魚へんに春と書く「サワラ(鰆)」。名前を見ると春の魚と思われがちですが、実は地域によって旬の時期は異なるんです。今回は、鰆の産地や旬の時期、味やサイズといった特徴について詳しく解説します。記事の後半では、サワラのおいしい食べ方やおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
鰆(サワラ)とは?旬や特徴、おいしい食べ方についても解説!
- 目次
- サワラの産地や旬の時期は?
- サワラの特徴とは?
- サワラは呼び名が変わる出世魚
- サワラの味
- サワラのおいしい食べ方は?
- 刺身
- 焼きもの
- ムニエル
サワラの産地や旬の時期は?
「鰆(サワラ)」とはスズキ目サバ科サワラ属の魚です。さまざまな海域を泳ぎ回って暮らす回遊魚で、日本近海では北海道南部から沖縄までの太平洋や日本海、瀬戸内海など広い範囲で獲ることができます。
サワラは漢字で「鰆」。魚へんに春と書き、俳句で「鰆」という言葉を使う場合は、春の季語となります。このことから、当然旬の時期は春だと思いますよね。しかし、獲れる範囲が広いこともあり、旬の時期にもバラつきがあるんです。
関西でのサワラの旬の時期は漢字の通り、春。5~6月に産卵のために瀬戸内海にやってくるサワラを獲ります。この時期のサワラは身がやわらかく、淡白な味わいが特徴です。また、産卵の時期ということで、メスの卵巣である真子や、オスの精巣である白子も一緒に食べられます。
一方、関東での旬の時期は冬。この時期のサワラは「寒鰆(かんさわら)」とも呼ばれ、産卵に向けて栄養を蓄えているので、身に脂がのっていて、濃厚な味わいを楽しめるのが特徴です。
どちらもそれぞれに魅力があるので、機会があったら違いを確かめてみたいですね。
サワラの特徴とは?
次に、サワラの名前の由来や体の大きさ、味といった特徴について見ていきましょう。
サワラは呼び名が変わる出世魚
サワラはブリなどと同じく、成長とともに呼び名が変わる出世魚です。さらに地域によってその呼び方が異なり、関東では体長約50cm、体重約1kgになるまでを「サゴシ」、それより大きく成長したものを「サワラ」と呼びます。一方関西では、体長約50cm、体重1㎏までを「サゴチ」、体長50~70cm、1~2.5㎏の頃を「ヤナギ」、それより大きくなると「サワラ」と呼びます。
諸説ありますが、体が細長く平たい形をしていることから「狭腹(さはら)」と呼ばれたのが名前の由来なのだとか。
また、地域特有の呼び名もあります。高知県では小さいころは「ゴシ」や「シマウマ」と呼び、九州では「カマチ」、香川では「グッテリ」と呼ばれることも。ちなみに、石川県ではカジキマグロのことを「サワラ」と呼ぶのだそうです。少しややこしいですが、地域によってこんなに呼び名が変わるなんておもしろいですよね。
サワラの味
冒頭でも解説しましたが、サワラはスズキ目サバ科サワラ属の魚。サバの仲間ではありますが、青魚らしい濃厚な味わいとは少し違い、クセがなく上品な味わいが特徴です。また、先ほども少し触れましたが、時期によって味わいが異なります。春にはやわらかくあっさりとした味わいの身や真子、白子を、冬には脂がのって少しこってりとした味わいを楽しめます。
サワラのおいしい食べ方は?
上品な味わいが魅力のサワラ。どんな料理にしたらおいしく食べられるのか、以下でご紹介します。
刺身
新鮮なサワラが手に入ったら、ぜひ刺身で味わってみてください。ほんのりと甘みを感じられる上品な味わいを楽しめますよ。そのおいしさから「サワラの刺身は皿まで舐める」といわれることもあるのだとか。
しかしサワラには、アニサキスという線虫が寄生している可能性があります。アニサキスは白い糸のような姿をしていて目に見えるので、刺身で食べる場合は目視でよく確認しましょう。十分に加熱をすればアニサキスによる食中毒を防ぐことができるので、少しでも鮮度が落ちてきているものは加熱調理してから食べてくださいね。
焼きもの
サワラといえば、西京焼きを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。やさしい味わいの西京みそとサワラの旨味が相性抜群ですよ!サワラのおいしさをそのまま楽しみたいときは、シンプルな塩焼きもおすすめです。
ムニエル
クセがなく淡白な味わいのサワラは、ムニエルにもぴったり!バターやハーブ、レモンなど、お好みの味つけで楽しんでみてくださいね。
天ぷら
サワラは身がやわらかいのが特徴の一つですが、特に脂ののったものだと加熱することによって崩れやすくなることもあります。衣をつけてサッと揚げる天ぷらなら、身が崩れにくく、きれいに仕上がりますよ。カラッと揚がった衣とふっくらとしたサワラの身が絶品です!天ぷらにする場合は、新鮮なサワラを使うのがおすすめですよ。
サワラを使ったおすすめレシピをご紹介!
ここからは、サワラを使ったおすすめレシピをご紹介します!先ほどご紹介した塩焼きや西京焼きをはじめとした、いろいろな味つけのレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
オーブントースターでお手軽 さわらの塩焼き
オーブントースターで手軽に作れる、さわらの塩焼きのご紹介です。シンプルな味つけで、サワラの旨味をそのまま楽しめます。旬の味を堪能したいときに、ぜひ作ってみてくださいね。
鰆の西京焼き
やさしい甘みと焼き目の香ばしさがたまらない、鰆の西京焼きを作ってみましょう。このレシピでは、白みそや砂糖、みりんに漬けこんだサワラをフライパンで焼きました。焦げやすいので、弱火で火を通すのがおいしく作るポイントですよ。
野菜たっぷり サワラの南蛮漬け
野菜のシャキシャキ食感も楽しめる、サワラの南蛮漬けはいかがでしょうか。揚げたサワラにさっぱりとした味わいの漬けダレが絡んでとってもおいしいですよ。野菜は、おうちにあるお好みのものでアレンジできるので、ぜひお試しくださいね。
鰆のソテー マスタードクリームソース
おもてなしの一品にもおすすめ!鰆のソテーをご紹介します。塩と黒こしょうで下味をつけたサワラをバターで焼き、粒マスタードや生クリームで作ったソースを添えました。やわらかく淡白な味わいのサワラに、粒マスタードの効いたクリームソースが相性抜群!ぜひ作ってみてくださいね。
鰆の味噌マヨチーズ焼き
濃厚なソースがサワラとよく合う、サワラの味噌マヨチーズ焼きを作ってみましょう。玉ねぎのみじん切りとマヨネーズ、白みそなどで作ったソースとチーズをサワラにのせ、オーブントースターで焼きました。チーズの焼き目と玉ねぎのシャキシャキとした食感がアクセントになり、クセになるおいしさですよ。
いろいろな味つけによく合う!サワラ料理を作ってみよう
今回は、サワラの特徴や産地、旬の時期について解説し、おすすめレシピをご紹介しました。クセのない味わいで、和食にも洋食にも幅広く使えるサワラ。もし旬の時期に手に入ったら、今回ご紹介した内容を参考においしく食べてみてくださいね。