最終更新日 2024.5.14

かつおの旬はいつ頃?初がつおと戻りがつおの違いも解説

かつおの旬はいつ頃?初がつおと戻りがつおの違いも解説

「かつお」は「旬」が1年に2回あるという、珍しい魚です。3月頃に鹿児島県沖で漁が始まり、宮城県沖から南下して秋に2度目の旬を迎えますが、獲れる季節によって味わいが異なるのだとか。今回は、そんなかつおの旬や特徴をはじめ、初がつおと戻りがつおの違いや、おいしいかつおの選び方、さらにアレンジレシピなどをご紹介します。

「かつお」の旬は春と秋

「かつお」とは、スズキ目・サバ科に属する魚の一種で、大きいものは全長1.1m程になる回遊魚です。熱帯や亜熱帯など温暖な海域に生息しており、群を作って回遊しながら小魚などを捕食しています。

日本近海では3月頃に黒潮にのって鹿児島県沖から北上し始め、9〜10月頃に宮城県沖にたどり着いて親潮とぶつかるため、Uターンして南下するという季節的な回遊をします。かつおの旬は春と秋の2回あり、春に太平洋側を北上するものを「初がつお」、秋にUターンしてくるものを「戻りがつお」と呼びます。

また、かつおの身は引き締まった赤身で、新鮮なものはマグロのように濃厚な旨味があります。刺身やたたきなどでいただくほか、缶詰やかつお節の原材料としても用いられる、日本ではとても馴染み深い魚です。

「初がつお」と「戻りがつお」の違いは?

「初がつおはたたき、戻りがつおは刺身」とよく言われますが、これらふたつはどのような違いがあるのでしょうか?以下で詳しく見てみましょう!

初がつお

初がつおは3月頃に餌を求めて太平洋側を北上し始め、4〜5月頃に本州中部にたどりついて漁のピークを迎えます。この頃はまだ餌を十分に食べていないので、脂ののりが少なくさっぱりとした味わいです。身は鮮やかな赤色で引き締まっており、赤身本来の風味や食感を存分に堪能することができます。加熱するとパサつきやすいので、新鮮なものを刺身やたたきでいただくのがおすすめです。

戻りがつお

9〜10月頃に宮城県沖から南下し始めるものを、戻りがつおと呼びます。回遊しながら餌を十分に食べているので、身はまるまると太って脂がたっぷりとのっているのが特徴です。身はピンク色でもっちりとしており「トロかつお」や「脂かつお」とも呼ばれる濃厚なおいしさを楽しむことができますよ。刺身やたたきはもちろん、ステーキやバター焼き、竜田揚げなど幅広い調理法に適しています。

「かつおのたたき」は高知発祥

かつおといえば、表面を香ばしく焼いた「たたき」が定番ですよね。たたきは高知県が発祥とされており、藁を燃やした炎でかつおの表面だけを焼き、それを薄く切って塩やニンニクと一緒にいただくことが多いようです。表面を焼くことで特有の臭みが和らぎ食べやすくなるうえ、香ばしい風味を楽しむことができます。

本来は船上で鮮度が落ちたかつおをおいしく食べるために考案された料理とも言われているんですよ。薬味に生姜やミョウガ、玉ねぎ、スダチなどを添えたり、ポン酢や刺身じょうゆでいただくなど、各家庭やお店によって異なるのだそうです。

おいしいかつおの選び方は?

かつおはとても鮮度が落ちやすいので、時間が経つとすぐに身が茶色っぽくなって臭みが出てしまいます。おいしいかつおを楽しむためには、とにかく新鮮なものを選ぶことが大切です。

身が澄んだ赤色

新鮮なかつおの切り身は、身が澄んだ赤色をしています。身が茶色っぽくなったり、血合いが黒ずんでいるものは、鮮度が落ちているので避けるようにしましょう。

魚体の縦縞がはっきりしている

新鮮なかつおは体の表面にはっきりとした縦縞があり、時間の経過と共にぼやけていきます。また、目が澄んでいてエラが鮮やかな紅色のものほど新鮮です。

大きいものほど脂がのっている

かつおは40〜60cm程のものが多いですが、サイズが大きいものほど脂がのって濃厚な味わいになります。切り身を選ぶときも、身が分厚いものを選びましょう。

調理のポイントは?

