七草粥に入れる七草のひとつとしても知られている「せり」。日本全国の山野に自生する、青っぽい爽やかな香りが特徴の山菜です。今回はそんな「せり」の食べ方や味の特徴に加えて、保存方法を解説します。後半では鍋や和え物など、せりを使ったおいしいレシピもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
せりのおいしい食べ方とは?味や特徴、保存方法についても解説!
- 目次
- せりとは?
- せりはどんな味?
- せりはどうやって食べる?
- せりをたっぷり楽しむ料理
- 風味を楽しむせり料理
- せりの下ごしらえの仕方をチェック
- せりの根を洗う
- アクを抜く
せりとは?
「せり」とはセリ科セリ属の多年草で日本全国の山野に自生している山菜の一つです。白いひげ根を持つことから別名では「根白草(ネジログサ)」や「白根草(シロネグサ)」、英名では「Japanese parsley」と呼ばれています。
そんな全国に自生しているせりですが、全国生産量の6割を宮城県と茨城県の2県が占めているんですよ。せりは露地栽培が中心ですが、ハウス栽培でも作られており、スーパーなどでは通年手に入れることができます。栽培しやすいため、自宅のベランダでもプランターなどで栽培することが可能です。せりは成長すると、草丈が30~40cmになります。横に這うように地下茎が成長していく様子が「一か所から競って生えているように見える」ことから「せり」という名前が付いたのだそうです。
せりはどんな味?
葉、茎、根のすべてを食べることができる、無駄な部分がないのも魅力のせり。味わいは同じくセリ科の三つ葉に似ています。葉、茎、根、それぞれの部分で風味の強さが異なり、根の部分は歯ごたえも風味もしっかりしています。サッと加熱すれば、シャキシャキとした軽い歯ごたえを楽しむことができますよ!茎は根と同様、シャキッとした食感を、葉はセリの香りを楽しみたいときに使うのがおすすめです。
ちなみに、せりと三つ葉は味わいだけでなく見た目もそっくりですが、葉の枚数が違います。三つ葉が3枚なのに対して、せりは5枚あるので、機会があったら見比べてみてくださいね。
せりはどうやって食べる?
無駄なく食べられるせりですが、どのような食べ方があるのでしょうか。ここでは、せりの食べ方を二通りご紹介します。せりをメインとする料理と脇役としてせりの風味を楽しむ料理、それぞれチェックしてみましょう!
せりをたっぷり楽しむ料理
せりをメインで楽しむ料理には、おひたしやせり鍋、きりたんぽ鍋などがあります。なかでもせり鍋は、せりの生産量全国トップクラス宮城県の郷土料理。出汁を煮立てたところに、せりを10~20秒ほどくぐらせて、せりのシャキシャキの食感と風味を楽しめます。きりたんぽ鍋は秋田県の郷土料理ですが、こちらにもたっぷりのせりが欠かせません。
風味を楽しむせり料理
せりの風味を楽しむ料理には、和え物やかきあげなどがあります。ほかの野菜を爽やかな風味のせりと一緒に和えれば、いつもの和え物もひと味違う一品に。かき揚げに使えば、せりの風味がアクセントにもなりますよ!このように、せりの風味を活かす食べ方もおすすめです。
せりの下ごしらえの仕方をチェック
せりは根の部分も食用できるため、根を料理に使う場合は泥などの汚れをしっかり落とす必要があります。また、アクもあるためおひたしなどにする場合はそのまま調理せず、下ごしらえをきちんと行いましょう。以下でその方法をご紹介するので、参考にしてくださいね。
せりの根を洗う
まずは、根をしっかり洗って泥や汚れを取り除きます。ボウルに水を張り、その中で根と根の間に詰まった汚れを掻き出してきれいにしましょう。その際、せりの根の中にあるモシャモシャとした細かいものは取り除いてくださいね。汚れが取れたらきれいな水でしっかりすすぎます。せり全体がきれいに洗えたら、アク抜きをしたり料理に使いやすくするために、根、茎、葉に分けておくのがおすすめです。
ちなみに、市販のもので根の部分にスポンジがついているものがありますが、その場合は根を食べることができません。スポンジと根は切り落として、茎と葉だけいただきましょう。
アクを抜く
おひたしなどに使用する場合は、ゆでてアク抜きしたものを使用します。ポイントは、ゆですぎないこと!また、サッとゆでてすぐ冷やせるよう、冷水も準備しておくのが上手にアク抜きするコツです。シャキシャキの食感が失われる前に湯を切って、すぐ冷水にとります。天然のせりの場合は栽培物よりアクが強いため、冷水の中でのしばらくさらし、さらにアクを抜きましょう。しっかりと水気を切ったら、せりの下処理は完了です。
せりの保存方法は?
