お刺身やたたきでいただくことの多い「カツオ」。スズキ目・サバ科に属する旨味の強い魚で、透き通った赤色の身が特徴です。時期によって初ガツオ、戻りガツオと呼び方が変わり、それぞれ味わいや栄養価が異なるんですよ。今回は、そんなカツオの栄養素やおいしいカツオの選び方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
旬によって異なるカツオの栄養素を解説!新鮮なカツオの選び方もご紹介
- 目次
- カツオには旬が2回あって栄養価も異なる?
- カツオの主な栄養価はこちら
- 春穫り(初ガツオ)
- 秋穫り(戻りガツオ)
- カツオに含まれる注目したい栄養素
- DHAとEPA
- 鉄
- ビタミンD
カツオには旬が2回あって栄養価も異なる?
カツオには、旬が年に2回あります。3月頃、九州地方から本州に進んでくるカツオを「初ガツオ」、8月頃宮城沖に達し、Uターンして南下していくカツオを「戻りガツオ」と呼びますが、どちらも聞いたことのある方が多いのではないでしょうか。
初ガツオは、しっかりとした赤色の身を持ち、さっぱりとした味わいです。一方で、戻りガツオは脂がのっていて濃厚な味わいのため、トロカツオと呼ばれることもあり、秋の味覚として日本人には親しみ深い食材でもあります。
また、味わいや見た目だけでなく、それぞれ栄養価も異なるのです。このあと詳しくご紹介するので、チェックしてみてくださいね。
カツオの主な栄養価はこちら
カツオ100gあたりの栄養価は以下の通りです。
春穫り(初ガツオ)
栄養素 | 数値 | |
---|---|---|
エネルギー | 108kcal | |
たんぱく質 | 25.8g | |
脂質 | 0.5g | |
炭水化物 | 0.1g | |
鉄 | 1.9mg | |
カルシウム | 13mg | |
ビタミンD | 4.0μg | |
ビタミンB12 | 8.4μg | |
ドコサヘキサエン酸(DHA) | 120mg | |
イコサペンタエン酸(EPA) | 39mg |
秋穫り(戻りガツオ)
栄養素 | 数値 | |
---|---|---|
エネルギー | 150kcal | |
たんぱく質 | 25.0g | |
脂質 | 6.2g | |
炭水化物 | 0.2g | |
鉄 | 1.9mg | |
カルシウム | 8mg | |
ビタミンD | 9.0μg | |
ビタミンB12 | 8.6μg | |
ドコサヘキサエン酸(DHA) | 970mg | |
イコサペンタエン酸(EPA) | 400mg |
このように同じカツオでも、初ガツオと戻りガツオでこれだけ栄養価に差があります。しかし、どちらがよい悪いというようなことはなく、どちらも魅力があるので、ぜひそれぞれ旬を迎えたタイミングで召し上がってみてくださいね。
カツオに含まれる注目したい栄養素
カツオは、ビタミンやミネラル、DHA、EPAをバランスよく含んでいるんですよ。以下で詳しく見てみましょう。
DHAとEPA
DHAはドコサヘキサエン酸、EPAはエイコサペンタエン酸の略称です。 DHAとEPAは魚に含まれる脂肪酸で、どちらも体内でほとんど作ることができないため、食事から摂取する必要があります。DHAは主に脳や神経に、EPAは血管や血液の健康維持に関わると言われています。
鉄
鉄はヘム鉄と非ヘム鉄に分けられますが、カツオには吸収率の高いヘム鉄が含まれています。鉄は赤血球の材料になり、全身に酸素を運ぶため、とても重要なミネラルです。
ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収をよくする働きがあります。体内で生成されるビタミンDには限りがあるため、食事により補う必要がある栄養素のひとつです。
おいしいカツオの選び方
カツオは非常に鮮度が落ちやすい魚です。一般的には切り身で売られていることの方が多いですが、空気に触れる表面積が多いためより鮮度が落ちやすいといった難点があります。 それでもせっかくなら、鮮度の高いカツオを選んでおいしくいただきたいですよね。
このあと、おいしいカツオの選び方を切り身と一尾丸ごと買った場合に分けて解説します。
カツオの切り身を買うときに確認したいポイント
まずはスーパーで見かけることが多く、手に取りやすいカツオの切り身を選ぶときに注目したいポイントをご紹介します。
色鮮やかで脂肪があるもの
切り身を選ぶときは、赤色が鮮やかできれいかどうかがポイントになります。
血合いがついている切り身は、血合いが黒くなく、朱色で鮮やかな色合いのものを選ぶようにしましょう。また、表面の肉と皮の間に脂肪があり、ピンク色に近いものが鮮度の高いです。ただし、脂肪が多いと鮮度が早く落ちて、生臭さくなってしまうので気をつけましょう。
身の色が透き通っているもの
血合いのない切り身の場合は、身の色が鮮やかな赤色で透き通っているものを選びましょう。鮮度が落ちるとカツオの色素に含まれる鉄分が酸化して、赤色がくすんでいきます。黒っぽくなっているものは避けましょう。また、切り口が虹色に光っているものは鮮度が落ちている可能性があるため、注意してください。
カツオを丸ごと一尾買う場合
より新鮮なカツオを食べたい方は、一尾丸ごと購入するのがおすすめです。目利きのポイントをご紹介します。
澄んだ目をしているか
新鮮なカツオは、澄んだ目をしています。鮮度が落ちると目が少しずつ白濁してきてしまうため、よくチェックしてみましょう。
色が鮮やかでツヤがあるか
全体的にツヤがあり、鮮やかな黒色と銀色の縞模様があるものが新鮮な証拠です。茶色く変色しているものは鮮度が落ちてしまっているため避けましょう。 また、縞模様はだんだんと薄くなっていきます。縞模様がしっかり確認できるものを選びましょう。
ここがポイント
切り身 :身の色が鮮やかな赤色で透き通っているもの
一尾丸ごと:目が澄んでいて鮮やかな黒色と銀色の縞模様があるもの
新鮮なカツオでおいしく栄養を摂取しよう
カツオの旬と含まれる栄養素、おいしいカツオの選び方をご紹介しました。カツオにはDHAやEPAに加え、ビタミンD、鉄など、身体に必要な栄養素がたくさん含まれています。さまざまな調理方法で楽しめるので、日々の食卓でも活躍すること間違いなしですね。
クラシルでは、カツオの保存方法についてもご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。