スイーツ作りにもおかず作りにも大活躍の「さつまいも」。さつまいもの中にもいろいろな品種があり、それぞれ違ったおいしさを楽しめますよね。この記事では、さつまいもの品種ごとの味や特徴について解説します。記事の後半では、安納芋のおすすめの食べ方をピックアップしたレシピもご紹介します!ぜひ最後までご覧くださいね。
さつまいもの種類別の特徴が知りたい!品種による違いについて解説!
- 目次
- さつまいもはどんな野菜?
- さつまいもの歴史
- さつまいもの品種【ホクホク系】
- ベニアズマ
- さつまいもの品種【しっとり系】
- シルクスイート
- 高系14号
- クイックスイート
さつまいもはどんな野菜?
甘くてホクホクとした食感が魅力の「さつまいも」。和名では「甘藷(かんしょ)」、英語では「sweet potato」と呼ばれています。ヒルガオ科サツマイモ属の植物で、私たちが食べているさつまいもは、根の部分が肥大したものです。生育に適した気温は20~30℃とあたたかい気候を好むため、日本では北関東より南の地域で多く栽培されています。
さつまいもは、10~1月頃に食べ頃を迎える秋の味覚の一つでもあります。ただし、実際に収穫される時期は8~11月頃。収穫されたばかりのさつまいもは水分を多く含んでいて甘みが少ないため、2~3か月ほど貯蔵することで水分が抜けて甘みが増し、秋にちょうど食べ頃を迎えるのです。
8~11月頃に収穫されるさつまいもですが、苗の植え付けは5月頃に行い、約5か月かけて育てます。おいしい野菜を収穫するためには肥料をたっぷり与えて育てる方がいいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、さつまいもの場合は違います。肥沃な土で育てると「つるボケ」といい、つるばかりが伸びてさつまいもの生育が悪くなってしまうのだとか。そのため、肥料は最小限にして、さつまいもが好む通気性のよい乾燥した土で育てると、おいしいさつまいもが収穫できるそうですよ。
さつまいもの歴史
世界でさつまいもの栽培が始まったのは紀元前1万年~8000年前、原産国は中南米だといわれています。どこの国が起源なのかは諸説ありますが、最近のDNA解析によって、ペルーが起源だとする説と、メキシコが起源だとする説の2つに絞られているそうです。
中南米から3つのルートで世界中に広まっていったといわれています。一つ目が16世紀にコロンブスが南米からヨーロッパに持ち込んだことで、アフリカやインド、アジアへと広まったルート、二つ目がメキシコからスペイン人がハワイやフィリピンに持ち込んだことで、東南アジアへと広まったルート、そして三つ目としてマルケサス諸島を中継して東南アジア、ハワイ諸島、ニュージーランドなど、太平洋一体に広まったとするルートがあるとされています。
日本に伝わってきたのは1600年頃のことです。まず、中国から今の沖縄県である琉球に伝わりました。そこから今の鹿児島県である薩摩に伝わり、それがさつまいもの語源ともなっています。薩摩から全国に広まる過程には何人もの人が関わっていますが、特に蘭学者の青木昆陽が関東へと広めた影響が大きかったといわれています。
さつまいもの品種【ホクホク系】
さつまいもの品種は、なんと60種類以上もあるんですよ。味や食感もさまざまですが、大きく分けると「ホクホク系」「しっとり系」「ねっとり系」に分けられます。また、紫色やオレンジ色など、珍しい色合いの品種も。
以下で、それぞれのタイプのさつまいもの品種の特徴について解説します。まずはホクホク系の品種から見てみましょう。
しっとり系やねっとり系のさつまいもが流行する前は、このホクホク系のさつまいもがほとんどでした。粉質でホクホクとした食感、やさしい甘みが魅力です。焼き芋はもちろん、天ぷらや炒め物、サラダなどによく合います。
ベニアズマ
ベニアズマは、関東では流通量が一番多い品種です。加熱すると甘みが増すので焼き芋にするととってもおいしいのですが、天ぷらや煮物などほかの料理にもよく使われます。
さつまいもの品種【しっとり系】
ホクホク系とねっとり系の中間くらいの食感をもっているのがしっとり系です。甘さもホクホク系とねっとり系の中間ぐらいで、お菓子作りにもおかずにも、幅広く使えます。
