ラーメンの具材としておなじみの「シナチク」。 最近ではその名称が使われることはほとんどなく「メンマ」と呼ばれるのが一般的です。今回は、タケノコとの違いやメンマと呼ばれる理由など、シナチクの特徴や製造方法について解説します。ぜひチェックしてみてくださいね!
シナチクってメンマ?タケノコとは違うの?特徴やおすすめの食べ方も
- 目次
- シナチクとは?
- 麻竹とは
- シナチクの製造方法
- シナチクはなぜ「メンマ」と呼ばれるようになったの?
- シナチクはタケノコと違うの?
- 品種の違い
- 成長の度合いの違い
- 食感の違い
シナチクとは?
シナチクとはタケノコの一種である麻竹を蒸して発酵させ、味つけした台湾発祥の加工品です。繊維が多く、シャキシャキとした食感が特徴で、特有の香りと甘み、酸味があります。
日本では明治時代から食べられており、ラーメンや中華そばのトッピングとして使われることが多い食材です。台湾や中国から輸入されるものがほとんどですが、一部は国内でも製造されています。ラーメンの上にシナチクをのせるのは日本独自の食べ方で、中国や台湾などでは炒めものの具材やおつまみとして食べることが一般的なのだとか。
麻竹とは
シナチクの原材料である「麻竹」はミャンマー原産の植物で、イネ目イネ科マチク属に属しています。世界で竹は3000種類ほどありますが、そのうち食用になるのは300種ほどです。その中でもシナチク作りに向いているのはこの麻竹だけ。麻竹には発酵の際に欠かせない糖分が多く含まれているというのがその理由です。
麻竹の生産は、亜熱帯地域の中国南部の福建省や広東省、台湾が中心。日本でも麻竹を育てる試みがされたことがありましたが、生育環境の違いによりうまくいかなかったという歴史があります。
シナチクの製造方法
シナチクができあがるまでには、かなりの時間と手間が必要です。まず、下ごしらえした麻竹を蒸したりゆでたりしてアク抜きをします。その後、約1か月程度かけてじっくりと自然発酵させ、発酵し終わったら3~4日ほど天日干しをし、また水で戻してゆでて、常温に戻るまで寝かせます。この、ゆでて常温に戻す、という作業を何度も繰り返して、ようやくできあがりです。できあがったシナチクは一定の大きさにカットし形成したら、梱包して出荷されます。
最近では2週間程度の発酵で出荷する半発酵品タイプが増えていますが、完全に発酵したものは見た目が美しく、ほのかな酸味と甘みがある特有の風味をより感じることができます。
シナチクはなぜ「メンマ」と呼ばれるようになったの?
冒頭でもお伝えしたように、現在日本ではシナチクよりも「メンマ」と呼ばれることがほとんどです。
シナチクというのは、「支那(シナ)」と「麻竹」が合わさった言葉です。第二次世界大戦前後の日本では、中国のことを「支那(シナ)」と呼んでいました。その支那で採れた麻竹なので、シナチクと名付けられたそうです。シナチクには中国の竹という意味があったということですね。
一方メンマは、ラーメンなどの「メン」と麻竹の「マ」を合わせてできた単語。 もともとシナチクと呼ばれていましたが、戦後、中国政府から「支那」という呼び方への抗議があり、名前を改めることになったそうです。
上記の理由から、最近ではシナチクよりもメンマと呼ばれることのほうが一般的になっています。
シナチクはタケノコと違うの?