続いては、せりの上手な保存方法をご紹介します。せりを保存する上で大切なのは、乾燥させないことです。湿らせたキッチンペーパーや新聞紙にくるんで、ポリ袋に入れてから、根っこが下になるように立てて冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。せりの特徴とも言える爽やかな香りは、日が経つにつれて薄れていってしまうので、このように保存した場合でもできるだけ早めに食べることをおすすめします。
また、下処理したせりは冷凍して保存することもできます。冷凍して水分が抜けると繊維質を感じやすくなるため、1cm程度の長さにカットしてから一度に使用する分ずつラップに包み、空気を抜いて冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。
せりを使ったおいしいレシピをご紹介
下処理や保存方法について知ったところで、ここからは、せりを使った絶品レシピをご紹介します。古くから日本で食べられてきたせりは、さまざまな料理に活用することができる食材。和風だけでなく、洋風のメニューにも合うので、ぜひ試してみてくださいね!
あったか 鶏肉でせり鍋
下処理や保存方法について知ったところで、ここからは、せりを使った絶品レシピをご紹介します。古くから日本で食べられてきたせりは、さまざまな料理に活用することができる食材。和風だけでなく、洋風のメニューにも合うので、ぜひ試してみてくださいね!
あっさり塩レモン風味で 豚肉のせり鍋
続いてもせりを使った鍋のレシピですが、こちらは塩レモン風味に仕上げました。豚バラ肉の濃厚な旨味に、爽やかなせりとレモンの風味が驚くほどよく合います。さっぱりと食べやすい、お箸が止まらなくなる一品です。
きりたんぽ鍋
秋田の郷土料理「きりたんぽ鍋」にも香り高いせりが欠かせません。鶏肉や長ねぎ、ごぼうなど素材の旨味が溶け込んだコク深い味わいのスープに、せりの風味がよく合います。きりたんぽにも絶品スープが染み込んでたまらないおいしさですよ!
せりとしいたけの炊き込みご飯
せりを使った炊き込みごはんはいかがでしょうか。せりのほか、しいたけや油揚げを具材にして炊き込みました。白だしベースの上品な味つけが食材の旨味を引き立てます。一口食べれば、口いっぱいに食材の旨味とせりの香りが広がりますよ!
イカとせりの酢コチュジャン和え
せりは、和食だけでなく韓国風の味つけにもよく合うんです!こちらのレシピでは、イカとともに酸味を効かせたコチュジャンダレで和えました。せりのシャキシャキとした食感がアクセントになり、最後まで飽きることなく、おいしく召し上がれます。
ホタルイカとトマトとせりのパスタ
おもてなしにもおすすめな、せりとホタルイカを使ったパスタのご紹介です。ニンニクとアンチョビで作る旨味たっぷりのオイルパスタも、爽やかなせりの風味とトマトの酸味が加わってさっぱりといただけますよ!彩りもよく、テーブルがパッと明るくなる一品です。
ホタルイカとせりのおろし和え
続いてもホタルイカとせりを合わせた一品をご紹介します。味つけにはポン酢と白だしを使い、さっぱりと上品に仕上げました。普段の和え物もせりを加えるだけで、一気に風味豊かになるのでこのような使い方も覚えておくと便利ですよ!
さまざまなレシピでせりをおいしくいただこう!
今回は「せり」について解説しました。せり鍋のようにメインでいただくのはもちろん、ほかの食材と組み合わせてその爽やかな風味や香りを楽しむのもおすすめです。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひさまざまなせり料理を楽しんでみてくださいね!