまろやかでコクがあるので、その特徴を活かして料理に活用するとよりおいしく召し上がれますよ。
定番は中華料理など、白いごはんが進む炒めものや煮物!酢豚や手羽の煮込みなど、こっくりとした味わいの炒めものや煮物に加えると深みのある仕上がりになっておすすめです。天津飯や肉団子など、あんかけ料理に使ってもひと味違うおいしさを楽しめますよ。ぜひ、黒酢と合うさまざまな料理の組み合わせを見つけてみてくださいね。
黒酢を使った絶品おかずレシピ
黒酢の特徴やほかのお酢との違い、使い方などがわかったところで、ここからは黒酢を使った絶品レシピをご紹介します。簡単に作れるものをピックアップしているのでぜひチェックしてみてくださいね。
豚バラ肉ロールのジューシー黒酢酢豚
豚バラ肉ロールのジューシー黒酢酢豚のご紹介です。豚バラ肉をくるくる丸めて塊肉の代わりにしました。やわらかくジューシーで食べやすいですよ。とろりとしたナスやパプリカの甘みが黒酢あんと絡んでたまらないおいしさです!ぜひ作ってみてくださいね。
シンプル 黒酢鶏
今夜のおかずにシンプルにおいしい黒酢鶏を作ってみませんか?淡白な味わいの鶏むね肉も旨味の強い黒酢を使うことでコクうまに仕上がります!甘辛い味つけでごはんが進みますよ。ぜひお試しくださいね。
揚げない さつまいも入り黒酢酢鶏
「揚げないさつまいも入り黒酢酢鶏」のレシピです。甘いさつまいもとほろ苦いピーマン、旨味たっぷりのしいたけなど野菜をふんだんに加えて酢鶏にしました。黒酢のこっくりとした味つけが鶏むね肉やさつまいもと相性抜群!お箸が止まらなくなるおいしさです。ぜひ召し上がってみてくださいね。
大根と鶏ももの黒酢煮
大根と鶏もも肉で黒酢煮を作ってみました。黒酢でふっくらやわらかな鶏もも肉ととろけるようなおいしさの大根の旨味がたっぷり!ほんのりとした甘酸っぱさが後を引きます。今夜のおかずにいかがでしょうか?
鶏肉と根菜の黒酢煮
食べごたえ満点な鶏肉と根菜の黒酢煮はいかがでしょうか?さっぱりした黒酢の風味で鶏むね肉の旨味とにんじんやさつまいもの甘みが引き立ちます!とても簡単にお作りいただけるのでぜひ作ってみてくださいね。
ポリポリごぼうと豚バラ肉のさっぱり黒酢炒め
ポリポリごぼうと豚バラ肉のさっぱり黒酢炒めです。ジューシーな豚バラ肉と風味豊かなごぼうが好相性!黒酢のほのかな酸味でさっぱりとおいしく召し上がれます。お酒のおつまみにもおすすめですよ。ぜひ献立に加えてみてくださいね。
黒酢タレでコクうまトンテキ
黒酢タレでコクうまトンテキを作ってみましょう。豚肩ロースのソテーにオイスターソースと黒酢入りの濃厚なソースが相性抜群!ニンニクの香りも食欲をそそります。しっかりした味つけなので、ごはんとよく合いますよ。ぜひお試しくださいね。
黒酢でさっぱり しらたきのチャプチェ
黒酢でさっぱりしらたきのチャプチェをご紹介します。牛肉と野菜の旨味たっぷりの一品です。仕上げに加えた黒酢の爽やかな酸味とコクが絶妙なアクセントになり、最後まで飽きずに召し上がれますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
黒酢を使った絶品ドリンクレシピ
続いては、黒酢を使った絶品ドリンクレシピをご紹介します。さっぱりしてとてもおいしいので、ぜひチェックしてみてくださいね。
和風ドリンク 黒酢ソーダ
黒酢ソーダの和風ドリンクはいかがでしょうか?コクうまな黒酢にはちみつのやさしい甘みが加わり、まろやかな味わいに。炭酸水の喉越しが爽やかでクセになるおいしさです!今日のティータイムに作ってみてくださいね。
レモン黒酢
すっきりおいしいレモン黒酢のご紹介です。フレッシュなレモンに黒酢と黒糖を加え、風味豊かに仕上げました。甘酸っぱさと濃厚なコクがやみつき必死の一品です!ぜひ召し上がってみてくださいね。
まろやかな酸味と芳醇な味わいの黒酢を気軽に取り入れよう
いかがでしたか?黒酢の特徴や味、ほかのお酢との違いに加え、黒酢を使ったおかずやドリンクなどの絶品レシピもご紹介しました。黒酢は風味豊かでコクがあり、まろやかな酸味と芳醇な味わいが特徴です。さまざまなドリンクや料理に活用できるので、今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひ毎日の食卓に気軽に取り入れてみてくださいね。