タケノコとは本来「竹の子ども」という意味で、イネ科の竹の新芽を指しています。つまり、日本で出回っている生や水煮のタケノコも、麻竹を加工して作られるシナチクも、竹の新芽であるタケノコの一種ということになります。
しかし、シナチクの原料となる麻竹と日本で食べられているタケノコとは、品種や成長の度合い、味わいなどに違いがあるようです。それぞれの特徴と違いについて、確認してみましょう。
品種の違い
前述のとおり、シナチクに使われているタケノコは、基本的に「麻竹」という品種に限られます。一方、日本で売られている生のタケノコは「孟宗竹(もうそうちく)」という品種が一般的ですが、そのほかにも食用として、淡竹や真竹、寒山竹、根曲がり竹などさまざまな品種があります。そもそも麻竹とタケノコでは品種が異なるのです。
成長の度合いの違い
シナチクに使われる麻竹は、1メートル程度に成長した状態のものを夏から秋にかけて収穫します。日本で食べられているタケノコは、芽を出したばかりの状態の20~30cm程度に成長したもので、3~4月の春の時期に収穫されます。
食感の違い
シナチクは発酵させる過程で、シャキシャキとした特有の食感が生まれます。一方、日本で食べられるタケノコは、生や水煮などの状態で売られていることがほとんど。やわらかく、ジューシーな食感が特徴です。
こんな使い方あったんだ!おすすめシナチク(メンマ) レシピ
シナチクの特徴や製造過程などを知ったところで、ここからはシナチクを使った主食やおつまみのレシピをご紹介します。シナチクはラーメンの具材以外にも、いろいろな料理に使うことができるんですよ!シナチクの新たな味わいが発見できるかもしれません。ぜひチェックしてみてくださいね。
さっと一品 メンマともやしの和え物
メンマにツナやもやしを加えて和えた中華風おつまみのレシピです。メンマの酸味と塩気がシャキシャキ食感のもやしと好相性!ツナやごま油を加えて、コクもプラスしました。おつまみにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。
お手軽絶品 濃厚つけ麺
手作りのつけ汁がおいしい濃厚つけ麺を作ってみませんか?ラーメンの定番メンマはつけ麺のトッピングにもぴったり!シャキシャキとした食感と特有の風味で、ほかの具材に負けない存在感です。そのまま食べても、つけ汁に浸して食べてもおいしいですよ。
メンマの入った中華風雑煮
お正月の定番、お雑煮にメンマを入れた変わり種レシピです。鶏のだしが効いたすっきりとした味わいのスープに、メンマの味わいと食感がよいアクセントになっています。いつもとひと味違うお雑煮を食べたくなったら、ぜひこのレシピをお試しくださいね。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
焼肉のたれで味付け マグロとメンマのユッケ
簡単に作れるマグロとメンマのユッケをご紹介します。ちょっと意外な組み合わせですが、メンマの風味がマグロや卵黄とよく合いますよ。千切りにしたミョウガが爽やかに効いた、お酒が進む一品です。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は、卵の生食を避けてください。
味付けメンマがきいている!鶏チャーハン
余ってしまったメンマを消費したいときは、こちらのレシピがおすすめ!刻んだメンマと鶏肉、小松菜などの野菜で作る旨みたっぷりの鶏チャーハンです。しっかり味つけされているメンマを使うので簡単に味が決まりますよ!メンマのシャキシャキ食感がクセになる一品です。
<番外編>タケノコで作れる簡単メンマレシピ
本格的なメンマは発酵させるなど手間がかかりますが、タケノコの水煮を使えばおうちでも手軽にメンマ風の一品を作ることができますよ!
タケノコの水煮を使って手軽に作れる、お手軽おつまみのレシピです。カットしたタケノコをしょうゆベースの甘辛いタレで煮込んで、仕上げにピリ辛のラー油を加えて、メンマ風に仕上げました。一般的なメンマよりもジューシーでやわらかい食感で、箸が止まらなくなること間違いなし!ぜひ試してみてくださいね。
いろいろな活用方法があるシナチク
いかがでしたか?今回はシナチクの特徴や製造方法に加え、メンマと呼ばれる理由、さらにタケノコとの違いについてご紹介しました。メンマという名前が使われるようになった歴史的な背景も興味深いですね。
シナチクはラーメン以外にも、チャーハンやお雑煮の具材、おつまみなどいろいろな活用方法があります。今回ご紹介したレシピを参考にしていただき、新たな食べ方にチャレンジしてみてくださいね。