香ばしい風味とやさしい甘みが魅力の「きなこ」。よく似たものに大豆粉がありますが、どのような違いがあるのでしょうか?この記事ではきなこの歴史や製法、大豆粉との違いを解説します。記事後半の、きなこ豆腐ドーナツや黒豆きな粉の和風パウンドケーキなど、きなこを使った絶品レシピも必見ですよ。
きなこについてもっと知りたい!歴史や大豆粉の種類について解説!
- 目次
- きなこの歴史
- きなこの製法
- 大豆粉の種類やきなことの違いは
- 生大豆粉
- 焙煎大豆粉
- きなこのおすすめの活用法
- きなこを使った絶品レシピ
- サクサク きな粉のスノーボール
きなこの歴史
和菓子に欠かせないきなこですが、その原型とも言える食品は奈良時代初期にすでに存在していたようです。そもそもきなこの原料である大豆が日本に伝来したのは弥生時代とされており、炒ったり煮たりして食べられていました。奈良時代には大豆を加工してしょうゆも作られていたようです。
奈良時代初期には大豆を粉にして使用することが始まっていました。当時はきなこではなく「未女豆岐(まめつき)」とよばれており、平安時代の和漢辞書である「和名類聚抄」にも「大豆麩 末女豆岐(まめつき)」という記述が残っています。ちなみに大豆麩の麩というのは粉末を意味する言葉。大豆を炒って臼でつき、粉にふるい分けたことからこのような名前になったと考えられています。
このように古くから食品として用いられていたきなこですが、普及したのは江戸時代です。江戸時代には菓子作りが盛んになり、きなこも庶民の食べ物として広まりました。つきたての餅に砂糖入りのきなこをまぶした安倍川餅も江戸時代に広まったと言われており、徳川家康が命名したとも伝えられているんですよ。
きなこの製法
きなこは大豆を焙煎してから粉砕し、パウダー状にしたものです。大豆をまるごと使うことが多いですが、風味をよくするために種皮や胚軸を取り除くこともあります。大豆には青大豆と黄大豆があり、きなこの原料は黄大豆の方です。青大豆からは青きなことも呼ばれるうぐいす粉が作られます。
普段あまり意識することはないかもしれませんが、実はきなこの色は黄色から褐色のものまでさまざまなんですよ。黄大豆の煎り加減によって香ばしさやきなこの色合いが変わるんです。工場で大量生産する際は、回転式の大きな焙煎機を使い、220℃で約30秒焙煎します。その後粉砕してきなこが完成します。
大豆粉の種類やきなことの違いは
きなこと混同されやすい食品に大豆粉があります。大豆粉も大豆から作られていて、パウダー状の見た目なのでよく似ているように感じますが、実はさまざまな違いがあるのです。ここでは大豆粉の種類やきなことの違いを見ていきましょう。
生大豆粉
大豆粉には大きく分けて生大豆粉と焙煎大豆粉のふたつがあります。生大豆粉は大豆を生のまま粉砕して粉にしたものです。焙煎していないため大豆特有の青臭さを感じやすいという特徴があります。また、加熱していないのできなこのようにそのまま食べることはできません。小麦粉の代用として焼き菓子やパン作りに用いられます。
焙煎大豆粉
焙煎大豆粉は大豆を焙煎してから粉砕したものです。ただし、低温焙煎されており生に近い状態なので、やはり加熱調理して食べる必要があります。焙煎大豆粉も焼き菓子やパンなど小麦粉と同じように使われますが、大豆特有の風味がありホロホロとした食感になるなど、小麦粉とは風味や食感が多少異なるようです。
商品によっては加熱せずにそのまま食べることができるタイプもあります。その場合は飲み物に振りかけるなど、きなこと同じように使用することが可能です。
きなこのおすすめの活用法
きなこは香ばしさと素朴な甘みが広く愛されており、さまざまなレシピに活用されます。きなこは古くからごはんや餅にまぶして食べるのが定番でした。そのほかお菓子に加工されることが多く、安倍川餅やくず餅、わらび餅などの原料としても知られています。和菓子はもちろん洋菓子と相性も抜群で、ケーキやパフェのトッピングや、クッキーやドーナツ、ケーキなどに混ぜ込んでもおいしく召し上がれます。牛乳やヨーグルト、ココアやコーヒーなどに加えたきなこドリンクで手軽にきなこを取り入れている人も少なくありません。
スイーツやドリンクだけでなく、最近ではきなこを料理に活用することもあるようです。ドレッシングに混ぜてサラダに使ったり野菜の和え物にきなこをプラスして香ばしい風味を楽しむなど、いりごまと同じような感覚で使うこともできるようですよ。
ぜひ、お気に入りの食べ方を見つけてみてくださいね。
きなこを使った絶品レシピ
きなこの歴史や製法、大豆粉との違いなどがわかったところで、ここからはきなこを使った絶品レシピをご紹介します。おうちで簡単に作れるレシピをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
サクサク きな粉のスノーボール
みんな大好き!サクサクおいしいきなこのスノーボールのご紹介です。きなこの風味と軽い食感がやみつきになるおいしさ!材料を混ぜ合わせて丸めるだけなので、どなたでも簡単にお作りいただけます。ぜひお試しくださいね。
HMでつくる きなこ豆腐ドーナツ
ホットケーキミックスで手軽にきなこ豆腐ドーナツを作ってみました。豆腐を加えているので外側はカリカリ、内側はもちもちとした食感です。洋風ドーナツとはひと味違う和風のドーナツで、食べる手が止まらなくなるおいしさですよ。おやつに作ってみてはいかがでしょうか?
