蒸し料理を作るときに「せいろ」を使ったことはありますか?今回は、せいろの素材による特徴の違いやサイズの選び方、正しい使い方、保管方法、お手入れ方法について解説します。また、せいろがない場合の代用方法もご紹介!記事の後半では、蒸し器を使ったおすすめレシピをご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
蒸し器「せいろ」の正しい使い方とは?お手入れ方法や保管方法もご紹介!
- 目次
- せいろとは?
- せいろの正しい使い方は?
- せいろのお手入れ方法や保管方法
- 洗剤は使わない
- 風通しのよい場所で陰干しする
- 水切りかごを使用する場合は斜めに立てかける
- せいろの種類
- 中華せいろ
せいろとは?
「せいろ」とは、木製の蒸し器のこと。漢字では「蒸篭」または「蒸籠」と書き、せいろうと呼ばれることもあります。
一般的に丸型のものが多く、底がすのこのようになっていて、蓋がついているのが特徴です。その容器を中に蒸したい食材を入れて蓋を閉め、水を沸騰させた鍋の上にのせ、蒸気を利用して食材を加熱します。
食材に木の香りが移ること、また、冷めても食材がみずっぽくならず最後までおいしく食べられるというのが魅力!さらに、そのまま食卓に出せるうえ、保温性も高いので料理の温かさが持続するなど、せいろにはうれしいポイントがたくさんあるんです!
せいろの正しい使い方は?
それではさっそく、せいろの正しい使い方についてポイントもおさえながら、みていきましょう。
【手順】
①せいろを水で濡らします。
②せいろに食材を入れます。
③鍋にお湯を沸かし、蒸気が上がった鍋にせいろをのせ、蓋をします。
④食材に火が通るまで蒸したら、完成です。使い終わったらすぐに水洗いをし、水気を拭き取り乾かします。
【ポイント】
せいろを濡らすことで、せいろが焦げるのを防げますよ。表面をさっと濡らすだけよりも、15分ほど水に浸けておくとより安心です。
食材を入れる際にクッキングシートや蒸し布巾、葉物野菜を下に敷くと、食材がせいろにくっついたり、食材から出た油でせいろが汚れるのを防げます。
せいろを2段3段と重ねて蒸したい場合は、火の通りにくい食材から下段に置く、または先に蒸し始めることで、加熱時間を調節してくださいね。
底がすのこ状になっているため、上の段の食材から出た汁などが下の段の食材にかかることもあります。そのため、アクや香り、油などが多い食材は下の段に入れるようにしましょう。
せいろをのせている間は、蒸気が一定の強さであがるよう火加減を調整してくださいね。
せいろのお手入れ方法や保管方法
せいろを長く使うために、正しいお手入れ方法や保管方法についてもチェックしてみてみましょう。
洗剤は使わない
木製のせいろは、洗剤の成分が浸透してしまうのを避けるため、できるだけ洗剤を使わずにお手入れしましょう。汚れが少なければ、湿らせた布で拭くだけで問題ありません。食材の油などが気になる場合は、ぬるま湯を使って洗いましょう。それでもどうしても汚れが気になる場合は塩を使うのもおすすめです。お手入れしたあとは風通しのよい場所でしっかりと乾燥させるのが長持ちさせるポイントですよ。
風通しのよい場所で陰干しする
保管中にもカビの繁殖を防ぐため、高温多湿にならない風通しのよいところに保存しましょう。その際、ビニール袋などには入れず、新聞紙や布などに包むのがおすすめです。また、ひび割れの原因になるため、直射日光には当てないようにしてください。メーカーなどでも、風通しがよく、日の当たらない場所での陰干しが推奨されています。
水切りかごを使用する場合は斜めに立てかける
吊るして乾燥させることなどが難しい場合は、水切りかごを使用しましょう。風通しのよい場所に水きりかごを置き、せいろを斜めに立て掛けて乾かすのがポイントです。水切りかごを使わずにそのまま置いておくだけだと、接触している部分がカビてしまう恐れがあるため、水切りかごを使用し、斜めに立てかけることが大切です。途中、せいろの向きを変えることで、より早く乾きますよ。
せいろの種類
せいろには大きく分けて2つの種類があります。まずはそれらの種類について確認してみましょう。店や作るものによっては四角い形のものもあったり、最近ではアウトドアでも使えるようなメスティン型のものも登場するなど、需要が高まってきています。
中華せいろ
中華せいろは、焼売や肉まんといった点心を作るのに向いている浅めのせいろです。比較的軽いので、お店などではよく2〜3段重ねて使われます。蓋は竹や杉で編み込まれたものが一般的で、スノコは枠と一体になっているというのも中華せいろの特徴の一つです。
編み込まれた蓋によって蒸気がほどよく逃げるため、食材に水滴が落ちにくく、蒸し布などを使わなくてもおいしく仕上がります。
上記で触れたように浅めなので、 背の低い食材を蒸すのがおすすめです。もし高さのある食材を蒸したいときは、台輪(だいわ)と呼ばれる道具を利用して高さを出すことも可能ですよ。
