「おみおつけ」という言葉を聞いたことがありますか?昔の人が使っていたような、少し懐かしい響きがありますが、実は室町時代に宮中で使われていたていねいな言葉なんです。今回は、おみおつけの由来や語源をはじめ、味噌汁との違いなどをご紹介します。記事後半でご紹介する、バラエティ豊富な味噌汁レシピは必見です!
「おみおつけ」とは?漢字の書き方や由来、レシピをご紹介!
- 目次
- 「おみおつけ」とは?
- おみおつけの由来は?
- 味噌汁の発祥は鎌倉時代
- おみおつけと味噌汁の違いは?
- おみおつけは方言?
- お味噌汁のレシピ
- だしから作る!味噌汁のレシピ
- あさりの味噌汁
「おみおつけ」とは?
「おみおつけ」とは味噌汁をていねいに表現した言葉で、漢字では「御御御付」と書きます。「おみ」は「味噌」、「おつけ」は膳でごはんと一緒に出される「汁物」のことで、これは室町時代に使われていた女房言葉から派生した言葉だと言われています。
女房言葉とは、宮中に仕える女房たちが使っていた隠語のことです。御御御付のほかには「御神酒(おみき)」や「御御足(おみあし)」などがあり、衣食住に関するものをやわらかく表現した言葉だと言われています。
おみおつけの由来は?
おみおつけの由来は諸説ありますが、どの説も味噌汁がとても大切な料理として扱われていたことが伺えます。そのなかでも、代表的な説をふたつご紹介しましょう。
◼︎汁物(おつけ)をていねいに表す
「御」という漢字は「御挨拶」や「御連絡」など、ものごとをていねいに表すときに使われます。御御御付は、汁物を意味する「御汁(おつけ)」を、さらにていねいに表現するために「御御(おみ)」をつけた言葉だと言われています。
◼︎味噌(おみ)に汁物(おつけ)を付けた
味噌をていねいに表すと「御味(おみ)」になります。これに、汁物を表す「御汁(おつけ)」をつけて「御味御汁(おみおつけ)」になり、それが「御御御付」と間違えられて広まったのではないか、とも言われています。
味噌汁の発祥は鎌倉時代
日本で初めて味噌が作られるようになったのは平安時代です。当時の味噌は粒の多い粒味噌で、これを食べ物につけてそのまま食べるのが一般的でした。また、味噌は身分の高い人の給料や贈り物として用いられる高級品であり、庶民の手には入らないものでした。
鎌倉時代に入ると中国からすり鉢が伝わり、これで味噌をすり潰してみたところ、味噌が水に溶けやすかったため味噌汁が作られるようになりました。味噌汁の登場により「一汁一菜(主食、汁物、おかず、香の物)」という、質素倹約を重視した鎌倉武士の食事スタイルが確立されたと言われています。
おみおつけと味噌汁の違いは?
「味噌汁」が広まったのは江戸時代からです。各地方で大豆や味噌がたくさん作られるようになり、庶民でも味噌が手に入るようになりました。江戸の人口が50万人に達し、女性より男性の人口が多かったため、外食が発展して味噌を使った料理のバリエーションが増えたのも、この頃だと言われています。
しかし、庶民は宮中で使われていた「おみおつけ」という言葉を知らなかったため、味噌を溶かした汁のことを「味噌汁」と呼び、広まったそうです。
おみおつけは方言?
のちにおみおつけという言葉は庶民にも広まり、主に東日本で使われるようになりました。そのため「おみおつけは東京弁ではないか」とも言われますが、これは室町時代の女房言葉であり、宮中で使われていたていねいな言葉です。
また、現代ではおみおつけは死語となっており、使われることはほとんどありません。しかし、昔の人たちが使っていた懐かしい言葉として、たまには使ってみるのも楽しいかもしれませんね。
お味噌汁のレシピ
ここからは、バラエティ豊富な味噌汁のレシピをご紹介します。だしからていねいに作った味噌汁のおいしさは格別ですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
だしから作る!味噌汁のレシピ
時間があるときは少し手間をかけて、だしから味噌汁を作ってみませんか?難しそうなイメージがありますが、使う食材も手順もシンプルなので、ぜひチャレンジしてみてください。
あさりの味噌汁
あさりをふんだんに加えた、旨味たっぷりな味噌汁です。だしはあさりと昆布のみとシンプルですが、あさりのふくよかな旨味が効いてたまらないおいしさですよ!
煮干し出汁で 油揚げとネギの味噌汁
手軽にだしを取りたいときは、煮干しを使うのがおすすめです!煮干しの素朴な旨味に味噌の香りがよく合う、どこか懐かしい味わいをお楽しみいただけますよ。
かつお出汁で風味豊かな味噌汁
かつおだしに白みそを合わせた、上品な風味の味噌汁です。具材にエビや三つ葉を加えると彩りがよく、おもてなしにぴったりな一品に仕上げることができます。
えのきと豆腐の赤だし
旨味たっぷりなえのきには、コクのある赤だしがよく合います。火の通りが早い具材を使っているので、短時間で手軽に作れるのもうれしいポイントです。
顆粒だしで簡単!お手軽味噌汁レシピ
手軽に旨味たっぷりの味噌汁を作るなら、顆粒だしを使うのがおすすめ!さまざまな味わいの顆粒だしが販売されているので、お好みのものを使ったり、食べ比べてみるのもおもしろいですよ。
小松菜とホクホクさつまいもの味噌汁
味噌汁にさつまいもを加えて、ほのかな甘味をプラスしました。ホクホクとした食感に味噌の香りがよく合う、ほっこりとやさしい味わいをぜひお楽しみください!
ナスとえのきのお味噌汁
パパッと手軽に作れる、ナスとえのきの味噌汁はいかがでしょうか。シャキシャキのえのきはもちろん、旨味がじんわりと染み込んだナスがとてもおいしいですよ。
厚揚げとなめこの味噌汁
なめこの味噌汁には豆腐が定番ですが、厚揚げを加えるとよりコクのある味わいに仕上げることができます。シンプルでありながらも食べごたえがあるので、おかずの一品としてもおすすめです。
豚バラ肉とオクラの味噌汁
豚バラ肉とオクラを加えた、旨味たっぷりな味噌汁です。豚バラ肉をごま油で炒めてから煮込むと、香ばしさがグンと増してコク深い味わいに仕上がります。手軽に豚汁を楽しみたいときに、ぜひ作ってみてくださいね。
おみおつけは味噌汁のていねいな呼び方
今回は、おみおつけの由来や語源をはじめ、味噌汁との違いや、バラエティ豊富な味噌汁レシピをご紹介しました。おみおつけとは味噌汁をていねいに表現した言葉であり、古くは宮中で使われていた女房言葉から派生した言葉です。現代では、おみおつけという言葉が使われることはほとんどありませんが、味噌汁のていねいな呼び方として、たまに使ってみてはいかがでしょうか。