最終更新日 2023.11.16

「三日とろろ」とは?お正月に食べる理由や作り方を解説!

「三日とろろ」とは?お正月に食べる理由や作り方を解説!

地域や家庭によってお正月の風習はさまざまですが、「三日とろろ」は知っていますか?この記事では、三日とろろの意味や作り方、そのほかのお正月の食べ物について解説します。記事の後半の、ごはんによく合う卵黄とろろ汁や、食欲をそそる味わいの梅とろろの出汁茶漬けなど、とろろを使った料理のレシピも必見ですよ。

  • 目次
  • 三日とろろとは?
  • 三日とろろの作り方や食べ方は?
  • お正月に食べる料理といえば?
  • 田作り
  • 黒豆
  • 数の子
  • 七草粥
  • 紅白なます

三日とろろとは?

三日とろろとは、お正月の3日目である1月3日に、長芋や自然薯をすりおろしたとろろ汁やとろろごはんを食べる風習のことです。全国的にみられる風習ではなく、主に北関東や東北、中部地方などで行われているので、知らない方も多いかもしれません。

とろろは古くから滋養強壮によいとされていたため、その年の健康を願って食べるそうです。また、とろろが長く伸びる様子が長寿を連想させ縁起がよいという理由もあるのだとか。これを正月の3日目に食べることにも意味があります。とろろには消化を助ける酵素や整腸作用があるため、お正月のごちそうやお酒で疲れた胃腸をいたわるという目的です。

ちなみに、とろろの材料となる自然薯や長芋、山芋にはどのような違いがあるかご存じですか?自然薯は日本原産の品種で、粘り気が強いのが特徴。長芋は中国から伝わってきた品種で、自然薯に比べて水分が多いのが特徴です。そして、自然薯や長芋はヤマノイモ科の植物ですが、これらを総称して山芋と呼びます。

三日とろろの作り方や食べ方は?

三日とろろの作り方や食べ方は、地域によって違いがあります。とろろをごはんにかけてとろろごはん、すまし汁などの汁物に入れてとろろ汁、おそばに入れるとろろそばなど。

地域によっては、元日や2日、それ以外の日に食べることもあるようです。また、食べるだけではなく、無病息災を願って家の前にまく風習があったり、白い物を食べないという風習にならい、とろろにごまを入れて食べたりしたのだとか。

山芋は、切ったり皮をむいたりすると、山芋に含まれるポリフェノールが酸化して変色することがあります。真っ白できれいなとろろを作るためには、皮をむいた山芋を酢水に浸けるといいですよ。アク抜きや、手がかゆくなるのを軽減させる効果もあります。

お正月に食べる料理といえば?

お正月は、普段と違う料理が食卓に並ぶことが多くなりますよね。ここでは、お正月に食べる風習のある料理をご紹介します。

田作り

田作りは、カタクチイワシの稚魚を乾燥させた「ごまめ」で作ります。ごまめは漢字では「五万米」と書き、豊作を祈願する意味があります。また、昔は田んぼの肥料にしたこともあったことから田作りと呼ばれるようになったそうです。稚魚がたくさんいる様子から、子孫繁栄の縁起も担いでいるともいわれています。

黒豆

黒豆には、「まめに暮らせるように」という願いが込められています。地域によっても作り方が異なり、関東では「しわが寄るまで長生きするように」という願いを込めて、あえてしわが寄るように黒豆を煮る一方、関西ではしわがないことが不老長寿の象徴だと考え、ふっくらとつややかに仕上げるそうです。

数の子

数の子は、ニシンの卵巣です。たくさんの卵がある様子から、子孫繁栄の願いがかけられています。また、ニシンを「二親」と書き、「二親健在」を祝って食べられるとも。関東では、田作りと黒豆、数の子を祝い肴三種と呼び、おせち料理には欠かせないメニューとなっています。

七草粥

七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロのこと。これらが早春から芽吹く様子から、邪気を払うといわれていて、無病息災を願って七草粥を食べるようになりました。また、お正月の豪華な食事で疲れた胃腸を休めるため、七草をお粥に入れて1月7日に食べる風習が広まったそうです。

紅白なます

千切りした人参の赤色と大根の白色が、お祝いの水引きを連想させる料理。家族の平和という願いが込められています。

きんとん

きんとんは漢字で「金団」と書きます。色も黄金色をしているので、「お金がたまるように」と祈願して食べられるようになりました。栗やさつまいもを材料としますが、よりきれいな黄色に発色するクチナシを使う場合もあります。

昆布巻き

「養老昆布(よろこぶ)」の語呂合わせから、「喜ぶ」や「不老長寿」の意味があります。中に入れる魚に「ニシン(二親)」を使い、子孫繁栄の願いも込める場合もあるそうです。

お雑煮

お雑煮の味つけや具材は地域によって異なりますが、お餅が入っていることだけは共通しています。お餅は古くから、お祝いごとや特別な日に食べるものでした。お雑煮が生まれたのは平安時代だといわれていて、お供え物のお餅と里芋や人参などと煮込み、元旦に食べたのが始まりなのだとか。いろいろな具材を合わせて煮たことから「煮雑ぜ(にまぜ)」と呼ばれ、それが名前の由来になっているそうです。

とろろ料理のレシピをご紹介!

ここからは、とろろを使ったおすすめレシピをご紹介します。さっぱりといただける梅とろろの出汁茶漬けや、めんつゆを使って簡単に作れるとろろ汁など、バリエーション豊かにピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

素朴な味わい 長芋のとろろごはん

ごはんがどんどん進む味!長芋のとろろごはんをご紹介します。みそを使ったやさしい味わいのとろろがクセになる一品です。食感のアクセントに角切りにした長芋を加えるのもおすすめですよ。ぜひお試しくださいね。

たまごとろろごはん

パパっと作れる、たまごとろろごはんはいかがでしょうか。すりおろした長芋に、卵黄と白だし、薄口しょうゆを加えるだけなのでとってもお手軽!時間がない日の朝ごはんにもおすすめです。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

梅とろろの出汁茶漬け

さっぱりとした味わいの、梅とろろの出汁茶漬けを作ってみましょう。さらさらとのど越しがよく、どんどん食べ進められるおいしさ!お酒のシメの一品にもぴったりです。わさびを添えて食べてみるものおすすめですよ。

お味噌のとろろごはん

まろやかな旨味がたまらない、お味噌のとろろごはんのご紹介です。とろろごはんは、しょうゆで味をつけることが多いかもしれませんが、今回はみそで味つけをしました。コクのある味わいと、鼻に抜ける青のりの香りがアクセントとなり、とってもおいしいですよ。

めんつゆで簡単 とろろ汁

つるつるっと止まらないおいしさ!とろろ汁を作ってみましょう。味つけはめんつゆだけなのでとっても簡単です。すり鉢で作ったとろろのなめらかな食感は、おろし金で作ったときとはまた違ったおいしさですよ。ぜひお試しくださいね。

卵黄のとろろ汁

ごはんによく合う、卵黄のとろろ汁はいかがでしょうか。なめらかな食感のとろろにほどよい塩気、コクのある卵黄が相性抜群でどんどん食べ進められるおいしさですよ。朝ごはんにもおすすめの一品です。

お正月の行事食!三日とろろを知って、とろろを食卓に取り入れてみよう

今回は、三日とろろや、そのほかのお正月の料理について解説しました。とろろを使った料理は、ササッと作れてつるつるっと食べられるので、忙しいときのためにレシピのレパートリーを増やしておくと便利ですよ。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ作ってみてくださいね。

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