世界にはおいしい料理がたくさんありますが、「世界三大スープ」とはどの料理を指すか知っていますか?実は、ボルシチとトムヤムクン、ブイヤベース、フカヒレスープの4つが含まれるんです。今回は、世界三大スープについて解説します。そのほかの世界のスープや、おうちで作れるおいしいスープのレシピも必見ですよ!
世界三大スープについて知ろう!自宅で作れるレシピもご紹介!
- 目次
- 世界三大スープとは?
- 世界三大スープ、それぞれの特徴は?
- ボルシチ
- トムヤムクン
- ブイヤベース
- フカヒレスープ
- そのほかの世界のスープ
- ポトフ
世界三大スープとは?
世界の各地には、その土地特有の環境や文化から影響を受けたさまざまな料理があります。スープにもまた各地で特徴があり、日本のスープといえば味噌汁をイメージする方が多いのではないでしょうか。
それでは、「世界三大スープ」といったら、どんなスープのことかご存じですか?実は世界三大スープとは、ボルシチとトムヤムクン、ブイヤベース、フカヒレスープの4つのことなんです。三大といっているのに4つあるのはおもしろいですよね。
世界三大スープに関しては、選考に関する明確な基準はなく、誰が選考したかなどもはっきりとわかっていません。もちろんどのスープも甲乙つけがたいほど魅力的で、どれがおいしいかなどは個人の好みでもあるため、3つに絞り切れていない状況なのです。
世界三大スープ、それぞれの特徴は?
世界三大スープと呼ばれる4つのスープ。それぞれにどのような特徴があるのか、以下で見てみましょう。
ボルシチ
ボルシチはロシアでよく食べられているのでロシア料理だというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、実はウクライナ発祥の料理なんですよ。鮮やかな赤色をしているのが特徴的なスープですが、これは材料のビーツという野菜の色素が溶け出したもの。ビーツは見た目はカブに似ていますが、ほうれん草と同じヒユ科の野菜です。ビーツではなく、トマトで赤色をつけたスープも、ボルシチと呼ぶこともあったのだとか。
一言でボルシチといっても地域や家庭によってレシピが異なり、ウクライナ風やモスクワ風、ポーランド風、コープ風など、いろいろな種類があります。具材は玉ねぎや人参、じゃがいもなどの野菜と牛肉を使うことが多いのですが、牛肉を肉団子やソーセージで代用することもあるそうです。
トムヤムクン
トムヤムクンはタイ発祥のスープで、「トム」には「煮る」、「ヤム」には「混ぜる」、「クン」には「海老」という意味があります。かんきつ類の酸味と唐辛子の辛味が効いたスープに、ハーブやスパイスでアクセントをつけた味わいが特徴です。
トムヤムクンに使うハーブは、かんきつ類のようなさわやかな香りのバイマックルーやレモンに似た香りのレモングラス、生姜のような刺激のある香りのガランガルなどがあります。トッピングにパクチーを散らすことはよく知られていますよね。
タイでは「トムヤム」と呼ばれ、こってりとした味わいとさっぱりとした味わい、2種類のトムヤムがあるそうです。こってりとしたものは「トムヤム・ナムコン」。「ナムコン」は「濃い水」という意味で、ココナッツミルクやエバミルクを加えたクリーミーな味わいが、子どもや日本人などの外国人に人気があります。ココナッツミルクの産地に近い、タイの中央部や南部でよく食べられているようです。
さっぱりとした味わいのものは「トムヤム・ナムサイ」。「ナムサイ」には「澄んだ水」という意味があり、すっきりとした酸味と辛味が特徴です。ココナッツミルクは使用せず、ハーブの香味や素材の味をストレートに味わえます。タイの北部や北東部でよく食べられているそうです。
ブイヤベース
ブイヤベースは、フランスの地中海沿岸地域にあるマルセイユの代表的な料理です。もともとは、漁師が商品にならなかった魚を大鍋に入れて塩で味つけをしただけの、いわゆる漁師めしでした。17世紀になりフランスにトマトが伝来すると、トマトも一緒に煮込むようになったそうです。
ブイヤベースの材料は、ニンニクやセロリ、玉ねぎなどの香味野菜とトマトペースト、魚介類です。味つけや香りづけには、塩こしょうとサフランやフェンネルなどを使います。具材については、マルセイユ市が定める「ブイヤベース憲章」というものがあり、その内容が細かく決められています。例えば、「魚介類はカサゴやホウボウなど地中海沿岸の岩礁に生息するものから4種類以上」や「鯛やムール貝、タコ、イカは入れない」など。
フカヒレスープ
フカヒレスープは、中華料理の高級食材であるフカヒレを使ったスープで、旨味たっぷりのスープがよく絡んだフカヒレの食感を楽しめます。フカヒレは、サメの手ビレや背ビレ、尾ビレから皮や肉を取り除き、繊維の部分を取り出したもので、サメ本体の約0.5~1%しか取れないそうです。
中国の食材というイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実は日本はフカヒレの生産国として有名で、17世紀から19世紀の中国では、日本からの輸入に頼っていたそうですよ。
そのほかの世界のスープ
これまでにご紹介した4種類以外にも、世界にはおいしいスープがたくさんあります。以下でいくつかをご紹介するので、チェックしてみましょう。
ポトフ
ポトフはフランスの家庭料理で、かたまり肉とじゃがいもや玉ねぎなどの野菜を大きめに切って煮込みます。「pot(ポッ)」には「鍋」、「feu(フー)」には「火」という意味があるそうです。素朴な味わいで、具材のおいしさを楽しめます。
ミネストローネ
