2024年のお月見は9月17日!別名で「十五夜」とも呼ばれるお月見は古くからある日本の風習です。この記事ではお月見の日が毎年変わる理由や十五夜、十三夜の意味のほか、お供えする食べ物などについて解説します。記事後半では、お月見におすすめのお団子レシピなどもご紹介!ぜひ参考にしてお月見を楽しんでくださいね。
2024年のお月見はいつ?十五夜の意味やお供えする食べ物も解説!
- 目次
- 2024年のお月見はいつ?十五夜の意味も解説!
- そもそも十五夜とは?何をするの?
- 十五夜と中秋の名月の違い
- 十五夜にすること
- 十五夜だけじゃない!三月見とは?
- 十三夜(じゅうさんや)
- 十日夜(とおかんや)
- お月見には何をお供えするの?
2024年のお月見はいつ?十五夜の意味も解説!
一年のうち、最も空が澄んでいるといわれる秋。この季節の夜空に浮かぶ美しい月を眺める行事が十五夜とも呼ばれるお月見です。今年2024年は9月17日(火)が十五夜で、お月見をする日となります。
さてここで気になるのが、日付ですよね。「十五夜」という名前からなんとなく、9月15日がお月見なのではないか、と思う方も多いかもしれませんが、実は毎年日付が代わります。
もともと十五夜は旧暦の8月15日に設定されていました。当時、人々は月の満ち欠けを基準にしてひと月の長さを決めていましたが、現在の新暦は太陽の動きを基準にしているため、一年が始まる日だけでなく、一年の長さも当時とは異なるのです。このような理由から時期にズレが生じて、現在は毎年9月中旬〜10月上旬の間のどこかで十五夜がやってきます。
ちなみに、来年2025年の十五夜は10月6日(月)です。このようにその年その年で日付に差があるので、夏の終わりくらいには今年の十五夜がいつなのかチェックしておくとよいかもしれませんね。
そもそも十五夜とは?何をするの?
十五夜は旧暦で、新月から数えて15日目あたりの満月になる夜を指します。先ほども触れたように昔は月の満ち欠けを基準に暦を作って生活していました。新月の日が1日、満月の日を15日としていたので、十五夜というのは実は毎月あるものだったのです。それではなぜ、秋の十五夜が注目されるようになったのでしょうか。
十五夜と中秋の名月の違い
旧暦では7月、8月、9月が秋にあたり、7月は初秋、8月は仲秋、9月は晩秋と呼ばれていました。初秋の頃は秋雨が続く時期ですが、中秋になると晴れる日も多くなり、空が澄み渡ります。この時期に浮かぶ月は一年で一番美しいといわれており、7月〜9月の中でちょうど真ん中の日にあたる、8月15日に昇る月のことを「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」と呼ぶようになりました。
現在は一般的に旧暦の8月15日にあたる日=十五夜=中秋の名月という意味で使われていますが、本来、十五夜は毎月あるもので、中秋の名月は一年に一度しかない日なのです。
ちなみに「仲秋の名月」と書かれることもありますが「仲秋」は8月全体を指す言葉です。どちらで書いても伝わるものの「中秋の名月」と書くほうが正しいとされています。
十五夜にすること
十五夜のお月見が広まったのは平安時代で、中国から伝わってきたとされています。当時は月を見ながらお酒を飲むなど、貴族間で楽しむ行事だったようです。江戸時代になって庶民にもお月見の風習が広がり、この頃からお月様に里芋や栗など、秋の収穫物をお供えして、実りに感謝する行事になりました。豊作祈願のために里芋をお供えしたことから「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれるようになったのだそうです。
ちなみにお月見は日本だけでなく、中国や台湾、韓国など東アジアでは現在でも大切にされています。中国、台湾、ベトナムなどではお月見の風習を「仲秋節」と呼び、春節に次ぐ大きな行事なのだそうです。韓国では「秋夕(チュソク)」と呼ばれ、家族で集まってお墓参りをします。日本でいうところのお盆のようなもので、当日を含む前後3日間が祝日となるそうです。
十五夜だけじゃない!三月見とは?
これまでご紹介してきたようにお月見は日本の秋の風物詩です。どうしても十五夜に注目が集まりますが、実は「十三夜(じゅうさんや)」や「十日夜(とおかんや)」と呼ばれるお月見の風習もあるのです。そして十五夜、十三夜、十日夜にお月見をすることを「三月見(さんつきみ)」と呼び、この日がすべて晴れだと縁起がよいとされているんですよ。
以下で、十三夜と十日夜についてもチェックしてみましょう。
十三夜(じゅうさんや)
十三夜は、十五夜のあとにやってくる、旧暦で9月13日の夜を指します。だいたい中秋の名月の1ヶ月後くらいで、2024年は10月15日(火)です。
先ほどご紹介したように、十五夜は中国から伝わってきたとされていますが、十三夜は日本で生まれた風習だといわれています。十三夜に昇る月は少し欠けているものの、満月に次いで美しいと言われ、お月見するようになったのだそうです。十五夜もしくは十三夜のどちらかしかお月見をしない「片見月」は縁起がよくないとされているので、十五夜と十三夜は両方をお月見するのがよいのだとか。
ちなみに十三夜は、栗や豆の収穫祝いでもあるため「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。
十日夜(とおかんや)
十日夜とは、旧暦の10月10日に主に東日本で行われていた収穫祭のことで、2024年は11月10日にあたります。ただ、十日夜は稲刈りを終えて山に帰る田の神様に感謝をする行事なので、お月見がメインではありません。そのため、月齢に関わらず新暦の11月10日にお祭りを実施する地域も多いようです。
十日夜には、田の神様の化身とされるかかしに「田んぼを見守ってくれてありがとう」という感謝を込めてお供え物をしたり、かかしと一緒にお月見をするといった「かかしあげ」という風習があります。このほかにも、子どもたちが稲の茎を束ねた「わら鉄砲」や「わらづと」を使って作物にイタズラをするモグラを追い払い、土地の神様を励ますというような行事もあるのだそうです。
十日夜は主に東日本の風習で、西日本では旧暦10月に「亥の子(いのこ)」と呼ばれる同じような行事が行われます。
お月見には何をお供えするの?
