フランス料理のメニューでよく目にする「テリーヌ」。コース料理の前菜として提供されることが多く、結婚式などで一度は食べたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、同じような料理に「パテ」や「リエット」などもあり、メニューを選ぶときに違いが分からずに困ってしまった、という経験はありませんか?
テリーヌってどんな料理?パテやリエットとの違いや作り方も!

そこで今回は、テリーヌの特徴をはじめ、パテやリエットとの違い、おすすめのレシピなどをご紹介します。それぞれ味や見た目は似たものが多いですが、一番大きな違いは調理の際に使う型や容器。詳しく知ることでフランス料理がもっと身近なものになりますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
- 目次
- テリーヌとは?
- パテと、リエットとの違いは?
- スイーツにもテリーヌがある!
- おうちで作れるテリーヌレシピをご紹介
- カラフル野菜のテリーヌ
- スモークサーモンのテリーヌ
- 4つの材料で簡単 ショコラテリーヌ
- たっぷりドライフルーツのチーズテリーヌ
テリーヌとは?
「テリーヌ(terrine)」は料理の名前だと思われがちですが、本来はフランス料理で使う陶器のフタ付き容器のことを指します。現代ではステンレス製などもありますが、基本的に断面が台形で細長い型のことを「テリーヌ型」と呼び、その容器を使って調理した料理が「テリーヌ」となります。形はパウンド型に似ていますが、テリーヌ型は少し厚手でフタが付いており、加熱したときに熱がやわらかく伝わるのが特徴です。
伝統的なテリーヌは、型にバターを敷いて具材を詰め、オーブンで焼いたり蒸し焼きにして作られます。主に豚肉やレバーを使った肉料理が多いですが、魚介のムースや野菜のゼリー寄せ、チーズケーキなどのスイーツなども「テリーヌ型で作られていれば全てテリーヌ」と呼ばれます。以前は型に入ったまま提供されるものだけをテリーヌと呼びましたが、現代では型から取り出してお皿に盛り付けたものもテリーヌとして扱われます。
パテと、リエットとの違いは?
テリーヌと同じような料理に「パテ」と「リエット」がありますが、味や見た目がよく似ているので違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。ここからは、それぞれの違いについてご紹介します。
◼︎パテとは?
「パテ(pâte)」の語源はパイ生地で、本来は具材をパイ生地で包んで焼いた料理のことを指します。しかし、現代では具材をパイ生地で包むことは少なく、テリーヌ型を使って焼いたものや、中に入れる具材だけを指すこともあります。
フランス料理店やビストロでお馴染みの「パテ・ド・カンパーニュ」も、本来は豚肉やレバーのミンチをパイ生地で包んで焼く料理でした。しかし、現代ではパイ生地の代わりに豚の網脂を使い、テリーヌ型に詰めて蒸し焼きにすることが多いようです。それを型のまま提供すればテリーヌ、型から取り出して提供すればパテと呼ばれるため、実際これらふたつは同じ料理であることが多いのです。
また、パテにはレバーパテなどペースト状になったものもあります。レバーパテを注文すると、ココットに入ったものがバケットと一緒に提供されることが多いですよね。現代ではパイ生地で包まず、さらに焼かずに作られたペースト状のものまでパテと呼ばれています。つまり、パテはテリーヌ型から取り出した四角いものと、ココットや瓶に入ったペースト状のもの、これら2種類があるのです。
◼︎リエットとは?
「リエット(rillettes)」とは「豚の塊」という意味で、豚肉を細かく切ってラードや塩と一緒に煮込み、ホロホロになったら容器に詰めて冷やし固めた料理を指します。塩味が強いので、バターのようにバゲットに塗っていただくのが一般的な食べ方です。見た目はパテによく似ていますが、パテはなめらかなペースト状であるのに対し、リエットはホロホロとしたコンビーフ状をしています。本来は豚肉だけを使った料理でしたが、現代では鶏肉や魚介、野菜などさまざまな食材で作られたのものもリエットと呼ばれています。
スイーツにもテリーヌがある!
「チーズテリーヌ」など、スイーツにもテリーヌという名前が使われていることがありますよね。実は焼き菓子やムース、アイスなどのスイーツも、テリーヌ型で作られていれば全てテリーヌと呼ばれます。つまり、同じチーズケーキの生地でも、ケーキ型で作られていればチーズケーキ、テリーヌ型で作られていればチーズテリーヌとして扱われます。
おうちで作れるテリーヌレシピをご紹介
さてここからは、魚料理からスイーツまでさまざまなテリーヌのレシピをご紹介します。テリーヌをおうちで作るのはハードルが高いイメージがありますが、本来テリーヌはフランスの各家庭で保存食として作られていた家庭料理。身近な材料で簡単に作れるレシピも多いので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
カラフル野菜のテリーヌ
いちから作ると手間のかかる野菜のテリーヌを、電子レンジで手軽に作れるようにアレンジしました。野菜の食感を活かしたさっぱりとした味わいは、お肉料理の前菜にぴったりです。
スモークサーモンのテリーヌ
パーティーの前菜にぴったりな、スモークサーモンとクリームチーズのテリーヌです。まったりと濃厚な味わいは、ワインと相性抜群!簡単に作れて見栄えするので、ぜひ作ってみてくださいね。
4つの材料で簡単 ショコラテリーヌ
なめらかな口溶けのショコラテリーヌです。チョコレートのおいしさがギュッと詰まったリッチな味わいは、一度食べたらやみつきにること間違いなし!4つの材料で簡単に作ることができますので、ぜひお試しください。
たっぷりドライフルーツのチーズテリーヌ
ラム酒漬けのドライフルーツをたっぷりと加えた、大人な味わいのチーズテリーヌです。ラム酒がふんわりと香るクリーミーな味わいは、食後のデザートにはもちろんワインのおつまみにもぴったりですよ。
抹茶チーズケーキテリーヌ
チーズケーキに抹茶と甘納豆を加えて、ほろ苦く上品な風味に仕上げました。甘納豆のつぶつぶとした食感もよく、ついつい食べ進める手が止まらなくなるおいしさ!コーヒーにも日本茶にもよく合うので、おもてなしの一品としておすすめですよ。
これぞ萌え断 フルーツたっぷりアイスのテリーヌ
写真映え間違いなしの、フルーツアイステリーヌです。アイスクリームの生地とフルーツを型に詰め、ビスケットをのせて冷凍するだけで完成する簡単レシピ!冷凍ミックスベリーとミックスフルーツ缶を使うことで、複数のフルーツを揃える手間がなく手軽にお作りいただけます。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は、卵の生食を避けてください。
おいしいテリーヌと一緒に優雅なひとときを!
いかがでしたか?テリーヌの特徴やパテ、リエットとの違い、さらにおすすめのレシピなどをご紹介しました。本来テリーヌは料理名ではなく、調理の際に使う型の名前だったとは驚きですね。テリーヌと聞くと敷居が高いイメージがありますが、本来はフランスの各家庭で保存食として作られていた家庭料理です。簡単に作れて見栄えするレシピも多いので、ぜひ記念日やホームパーティーなどで作ってみてくださいね。
クラシルでは、他にもさまざまなテリーヌのレシピをご紹介しています。ぜひ、参考にしてくださいね。

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