最終更新日 2024.7.11

薬味の種類|それぞれの効能や特徴

薬味の種類|それぞれの効能や特徴

お寿司にはわさび、そうめんにはネギなど、さまざまな料理の味を引き立てるために欠かせない「薬味」。もともとは医学用語として使われていて、料理の風味をよくするだけでなく、健康維持のためにも取り入れられてきたんですよ。今回は、一般的な薬味の種類と効能や特徴、さらにおすすめレシピなどをご紹介します。

  • 目次
  • 薬味とは?
  • 薬味の種類と効能をご紹介
  • ねぎ
  • 三つ葉
  • 生姜
  • ミョウガ
  • わさび
  • 大葉

薬味とは?

薬味とは、料理に少量添える香味野菜や香辛料のことです。主に和食には欠かせない存在で、刺身や寿司にはわさび、汁物にはねぎ、煮物には生姜など、少量添えるだけでも料理全体に独特の香りや酸味、辛味が加わり、より深い味わいになります。

また、薬味には風味をアップさせてくれるだけでなく、健康や衛生面においてもさまざまな効果が期待されていて、昔から体調に合わせて料理などに取り入れられてきたようです。

薬味の語源には諸説ありますが、元々は医学用語として使われていた言葉だったと言われています。漢方で薬を処方する際、メインとなる薬に少量の補助薬を加えており、それを「加薬味(かやくみ)」と呼んでいたことから「薬味」と呼ばれるようになった説が濃厚なようです。ほかにも、役に立つから「やくみ」と呼ばれるようになったという説もあります。

このあと、日本料理でよく使われる薬味について、それぞれどのような特徴があるのか解説するので、ぜひチェックしてみてくださいね。

薬味の種類と効能をご紹介

和風の料理にはもちろん、中華料理や西洋料理、韓国料理など世界各地の料理に用いられている「薬味」。 日本の場合は味の変化を楽しむためだけでなく、料理の見た目を美しく仕上げるために添えられることもあります。

薬味の種類はたくさんありますが、今回は日本で日常的に使われている薬味をいくつかピックアップして、それぞれの効能をご紹介します。

ねぎ

ねぎ特有の強い香りは、「硫化アリル」という揮発性の成分によるものです。肉や魚などのくさみを取り除く他、殺菌作用、疲労回復、血流促進、免疫力向上などに効果があります。

この硫化アリルには、新陳代謝を活発にするほか、ビタミンB1の吸収率を上げるというはたらきがあるので、ビタミンB1が多い豚肉や大豆、カツオなどと一緒に食べるのがおすすめです。

ちなみに硫化アリルは水に溶けやすく熱に弱いため、効率的に摂取するには水にさらさず生で食べるのがよいとされています。

三つ葉

三つ葉の上品で爽やかな香りには、「クリプトテーネン」という成分が含まれています。食欲を増進させ消化を促したり、気持ちをリラックスさせイライラを解消する効果があります。

生姜

生姜に含まれる香り成分「シネオール」には、食欲増進効果があるとされています。食欲がなくなりやすい夏場にぴったりの薬味で、冷や奴やそうめんなどに添えれば、よりさっぱりとした味わいになり、食べやすくなりますよ。

さらに、辛み成分「ショウガオール」には殺菌作用があり、お寿司に欠かせないガリにも使われています。

ミョウガ

ミョウガの独特な香りは「アルファピネン」という精油成分によるもので、胃酸の分泌を促進して食欲を増進させたり、血流改善や発汗作用などがあります。

わさび

わさびは、日本原産の香辛料で、豊富な湧水に恵まれた土地で栽培されます。わさびならではのツーンとした辛みの元は「アリルイソチオシアネート」という成分で、抗菌・殺菌作用や食欲増進効果が期待できます。

特に殺菌作用が強く、酵母の発酵を阻止したり、カビや食中毒菌の増殖を抑えます。

大葉

刺身などに添えられることも多い大葉。これは彩りに加え、大葉が持つ芳香成分「ぺリルアルデヒド」に強い防腐・殺菌効果があるためです。

さらに、抗酸化作用や皮膚の粘膜を正常に保つ働きのあるβカロテンや、栄養素をエネルギーに変換するのに重要なビタミンB群、骨を強くするカルシウムやビタミンKなどの栄養素が含まれています。

ゆず

ゆずに豊富に含まれるビタミンCには、抗酸化作用や免疫力のアップの効果が期待できます。

果汁や果肉よりも皮の方が栄養価が高いため、皮をすりおろしたり、千切りにするなど皮まで余すことなく使うのがおすすめですよ。

まとめてチェック

食材 効能
ねぎ 疲労回復・免疫力向上
三つ葉 リラックス・食欲増進
生姜 殺菌力・食欲増進
ミョウガ 食欲増進・発汗作用
わさび 殺菌作用・食欲増進
大葉 殺菌作用
ゆず 免疫力向上

組み合わせを楽しむ!薬味を使ったおすすめレシピ

さまざまな料理との組み合わせを楽しむのも薬味の醍醐味!ここからは、薬味を使ったおすすめレシピをご紹介します。

きゅうりと薬味たっぷりのピリ辛冷や奴

みょうがと大葉をたっぷりのせれば、淡白な冷や奴もあっという間にごちそうに。夏バテ予防にも最適な一品です。

お鍋は使わずレンジで簡単!ふろふき大根

ゆずは、ふろふき大根などの蒸し料理やお吸い物、湯豆腐など冬の和食にぴったりな薬味です。風味豊かなゆずの香りでより食欲をそそられますよ。

ふわとろ親子丼

ふわふわとろとろの親子丼には三つ葉の葉をのせましょう。鮮やかな緑色と上品で爽やかな香りが加わり、見た目はもちろん、全体の味わいもぎゅっと引き締まりますよ。

お家でも マグロの漬け丼

生魚には、強い殺菌効果を持つワサビが最適!ワサビの程よい辛さがアクセントにもなり、最後まで飽きが来ることもありません。食材の味を引き立てるだけでなく、その効果も納得の組み合わせですね。

色々な薬味を使い分けて楽しもう!

薬味は、先人たちの知恵がたくさん詰まった名脇役。メイン料理の鮮度や味を引き立てるだけでなく、私たちの体調まで整えてくれています。 上手に活かして、さまざまなアレンジをお楽しみくださいね。

また、クラシルでは、今回ご紹介したレシピ以外にも、さまざまな薬味を使ったレシピをご紹介しています。ぜひご家庭でも気楽に作ってみてくださいね。

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