「酒粕」には、どのような栄養素が含まれているのでしょうか?身体によさそうなイメージはあっても、具体的な栄養素を知っている方は少ないかもしれません。そこで今回は、酒粕の特徴や種類をはじめ、含まれる栄養素や料理への取り入れ方などをご紹介します。記事後半でご紹介する酒粕の活用レシピは必見ですよ!
酒粕って栄養あるの?特徴やアレンジレシピをご紹介!
- 目次
- 酒粕とは?
- 酒粕の種類はさまざま
- 板粕
- バラ粕
- 練り粕
- 踏み込み粕
- 純米酒粕
- 大吟醸粕
酒粕とは?
「酒粕」とは、日本酒を醸造したあとに残る「絞りかす」のこと。日本酒の原料である米、米麹、水を混ぜ合わせて発酵させた「もろみ」を圧搾したあと、透明な液体になったものが日本酒、残った固形物が酒粕になります。
酒粕には酵母由来の豊かな風味や旨味があり、古くからさまざまな食品に利用されてきました。甘酒や粕漬け、粕汁など日本の伝統料理のほか、近年は酒粕を使ったチーズケーキやチョコレートなどのスイーツも人気があります。また、酒粕にはたんぱく質や食物繊維、ビタミンなどの栄養素が含まれており、近年はその栄養価に関する研究がすすめられています。
ただし、酒粕には8%程のアルコールが含まれているため、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、車を運転する予定のある方は摂取をお控えください。
酒粕の種類はさまざま
酒粕にはさまざまな種類があり、日本酒の種類によって風味や形状が異なります。具体的にどのような種類があるのか、以下で詳しく見てみましょう!
板粕
スーパーなどに広く流通している、平たい板状の酒粕です。比較的手に入りやすいですが、やや固くて溶けにくいので水でふやかしたり、ミキサーで攪拌してから使うのが一般的です。
バラ粕
板粕よりやわらかい、ポロポロとした形状の酒粕です。吟醸酒や純米酒の酒粕はあまり強く圧搾しないので、板状にならずバラ粕になることが多いです。
練り粕
板粕やバラ粕を練ってペースト状にしたものです。溶けやすいので料理に使いやすく、初めて酒粕を使う方におすすめです。
踏み込み粕
酒粕を踏み込んで数ヶ月熟成させた、黄金色の酒粕です。甘味やコクが強いので、奈良漬など粕漬けの原料として使われます。
純米酒粕
純米酒から作られる、上品な風味の酒粕です。米と米麹のみで作られているので、米本来のすっきりとした風味を楽しむことができます。
大吟醸粕
大吟醸酒から作られる、芳醇な風味の酒粕です。できる限り圧力をかけずに圧搾するので、日本酒の成分が多く残っており、やわらかくクリーミーな味わいを楽しむことができます。
どんな栄養が含まれているの?
先ほどご紹介したように、酒粕にはさまざまな栄養素が含まれています。日本酒の原料である米(炊飯米)とその栄養価を比べると、たんぱく質は約5倍、食物繊維は約3倍、ビタミンB6は約47倍、葉酸は約56倍も含まれています。以下で詳しく見てみましょう。
酒粕100gあたりの栄養価は以下のとおりです
・エネルギー・・215kcal
・水分・・・・・51.1g
・たんぱく質・・14.9g
・脂質・・・・・1.5g
・炭水化物・・・23.8g
・食物繊維・・・5.2g
・ビタミンB2・・0.26mg
・ビタミンB6 ・・0.94mg
・ナイアシン・・2.0mg
・葉酸・・・・・170μg
・亜鉛・・・・・2.3mg
・アルコール・・8.2g
◼︎たんぱく質
たんぱく質は人間の細胞を構成する主要な成分であり、生命を維持するうえで欠かせない栄養素です。
◼︎食物繊維
食物繊維は便通を整えるために欠かせない成分で、余分な脂質や糖、ナトリウムを体外に排出する働きがあります。
◼︎ビタミンB6
ビタミンB6はエネルギー代謝の補酵素であり、たんぱく質の分解や免疫機能の維持を助けると言われています。そのため、たんぱく質の摂取量が多い方ほど、ビタミンB6の必要量も多くなります。
◼︎葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の形成やDNA合成に関わる栄養素です。胎児の正常な発育に欠かせないことでも知られている葉酸ですが、男女ともに年代を問わず必要な栄養素だと言われています。
料理への取り入れ方は?
