最終更新日 2023.3.30

あんこうってどんな魚?名前の由来や旬、おいしく食べる方法について解説!

あんこうってどんな魚?名前の由来や旬、おいしく食べる方法について解説!

冬の味覚の代表格である「アンコウ」。お店で食べるイメージが強いですが、実はご家庭で簡単に調理することができる魚のひとつです。今回は、アンコウの特徴や味わいをはじめ、旬の時期や名前の由来、おすすめの食べ方などをご紹介します。アンコウの定番レシピもぜひ参考にして、旬のおいしさを堪能しましょう!

  • 目次
  • アンコウとは?
  • 旬の時期や名前の由来は?
  • 「アンコウの7つ道具」とは?どんな味わいなの?
  • キモ
  • カワ
  • 水袋
  • ヌノ
  • エラ

アンコウとは?

「アンコウ」とは、アンコウ目アンコウ科に属する深海魚のこと。世界中には300種ほどのアンコウがいますが、日本で食用とされているのは「クツアンコウ」と「キアンコウ」の2種類のみです。市場では流通量の多いクツアンコウを「アンコウ」、希少なキアンコウを「ホンアンコウ」と呼んで区別しています。また、アンコウのメスは体長1mほどに成長しますが、オスは10〜20cmほどと小さいので、食用にされるのは全てメスになります。

アンコウは北海道〜九州にかけて広い海域に分布しており、水深30〜500mほどの海底に生息しています。魚体は平べったくて楽器の琵琶のような形をしており、口がとても大きくて鋭い歯がびっしりと並んでいるのが特徴です。また、アンコウは独特の捕食活動をすることで有名で、頭から出ているアンテナのような誘引突起を揺らし、エサと間違えて寄ってきた魚や甲殻類をガバッと丸呑みにします。

旬の時期や名前の由来は?

アンコウの産地は茨城県の大洗が有名ですが、水揚げ量が1番多いのは山口県の下関です。島根県や福島県、千葉県なども水揚げ量が多く、7〜8月の真夏以外は通年漁獲されています。旬の時期は12〜2月で、水温の低下と共に身が引き締まり、肝が大きくなって格別のおいしさです。

また、アンコウは漢字で「鮟鱇」と書きますが、その由来は諸説あります。ひとつ目は、海底で獲物をのんびりと待つ姿から「安康」と呼ばれ、それに魚偏をつけたという説。ふたつ目は、魚体がぶよぶよとして太っているので「暗愚魚(あんぐうお)」と呼ばれ、それがアンコウに転じたという説。また、誘引突起で獲物を誘う姿から、英語では「Angler(釣り師)」と呼ばれています。

「アンコウの7つ道具」とは?どんな味わいなの?

アンコウは、エラや胃も食べることができる「無駄のない魚」として有名です。「キモ(肝)、カワ(皮)、水袋(胃袋)、ヌノ(卵巣)、エラ、トモ(ヒレ)、ヤナギ(身)」を「アンコウの七つ道具」と呼び、それぞれに独特の食感や味わいがあります。

キモ

まるでフォアグラのような、まったり濃厚な味わい

カワ

ゼラチン質が多く、プルプルとした食感でおいしい

水袋

ホルモンのような、ザクザクと弾力のある食感

ヌノ

透き通るように薄い膜の裏に、小さな卵がびっしりとついている

エラ

鶏の軟骨のような、コリコリとした食感

トモ

ヒレはコリコリ、付け根はプルプルとした食感

ヤナギ

上品な味わいの白身で、プリプリと弾力がある

アンコウは特に肝が美味とされており、別名「海のフォアグラ」と呼ばれるほど濃厚でまろやかな味わいを楽しむことができます。なかでも、肝を成形して蒸した「あん肝」は、お酒のおつまみにぴったりです。

「アンコウの吊るし切り」とは?

また、アンコウは水分が多くてブヨブヨしているうえ、皮にぬめりがあるのでまな板の上で捌くことは難しいと言われています。そのため、大きなフックにアンコウの下あごをかけ、包丁で皮や身、内臓を削ぎ落とすように捌く「吊るし切り」という方法が用いられます。ただ、小ぶりのものであればまな板の上で捌くことができるそうです。

ちなみにスーパーなどでは、アンコウはぶつ切りで販売されることが多いですが、新鮮なものは身が透明感のある薄ピンク色で、肝にツヤがあります。鮮度が落ちると身が白っぽくなるので、選ぶときにそのようなものは避けた方がよいでしょう。

アンコウのおいしい食べ方は?