とろとろ 黒みつきな粉パンナコッタ
今日のおやつに「とろとろ黒みつきなこパンナコッタ」はいかがでしょうか。きなこを混ぜ込んで固めたパンナコッタに黒蜜ときなこをトッピングして和風に仕上げました。濃厚な黒蜜の風味とコク豊かなパンナコッタが相性抜群!とろとろなめらかな食感がクセになりますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
食パンで簡単 きなこの揚げパン風
食パンで簡単に作れるきなこの揚げパン風おやつです。フライパンで揚げ焼きにした食パンに砂糖入りのきなこをたっぷりとまぶして揚げパン風にしてみました。素朴なきなこの風味がホッとする味わいです!食パンが余ったときにもおすすめですよ。ぜひお試しくださいね。
豆腐白玉のきなこ添え
豆腐白玉のきなこ添えを作ってみませんか?水の代わりに豆腐を入れているので、ふんわりとやわらかい特有の食感に仕上がります。砂糖を加えたきなこのやさしい甘みと白玉が好相性!とてもおいしいので、ぜひ召し上がってみてくださいね。
しっとりおいしい きな粉おからクッキー
しっとりおいしいきなこおからクッキーのレシピです。甘さ控えめできなこの香ばしい風味が存分に味わえます。外はサクサク、内側はしっとりやわらかな食感でとてもおいしいですよ!腹持ちもよいので、おやつにぜひ作ってみてくださいね。
もっちり きなこもちホットケーキ
いつもとひと味違うホットケーキが食べたいときに!もっちり食感が楽しいきなこもちホットケーキをご紹介します。切り餅入りのどっしりした生地はきなこがふんわりと香ります!こしあんと黒蜜の甘みがたまらない一品です。おやつにもランチにもおすすめなので、ぜひ召し上がってみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応て加熱時間を調整しながら加熱してください。
もっちりおいしい きな粉蒸しパン
食べごたえ抜群の、もっちりきなこ蒸しパンです。材料を混ぜ合わせてフライパンで蒸しあげるだけで簡単にお作りいただけます。きなこの素朴なおいしさともちもちした食感がやみつきになりますよ!朝ごはんにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
※今回は水滴が下に垂れないようにするために蓋にさらしを巻いています。ガス火で作る場合はさらしが下に垂れると引火の恐れがあるので、結ぶなど工夫して垂れないようにしてください。また蒸し器の底から火がはみ出さないようにし、加熱中は目を離さないようご注意ください。
黒豆きな粉の和風パウンドケーキ
黒豆ときなこを使って和風パウンドケーキを作ってみましょう。きなこをたっぷりと混ぜ込んだコクのある生地に、こっくりおいしい黒豆を合わせました。甘さ控えめで上品な味わいです。まわりはさっくり、中はしっとりとしていてとてもおいしいですよ!ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
絞り出し きな粉クッキー
香ばしさがたまらない絞り出しきなこクッキーです。サクサクの軽い食感ときなこの香りがやみつき必至の一品!ついつい手が伸びてしまうおいしさです。かわいらしい見た目でおもてなしにもぴったりですよ。この機会に作ってみるのはいかがですか?
和風にも洋風にも!幅広く活用できるきなこでお菓子作りを楽しもう
いかがでしたか?きなこの歴史や製法、大豆粉との違いに加え、きなこを使った絶品レシピをご紹介しました。やさしい味わいのきなこは和菓子はもちろん、洋風のものとも相性抜群で幅広く活用できます。今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、さまざまなお菓子作りにきなこを役立ててみてくださいね。