ミネストローネは、野菜や豆などの具材をたくさん使ったイタリアのスープです。ミネストローネとはイタリア語で「具だくさん」や「ごちゃまぜ」という意味。イタリアの芸術家であるレオナルド・ダ・ヴィンチもミネストローネが好物だったとか。ただ、その当時はまだヨーロッパでトマトを食べる文化がなかったため、トマトを使わない「ミネストラ」というスープだったそうです。
イタリアの中でも地域によって作り方が異なり、お米を加えて煮たミラノ風、バジルペーストを加えたジェノヴァ風などがあります。
ガスパチョ
暑い気候であるスペインのアンダルシア地方発祥の冷製スープです。トマトやキュウリ、玉ねぎ、ニンニクなどの野菜やパンをミキサーにかけてペースト状にしたもので、スムージーのようなのどごしがあります。ガスパチョというと赤いスープをイメージする方が多いかもしれませんが、トマトを使わない白いガスパチョもあるんですよ。
クラムチャウダー
アサリやハマグリなどの貝類と野菜をふんだんに使ったアメリカのスープです。「クラム」は「二枚貝」、「チャウダー」は「大鍋」を意味します。日本で食べるクラムチャウダーはクリーム仕立ての白い色をしていますが、これはニューイングランド風のクラムチャウダー。ほかにも、トマトを使った赤いスープのマンハッタン風、澄んだスープのロードアイランド風などがあるそうです。
参鶏湯(サムゲタン)
参鶏湯は、若鶏のお腹の中にもち米やニンニク、高麗人参などを入れて煮込んだスープ。ホロホロの鶏肉と、旨味たっぷりのやさしい味わいのスープが特徴です。韓国では、暑い夏を乗り切ることや、邪気を払うという願いが込められたメニューなのだとか。
スープのレシピをご紹介!
ここからは、おうちで作れるスープのレシピをご紹介します。魚介の旨味たっぷりのブイヤベースや、おうちにある野菜で作れるポトフなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
ビーツ入りの簡単ボルシチ
ビーツの赤色が目をひく、ボルシチのご紹介です。今回は下ごしらえ済みのビーツを使ったので、ほかの野菜と同じように千切りして手軽にお作りいただけます。野菜の甘みが引き立ち、とってもおいしいですよ。
トムヤムペーストで作る トムヤムクン
トムヤムペーストでお手軽!トムヤムクンを作ってみましょう。酸っぱくて辛いスープに、ココナッツミルクでまろやかさがプラスされて、どんどん食べ進められるおいしさですよ。お好みの具材を加えてアレンジするのもおすすめです。
お家で本格ブイヤベース
魚介の旨味たっぷり!ブイヤベースはいかがでしょうか。大ぶりの魚介類を使うと食べごたえがあり、見た目もとっても豪華に仕上がるので、おもてなしにもおすすめですよ。今回はタラを使いましたが、タイや金目鯛で代用してもおいしくお作りいただけます。
※こちらのレシピは白ワインを使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
フカヒレスープ
体も心も温まる、フカヒレスープをご紹介します。とろりとしたやさしい味わいのスープに、ふかひれやタケノコの食感がアクセントとなりとってもおいしいですよ。おもてなしにもぴったりなので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は、卵の生食を避けてください。
ごろっと野菜のポトフ
ホッとするおいしさ!「ごろっと野菜のポトフ」はいかがでしょうか。味つけはとってもシンプルですが、野菜の甘みとウインナーの旨味が溶け出したスープは絶品ですよ。おうちにある野菜で作れるので、ぜひお試しくださいね。
ケチャップで お手軽ミネストローネ
具だくさんのお手軽ミネストローネを作ってみましょう。野菜やベーコンを炒めてから、水と調味料を加えて煮るだけなので、料理初心者の方でも簡単にお作りいただけますよ。おうちにある野菜を加えてアレンジすることもできるので、ぜひ作ってみてくださいね。
冷やしておいしい トマトのガスパチョ
朝食にもおすすめ!トマトのガスパチョはいかがでしょうか。なめらかなのどごしの冷たいスープは、そのまま飲むのはもちろん、パスタのソースにしてもとってもおいしいですよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
濃厚クラムチャウダー
濃厚な貝の旨味がたまらない!クラムチャウダーをご紹介します。ホンビノス貝はハマグリとよく似ている貝で、香りが強く食べごたえのある身が特徴です。アサリやハマグリでもお作りいただけるので、ぜひお試しくださいね。
手羽元でお手軽サムゲタン風スープ
手羽元を使った、お手軽サムゲタン風スープのご紹介です。手羽元をじっくり煮込むことで、旨味がスープに溶け出しとってもおいしいですよ。今晩のおかずにいかがでしょうか。
ミキサー不使用のビシソワーズ
クリーミーな味わいがやみつき!ビシソワーズを作ってみましょう。やわらかく煮込んだ野菜を濾すことで、なめらかな食感に仕上がりますよ。よく冷やして食べるのがおすすめです。
おうちでいろいろなスープを作ってみよう!
今回は、世界三大スープや世界のいろいろなスープについて解説しました。具材や調味料などが異なるバラエティ豊かなスープがたくさんありましたね。おうちで簡単に作れるレシピもご紹介したので、それぞれの国に思いを馳せながら味わってみるのもおすすめですよ。
クラシルでは、スープのレシピをほかにもたくさんご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。