フィリピンで人気の果物「カラマンシー」。すだちやシークヮーサーとよく似た見た目ですが、一体どのような果物なのでしょうか?この記事ではカラマンシーの味や特徴、ほかの柑橘類との違いについて解説します。記事後半ではカラマンシーのおいしい食べ方もご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
カラマンシーって何?味の特徴やほかの柑橘類との違いについて解説!
- 目次
- カラマンシーとは?
- カラマンシーの名前
- シークヮーサーとの違い
- シークヮーサーとは
- カラマンシーのおいしい食べ方
- 特有の酸味と風味がクセになる!カラマンシーをさまざまな料理に活用しよう
カラマンシーとは?
カラマンシーとはミカン科ミカン属の常緑低木でフィリピンを中心に東南アジアで栽培されている柑橘類の果物の一種です。四季咲き性の植物で、旬の時期は特にありません。寒い地域では冬に花が咲かないケースもありますが、温暖な地域では一年中花や実を楽しめます。
カラマンシーはフィリピンでは一般的に食べられており、たいへん人気がある果物です。庭先で栽培されているのはもちろん野生のカラマンシーも多いため、現地では安価で手に入れることができます。カラマンシーは美容や健康にうれしい栄養成分が含まれているとされており、「奇跡の果実」とも呼ばれているんですよ。近年、日本や韓国でもカラマンシーのジュースやお酢などを見かける機会が増えてきました。
近年のDNA分析によると、カラマンシーはマンダリンオレンジなどのミカン類とキンカンの交雑種であると言われています。自然交雑によって生まれたという説もあれば、はるか昔に東南アジアで人工的に交雑されて生まれたという説もあり、その発祥についてははっきりと分かっていません。果実は直径2~3cmほどの球形で、ライムより一回り小さいサイズ。熟す前は緑色の皮に覆われていて、見た目はすだちやシークヮーサーによく似ています。熟すと果皮がオレンジ色になり、キンカンのような見た目に変化。皮は薄くてむきやすく、キンカンのように皮ごと食べることができます。低木で果実の見た目が可愛らしいことに加え、丈夫で育てやすいので、アメリカでは観賞用にも用いられているんですよ。
カラマンシーは一般的なミカン類よりも酸味が強いので、レモンやゆずなどと同じ香酸柑橘に属しています。フィリピンレモンとも呼ばれ、果汁にはレモンとライムの中間くらいの強い酸味があるのが特徴。酸味が強いので、そのまま食べるよりもレモンやライムのように料理の仕上げやアクセントに使ったり、ドリンクなどにアレンジして楽しんだりするのが一般的です。果汁の酸っぱさとは対照的に皮の部分は甘みが強く、マンダリンオレンジのような甘く爽やかな香りを楽しむことができます。キンカンの皮のように甘みと苦味が共存しているのも特徴。酸味と甘味、ほろ苦さを同時に楽しむことができます。果汁と皮の両方を楽しむことができるよう、皮ごとジュースにしたりマーマレードにする食べ方もおすすめです。
カラマンシーの名前
なぜ「カラマンシー」と呼ばれているかというと、「Kalamansi」というフィリピンで使われているタガログ語が由来となっているため。そのほかにもフィリピンレモンなどいくつかの別名があるんですよ。
カラマンシーは一年を通して収穫できることから、「四季橘(シキキツ)」という和名が付けられています。また、沖縄では「四季柑(シキカン)」と呼ばれており、シークヮーサーの代用品として親しまれているそうです。そのほかにも、見た目がキンカンに似ていることから「四季なりキンカン」という名前で呼ばれることもあるのだとか。
シークヮーサーとの違い
カラマンシーと間違えられやすい柑橘類にシークヮーサーがあります。見た目はよく似ていますが、実際には両者は似て非なるものです。ここではシークヮーサーとカラマンシーの違いについて見ていきましょう。
シークヮーサーとは
シークヮーサーはミカン科ミカン属の常緑低木で、カラマンシーと同じく香酸柑橘の一種です。南西諸島と台湾に自生している植物で、沖縄北部の大宜味村(おおぎみそん)の特産品として広く知られています。シークヮーサーの果実は直径3~4cmぐらいの大きさで温州みかんのような扁平型です。果汁には酸味がありますが、カラマンシーほど強くありません。酸っぱいだけでなく爽やかな香りと深みのある味わいが特徴です。また、果皮にはカラマンシーのような甘みはありません。
シークヮーサーの特徴のひとつは収穫の時期によって味わいが変わること。一年中収穫できるカラマンシーと違い、シークヮーサーの旬は、8月後半から2月末までです。8月後半から9月にかけて収穫される青切りシークヮーサーは酸味が強く生食には向きません。酢の物や料理の添え物として用いられるのが一般的です。10月から12月中旬にかけては原液ジュース用のシークヮーサーが収穫され、続いて12月下旬から2月末までは黄色く熟した完熟シークヮーサーが摘み取られます。完熟シークヮーサーは糖度が高く甘酸っぱい味わいなのでそのまま食べることが可能です。
カラマンシーにはシークヮーサーにはないフロレチンという成分があります。このフロレチンは、りんごや梨、グレープフルーツなどに含まれる、抗酸化作用成分です。このように、カラマンシーとシークヮーサーは収穫時期や味わいだけでなく、含まれる成分も異なっているんです。
カラマンシーのおいしい食べ方
カラマンシーは酸味が強いので、そのまま食べることはほとんどありません。フィリピンではドリンクにアレンジして楽しむのが一般的です。水やソーダ水で割ったり紅茶に入れると、カラマンシー特有の爽やかな酸味を堪能できます。お好みで砂糖などで甘みをつけるとさらに飲みやすくなりますよ。酸味が苦手な人は牛乳やヨーグルトと割って、まろやかにするのもおすすめ。また、白ワインやビールなどお酒に加えてもフルーティーでおいしいです。
フィリピンレモンという別名からも分かる通り、レモンと同じように魚料理や肉料の味つけに使うのも定番の食べ方です。サラダやカルパッチョのドレッシングに使ったり、揚げ物などにかけたりするとおいしいですよ。レモンよりも酸味が控えめで甘みもあるので、レモンとはひと味違うまろやかな風味を楽しむことができます。だし醤油にカラマンシーを加えて自家製ポン酢を作るのもおすすめ。和食にもとてもよく合います。
カラマンシーはスイーツに活用するのもおすすめです。定番なのは皮のほのかな甘みとほろ苦さを活かしてジャムなどに加工する食べ方。マーマレードやピールにして皮ごと味わうととてもおいしいですよ。ジャムとしてそのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトに混ぜたりケーキの風味づけに使うこともできます。カラマンシーを使ったケーキはまるでレモンケーキのような爽やかな味わいで、さっぱりしたスイーツが食べたいときにぴったりです。
特有の酸味と風味がクセになる!カラマンシーをさまざまな料理に活用しよう
いかがでしたか?フィリピンで人気の果物であるカラマンシーの特徴やほかの柑橘類との違いに加え、カラマンシーのおいしい食べ方などについてご紹介しました。カラマンシーは特有の酸味と風味を活かして、ドリンクやドレッシング、スイーツなどさまざまな料理に活用することができます。今までカラマンシーに馴染みがなかったという方も、ぜひこの機会にカラマンシーをさまざまな料理に活用してみるのはいかがでしょうか?