酒粕の取り入れ方はとても簡単!甘酒や粕汁はもちろん、料理やスイーツの隠し味に活用することもできます。以下で、代表的な活用方法をいくつかご紹介しましょう。
甘酒
酒粕の風味をシンプルに楽しむなら、やはり甘酒。酒粕と砂糖をお湯で煮溶かすだけと、簡単に作ることができます。純米酒粕や大吟醸酒粕で作ると、より芳醇な風味を楽しむことができますよ。
粕汁
みそ汁に酒粕を加えるだけで、風味豊かな粕汁のできあがり!特にアラ汁や豚汁など、コクのあるみそ汁と相性抜群ですよ。
粕漬け
肉や魚を酒粕に漬けると、旨味がグンと増して芳醇な風味に仕上げることができます。ごはんのおかずにはもちろん、お酒のおつまみにもおすすめですよ。
煮込み料理の隠し味
カレーやシチューの隠し味に酒粕を加えると、コクが増して奥深い味わいに仕上げることができます。
パンやスイーツ
酒粕はパンやスイーツの風味づけに使うこともできます。特にチーズやチョコレートと相性がよく、普段とはひと味違う大人な味わいを楽しむことができますよ。
酒粕のアレンジレシピをご紹介!
さてここからは、酒粕を使ったアレンジレシピをご紹介します。酒粕をさまざまな料理に活用して、ワンランク上の味わいを楽しんでみましょう!
きのこたっぷり 酒粕石狩鍋
鮭ときのこの石狩鍋に、酒粕を加えてコクと旨味をプラスしました。酒粕がふわっと香る芳醇な味わいは、寒い季節にぴったりですよ!
白菜と大豆の酒粕ミルクスープ
ほんのりと甘くやさしい味わいの、酒粕入りミルクスープです。ミルクスープに酒粕を加えるとは驚きですが、コクがグンと増して奥深い味わいに仕上げることができますよ。
酒粕入り 豚汁
酒粕を手軽に楽しみたいときは、豚汁に加えるのがおすすめです!豚肉と野菜をコトコトと煮込み、みそと一緒に酒粕を溶くだけと簡単。具沢山で食べ応えがあるので、おかずのひと品としてもおすすめですよ。
鮭の粕漬け焼き
ふっくらと芳醇な味わいを楽しめる、鮭の粕漬け焼きはいかがでしょうか。酒粕、みそ、料理酒を合わせて鮭を漬け込み、フライパンで焼くだけの簡単レシピ!ほかの魚でアレンジすることもできますので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
濃厚 酒粕シチュー
シチューの隠し味に酒粕を加えると、コクがグンと増して濃厚な味わいに仕上げることができます。さまざまな具材の旨味が溶け合う、クリーミーな味わいはまさに絶品ですよ!
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
風味豊かに仕上がる酒粕を使ったスイーツレシピ
続いては、酒粕を使って作るスイーツレシピをご紹介します。酒粕を加えることでいつものスイーツもより風味豊かに仕上がりますよ!ぜひチャレンジしてみてくださいね。
しっとり 酒粕とあんこのホットケーキ
ホットケーキの生地に酒粕を加えて、しっとりとした食感に仕上げました。酒粕がふわっと香るホットケーキに、あんこの甘味とバターの塩気が絶妙にマッチしてやみつきになるおいしさですよ!
ドライプルーンとくるみのおからパウンドケーキ
ドライプルーンとくるみがぎっしりと詰まった、おからパウンドケーキです。こちらのレシピはバターを使わず、酒粕を加えてしっとりとした食感に仕上げました。甘さ控えめなので、毎日のおやつにおすすめですよ。
酒粕チーズケーキ
クリームチーズの代わりに酒粕を使った、濃厚な味わいのチーズケーキです。酒粕やココナッツオイル、レモン汁を合わせた、まったりとクリーミーな味わいはまるでチーズのよう!スイーツとしてはもちろん、お酒のおつまみにもおすすめですよ。
大人な酒粕チョコレート
酒粕と日本酒を加えた、大人な味わいの生チョコレートです。酒粕とチョコレートの風味がまろやかに溶け合う、濃厚な味わいはまさに絶品!大吟醸粕など香り高い酒粕を使うと、さらにリッチな風味をお楽しみいただけますよ。
※こちらのレシピは日本酒を使用しております。アルコールが含まれますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
酒粕クッキー
酒粕が余っていたら、ぜひ作っていただきたいのがクッキーです!サクッと香ばしいクッキーを頬張ると、酒粕とバターの風味がふわっと広がります。酒粕がお好きな方にはたまらないおいしさですので、ぜひ作ってみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
手軽に酒粕を取り入れてみよう!
今回は、酒粕の特徴や種類をはじめ、含まれる栄養素、さらに和食からスイーツまで酒粕の活用レシピをご紹介しました。酒粕とは日本酒の搾りかすのことであり、たんぱく質や食物繊維、ビタミンB群などさまざまな栄養が含まれています。甘酒や粕汁はもちろん、スイーツの隠し味に活用することもできますので、ぜひ日々の献立に取り入れてみてくださいね。
※こちらのレシピは酒粕を使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。