和せいろ
和せいろは、茶碗蒸し、おこわや赤飯、芋など、高さのある食材を蒸すのに向いている深めのせいろです。中華せいろより枠に厚みがあるものが多く、また、スノコは枠から外せるようになっているのも特徴です。
中華せいろとの大きな違いは「蓋」。木製で厚く、重みがあるので、蒸気を閉じ込めてくれます。そのため、中華せいろと比べて短時間で調理が可能です。
重ねて使うこともありますが、重みがあるため、重ねても2段までが多いようです。また、メーカーや形状によっては一段でしか使えません。
せいろの素材の特徴とは
せいろに使われている素材は、主に「竹」や「杉」、「桧」。使い方はどれも同じですが、香りや耐久性には違いがあるんです。以下で、素材ごとの特徴についてみてみましょう。
竹
竹は、杉や桧と比べると香りが弱く、蒸しても食材の香りに影響が少ないのが特徴。価格は比較的手ごろなものが多いです。杉と比べて耐久性はあるものの、30分以上の加熱には向きません。加熱時間が長いと、耐久性が弱まってしまうおそれがあります。
杉
杉のせいろは、蒸すと杉特有のよい香りがするので、木の香りを楽しみたい方におすすめ。手ごろな価格で手に入りやすいのもメリットです。竹と同じように、耐久性は高くないので、30分以上の加熱には不向きです。
桧
桧は木目が細かく強度が強い素材。耐久性も高く、弱めの中火なら90分の加熱にも耐えられるといわれています。桧の香りも楽しむことができ、高級感のある商品が多くあります。価格は高いものが多いですが、正しく使えば一生モノにもなる、贈り物にもおすすめのせいろです。
せいろのサイズの選び方は?
せいろにはそれぞれの素材に加えて、大小さまざまなサイズがあります。どのサイズを選んだらいいのか、ポイントをみていきましょう。
どんな料理を、どれくらい作りたいかで選ぶ
せいろは、直径10cmほどのものから直径30cmほどのものまで幅広いため、家族の人数やどんな料理を作りたいかによって選んでみましょう。せいろは別々の食材を入れて2段重ねて蒸すことができるのも魅力です。もしもサイズに迷ったときは、平均的な直径18cmや21cmのものを2段用意するといった選び方もおすすめですよ。
鍋の大きさで選ぶ
せいろは鍋などからあがる蒸気を利用する調理道具なので、せいろと一緒に使う鍋の大きさに合わせるのも重要なポイントです。鍋は、せいろの直径より1~2cm大きいサイズのものを組み合わせて使いましょう。もしちょうどよい大きさの鍋がない場合は、せいろと鍋の間に置く金属製の板「蒸し板」を利用すると、グラつくことなく安全にせいろが使えますよ。
蒸し器を使ったおすすめレシピをご紹介!
さてここからは、蒸し器を使った料理のおすすめレシピをご紹介します。本格的な味わいの中華ちまきから、素朴な味わいがたまらない蒸しパンまで、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。
おうちで点心 ニラ蒸し餃子
皮から手作り!ニラ蒸し餃子をご紹介します。モチモチ食感の蒸し餃子の皮は、本来は小麦デンプンを精製して作る浮き粉を使用しますが、今回は手に入りやすいコーンスターチや片栗粉で代用しました。せいろを使って蒸せば、味も見た目もぐんとアップします!ぜひ試してみてくだいね。
本格派 もちもち中華ちまき
具だくさんの中華ちまきを作ってみましょう。モチモチとした食感のごはんに、干しエビやチャーシュー、椎茸の旨味が加わり、とてもおいしいですよ!竹の皮で包むとほのかな竹の香りが加わり、本格的な味わいに仕上がります。
クリーミー牡蠣茶わん蒸し
牡蠣の旨味がアクセントになった茶碗蒸しはいかがでしょうか。プルンとなめらかなのどごしの卵とクリーミーな牡蠣が相性抜群!味付けには白だしを使っているので、簡単に味が決まりますよ。
蒸し器で作るふかし芋
蒸し器を使って、さつまいもをふかしてみましょう。さつまいもは、含まれているデンプンが分解されることによって糖度が上がり、甘みが強くなります。デンプンの分解を促す酵素が最もよく働くのが60~75度。蒸し器でじっくり加熱することで、甘みが増すんですよ!ぜひお試しくださいね。
基本の蒸しパン プレーン味
しっとりもちもち!蒸しパンのご紹介です。素朴な味わいのプレーン味もとってもおいしいですが、ココア風味や抹茶風味にしたり、フルーツなどを入れてアレンジするのもおすすめです。とっても簡単なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
せいろで蒸し料理を作ってみよう!
今回は、せいろの使い方やお手入れ方法、種類、選び方についてご紹介しました。せいろというと本格的な料理をイメージする方も多いかもしれませんが、実は料理初心者の方でも挑戦しやすい調理です!今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひおうちで蒸し料理を作ってみてくださいね。