アンコウを使った料理はアンコウ鍋が有名ですが、それ以外にもおいしい食べ方がたくさんあります!おすすめの調理法を、いくつかご紹介しましょう。

アンコウ鍋

アンコウを余すことなく楽しむなら、やはりアンコウ鍋です。しょうゆ仕立て、みそ仕立て、水炊きの3種類が一般的ですが、肝をだしで溶くと濃厚な味わいに、溶かないとあっさりとした味わいに仕上がります。

唐揚げ

鍋と並んで人気の高い料理が、アンコウの唐揚げです。外はサクッ、中はふっくらとした食感は、幅広い世代に親しまれるおいしさ!しょうゆ味はもちろん、塩やハーブソルト味にするのもおすすめですよ。

どぶ汁

どぶ汁とは、東北から茨城県あたりで食べられてきた漁師料理のひとつです。本来は肝を煎った鍋にアンコウと野菜を加え、その水分だけで煮込む料理ですが、飲食店では水や酒、みそなどを加えて食べやすく仕上げることもあるそうです。

あん肝

肝を成形して蒸したあん肝は、居酒屋の定番メニューです。とろけるような食感と濃厚な旨味は、ほかの魚では味わえないおいしさですよ。

共和え・共酢和え

ゆでた身や皮を、肝入りのみそや酢みそで和えた郷土料理です。プリプリの身に肝入りのみそが絡む濃厚な味わいは、日本酒のおつまみにぴったりですよ!

ムニエル・ソテー・アクアパッツァ

アンコウは、フレンチやイタリアンにするのもおすすめです。特にバターと相性がよく、ムニエルやソテーにすると格別のおいしさですよ。

手軽に楽しめる!アンコウのおすすめレシピをご紹介

さてここからは、アンコウを使ったおすすめレシピをご紹介します。アンコウは調理が難しいイメージがありますが、アンコウ鍋や唐揚げは意外と簡単に作ることができます。下ごしらえの方法を覚えも合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

白だしで簡単 アンコウ鍋

白だしで手軽に作れる、あっさりとした味わいのアンコウ鍋です。だしは白だしと料理酒、水のみとシンプルですが、煮込むほどにアンコウの旨味が滲み出て格別のおいしさです。お好みで柚子こしょうを添えて、あつあつをお召し上がりください!

しょうゆ仕立てのあんこう鍋

アンコウ鍋といえば、やはりしょうゆ仕立てが定番です。肝はとろり、身はプリプリ、胃はザクザクと、さまざまな食感が一度に楽しめるのがアンコウ鍋の醍醐味!シメの雑炊がとてもおいしいので、ぜひ作ってみてくださいね。

みそ仕立ての 肝炊きあんこう鍋

肝を溶いて作る、茨城風のみそ仕立てアンコウ鍋です。煎った肝に料理酒とみそを加え、具材から出る水分だけで煮込むと、驚くほど濃厚な味わいに仕上げることができます。こっくりと奥深い味わいは、寒い季節にぴったりですよ。

アンコウのあら汁

手軽にアンコウを楽しみたいときは、あら汁がおすすめです。あらはお手頃価格で手に入るうえ、骨には旨味がたっぷりと含まれています。骨に付いた身もおいしいので、ぜひ余すことなくお召し上がりくださいね。

めんつゆで アンコウの唐揚げ

アンコウが手に入ったら、ぜひ試していただきたいのが唐揚げです!作り方は鶏の唐揚げと同じで、下味をつけたあんこうに衣をつけて揚げるだけ。身はふっくら、エラはコリコリと、部位ごとにさまざまな食感を楽しむことができますよ。

簡単!アンコウ料理を作ってみよう!

今回は、アンコウの特徴や味わいをはじめ、旬の時期や名前の由来、おすすめの食べ方やレシピなどをご紹介しました。アンコウは冬が旬の深海魚であり、身や胃、エラなど部位ごとに独特の食感があります。アンコウ鍋や唐揚げはご家庭で簡単に作ることができますので、スーパーなどで見かけたらぜひ手に取って、そのおいしさを堪能してみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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