先ほど、十五夜は秋の作物をお供えする風習あることを説明しましたが、具体的にどのようなものをお供えするのかここで確認してみましょう。
月見団子
まずは、定番のお月見団子です。お団子は満月に見立てて丸く作り、今年の収穫に感謝をして、また翌年の豊作をお祈りします。
三宝と呼ばれる台や大皿を用意して白い紙を敷き、団子をピラミッド状に15個積み上げるのが正式なお供え方法のようです。十三夜には13個もしくは3個の団子を積み上げるほか、1年の満月の数(12〜13個)にしたり、簡略化して5個の団子をお供えする地域もあるのだとか。いずれも月がよく見える場所にお供えして、団子がかたくならないうちにいただきます。
ちなみに室町時代には、水炊きした里芋を高く盛っていたという文献が残っているようです。
ススキ
月見団子とセットでよくススキが飾られているのを見たことがある方も多いですよね。元々は秋の収穫を感謝するために、豊作の象徴でもある稲穂を飾っていたそうですが、地域によっては穂が実る前や後のタイミングになってしまうため、代わりに見た目が似ているススキを飾るようになったといわれています。また、秋の七草であるススキは魔除けの意味もあると言われているのだそうです。
芋類
月見団子のところでも少し触れましたが、秋は芋類が収穫の時期を迎えるため、昔は里芋をお供えしていました。現在でも里芋やさつまいもなどをお供えする風習が残っている地域もあるようです。水炊きした里芋や皮付きのままむした「きぬかつぎ」などが使われます。
果物や野菜
秋に収穫される果物や野菜もお供えすることがあります。なかでも、とくにぶどうやあけびといったツルのあるものは人と月の繋がりを強くすると言われ、縁起がよいものなのだそうです。
ちなみに十三夜には、芋類と同じく秋の収穫物である「栗」や「豆」をお供えします。収穫に感謝してお供えしたら、栗ごはんや煮豆などにしていただきましょう。
地域によって違う月見団子
月見団子は、お月見でお供えするものの定番ですが、実は地域によって味わいや形状が違うのです。
よく見かけるのは、満月のように丸く仕上げたお団子ですが、大阪などの関西は楕円形、愛知県ではしずく型のものが多いようです。これは満月ではなく、里芋の形に見立てているといわれています。
また大阪の月見団子は小豆あんで包まれているものが多いですが、愛知の月見団子はシンプルにお団子のみです。
このほかにも静岡県では丸めたお団子をつぶして中央をくぼませた形状で、その見た目から「へそ団子」と呼ばれることも。沖縄県では「ふちゃぎ」と呼ばれる餅がお供えされます。これは楕円形にした餅にゆでた小豆をまぶしたもので、本来は塩ゆでした小豆を使いますが、現在は甘く似た小豆をまぶすこともあるそうです。
十五夜のメニューはこれで決まり!お月見にぴったりなレシピ
最後にお月見の日に食べたいレシピをご紹介します。定番のお月見団子のほか、卵を月に見立てたお月見うどんや栗ごはんなど、お月見にぴったりなメニューをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
お月見団子
団子粉で作るシンプルなお月見団子のレシピをご紹介します。団子粉さえあれば簡単に作れるので覚えておくと便利ですよ!水の量を調整して、耳たぶくらいのかたさにするのがポイントです。お好みできなこやあんこなどををトッピングして召し上がってくださいね。
関西風 もちもち月見だんご
続いてご紹介するのは、関西風のお月見団子のレシピです。先ほど触れましたが、関西は団子をあんこで包んだものをお月見団子としてお供えします。このレシピでは白玉粉に豆腐を加えて団子を作っているので、時間が経ってもかたくならないのが魅力です。もちもち食感を楽しんでみてくださいね。
めんつゆで簡単月見うどん
ほっとする味わいの月見うどんを作ってみましょう。味つけに使う調味料はめんつゆだけととっても簡単!素朴な味わいですが、ツルンとしたうどんにまろやかな卵が絡んでとてもおいしいですよ。卵をのせたあとにアツアツのつゆをかけると卵にうっすらと火が通るので、お好みで試してみてくださいね。
食べてビックリ もちもち月見つくね
つくねの中にチーズと切り餅を入れて、もちもち食感が楽しい一品に仕上げました。食べ応えがありますが、大葉が爽やかに香るのでどんどん箸が進みますよ!お酒にもよく合うので、月見酒のお供にいかがですか?
炊飯器で作る シンプル栗ごはん
十三夜にお供えする定番の食材である栗を使って、定番の炊き込みごはんにチャレンジしてみませんか?栗の皮むきが大変ですが、できあがった栗ごはんはその苦労を忘れるほどのおいしさですよ!十五夜だけでなく、秋の定番メニューとして覚えておきたいレシピです。
今年の十五夜は月を眺めてみませんか?
今回は今年のお月見はいつなのか、そして十五夜との違いやお供え物などを解説しました。ぼんやりとお月見という行事があることは知っていても、十三夜や十日夜など深くは知らなかった方も多いかもしれません。今年はぜひ十五夜やそれ以外の日も空を見上げて、月を愛でてみてはいかがでしょうか。