続いては、調理のポイントをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

その日のうちに食べきる

かつおは鮮度が落ちやすいので、購入したその日のうちに食べきるようにしましょう。空気に触れると変色しやすいので、刺身にする場合は食べる直前に切るのがおすすめです。

加熱するとパサつきやすい

かつおは加熱するとパサつきやすいので、火の通し方には注意が必要です。衣を付けて油で揚げるか、薄力粉をまぶしてから焼くなどして、水分の流出を防ぐと、しっとりとした食感に仕上げることができます。加熱調理には脂の少ない初がつおよりも、たっぷりと脂ののった戻りがつおがおすすめですよ。

薬味で風味よく

かつお特有のクセが気になる場合は、たたきにしたり調味料に漬け込むなどして、風味よく仕上げましょう。ニンニクや生姜、ミョウガなどの薬味と相性がいいので、たっぷりと添えて爽やかな風味を楽しむのもおすすめですよ。

寄生虫に注意

かつおの腹身には「テンタクラリア」という寄生虫がいることがあります。白く米粒のような形をしており、冷凍すると死滅して透明になるので見つけにくいことも。人の体内では無害なので、食べても問題はないとされています。なお、まれに「アニサキス」がいることもあるので注意が必要です。気になる場合は冷凍品か背身を選ぶといいでしょう。

かつおのアイデアレシピをご紹介!

かつおはたたき以外にも、おいしい食べ方がたくさんあります!生でいただく場合も、調理にひと工夫加えるとかつおのおいしさが引き立ちますよ!

手作りダレで食べるカツオのたたき

かつおのたたきは、フライパンで簡単に作ることができます。表面を強火でサッと焼いて、すぐに氷水で冷やして中まで火が通りすぎないようにすることがポイントですよ。玉ねぎなどの薬味をたっぷりと添えて、爽やかな風味をぜひお楽しみください!

大葉でさっぱり!ねぎとカツオのポキ

ハワイ料理であるマグロのポキを、かつおでアレンジしました。大葉とニンニク、ごま油の風味が食欲をそそる、ねっとりとした食感はまさに絶品!白いごはんにのせて、丼にするのもおすすめですよ。

カツオの韓国風サラダ

シャキシャキと歯ごたえのよい水菜とかつおを合わせた韓国風のサラダです。ニンニクの効いた韓国風ダレでかつおを和えると、特有のクセが和らいでとても食べやすくなります。コチュジャンがピリッと効いた旨辛味は、お酒のおつまみにぴったりですよ!

かつおとクリームチーズの韓国風和え物

意外な相性が楽しめる、かつおとクリームチーズの韓国風和え物のレシピをご紹介します。かつおにクリームチーズを合わせるとは驚きですが、まろやかな風味がかつおのおいしさをグンと引き立ててくれますよ!まったりと辛く濃厚な味わいを、ぜひお楽しみください!

大根と三つ葉の梅かつお和え

材料を切って和えるだけ!大根と三つ葉の梅かつお和えは覚えておくと便利な一品です。三つ葉が爽やかに香るさっぱりとした味わいは、手軽なおつまみや箸休めにぴったり!調理時間はわずか10分と簡単に作ることができるので、あともう一品ほしいときにもうれしいですね。

旬カツオのガーリックバターステーキ

普段とはひと味違うかつお料理を楽しみたいときは、ステーキがおすすめです!あっさりとしたかつおにガーリックバターソースがじゅわっと絡み、一度食べたらクセになるおいしさ!かつおは薄力粉をまぶしてから焼くと、パサつきを防いでしっとりとした食感に仕上げることができますよ。

カツオの竜田揚げ

お酒のおつまみに、かつおの竜田揚げはいかがでしょうか。揚げたてはサクッと香ばしく、生姜の爽やかな風味がふわっと広がってたまらないおいしさ!生のかつおを食べきれないときにおすすめですので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

カツオのたたきで!贅沢カツオのっけそば

さっぱりとした風味が食欲をそそる、かつおのっけそばです。かつおを薬味と一緒にめんつゆに漬け込むと、味がしっかりと染み込んで爽やかな風味に仕上げることができます。暑い季節にぴったりですので、ぜひお試しくださいね。

かつおの旬は春と秋

今回はかつおの旬や特徴をはじめ、初がつおと戻りがつおの違い、さらにおいしいかつおの選び方やアレンジレシピなどをご紹介しました。かつおの旬は春と秋の2回あり、初がつおはあっさりとした味わい、戻りがつおは濃厚な味わいを楽しむことができます。かつお特有のクセが気になる場合は、ニンニクや生姜などの薬味で和えたりと、ひと工夫加えるとおいしさがグンと引き立ちますよ。

クラシルでは、ほかにもたくさんのかつおレシピをご紹介しています。そちらもぜひ参考にして、さまざまなかつお料理をお楽しみくださいね。

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