シルクスイート
2012年ころから販売されるようになった比較的新しい品種で、名前の通り絹のようになめらかな食感があり、甘みも強いのが特徴。スイーツのような口溶けで、焼き芋やふかし芋にぴったりです。
※『シルクスイート』は「カネコ種苗株式会社」の登録商標又は商標です。
高系14号
西日本で多く栽培されている品種で、各県でオリジナルブランドも開発されています。例えば、鹿児島県の「紅さつま」、宮崎県の「宮崎紅」、徳島県の「なると金時」など。ホクホク感やねっとり感も感じられるバランスのよい味わいです。
※『なると金時』は「全国農業協同組合連合会」の登録商標又は商標です。
クイックスイート
クイックスイートは、デンプンの糊化温度がほかの多くのさつまいもに比べて20℃ほど低く、短い加熱時間で調理できるのが特徴です。さつまいもはじっくり加熱すると甘みが増しておいしくなるといわれていますが、クイックスイートは電子レンジで加熱しても甘い焼き芋が作れます。
さつまいもの品種【ねっとり系】
近年人気となっているのがねっとり系のさつまいも。水分を多く含んだ粘り気のある口当たりと、強い甘みがあります。焼き芋や干し芋、お菓子作りにピッタリの品種です。
安納芋
蜜のような濃厚な甘みとねっとりとした食感で、芋自体がスイーツのようです。焼き芋にして食べるのが人気。果肉はオレンジ色をしています。
べにはるか
安納芋と同様に甘みが強いのですが、安納芋に比べるとねっとりとした食感の中にホクホクとした食感もあるのが特徴です。形が美しく、焼き芋にしたときの見栄えがよいのも魅力。べにはるかから派生したオリジナルブランドとして、大分県の「甘太くん」、茨城県の「紅天使」などもあります。
紫・オレンジなど色に特徴のある品種
さつまいもの果肉の色には、黄色以外にも紫色やオレンジ色、白色などがあります。紫色はポリフェノールの一種であるアントシアニン、オレンジ色はβカロテンの影響を受けており、白色なのはデンプンの含有量が多いためです。白色のさつまいもは主に芋焼酎や春雨など、加工用に栽培され、そのデンプンが利用されています。以下で紫色とオレンジ色のさつまいもの品種をご紹介します。
パープルスイートロード(紫色)
ホクホクとした食感とやさしい甘さがあります。紫芋は甘さが控えめのものが多いのですが、パープルスイートロードはその中では甘さが強めの品種です。さつまいもの色を活かしたスイーツなどに使うと、華やかな仕上がりになりますよ。
アヤコマチ(オレンジ色)
皮は一般的なさつまいもと似た色をしていますが、果肉は一見するとかぼちゃのようなオレンジ色をしています。サラダやスイーツなど、目をひくオレンジ色を活かせる料理に使うのがおすすめです。
安納芋を使ったおすすめレシピをご紹介!
さて、さつまいもの品種についてご紹介しましたが、その中でも今回は、安納芋を使ったおすすめレシピをご紹介します。安納芋の濃厚な甘さを活かした炊き込みごはんや、オーブンで簡単に作れる安納芋プリンなど、バラエティ豊かにピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
安納芋の炊き込みご飯
安納芋の濃厚な甘みを活かした炊き込みごはんを作ってみましょう。調味料は塩と料理酒だけ!シンプルな味つけが安納芋のおいしさを引き立てます。材料を炊飯器に入れて炊くだけのでとっても簡単ですよ。
安納芋のスイートポテト
しっとりとした食感の、安納芋のスイートポテトをご紹介します。口の中に安納芋の甘味が広がり、とってもおいしいですよ。秋のおやつに、ぜひ作ってみてくださいね。
スティックチョコ干し芋
ひと手間プラス!スティックチョコ干し芋はいかがでしょうか。意外な組み合わせですが、干し芋のやさしい甘さとチョコレートの甘さが相性抜群で、手が止まらないおいしさですよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
しっとり食感 冷やし焼き芋
しっとりとした食感がたまらない!冷やし焼き芋のご紹介です。安納芋をオーブンで焼いたあと冷蔵庫で冷やすだけなのですが、まるでスイーツのような味わいですよ。ホカホカの焼き芋とはまた違ったおいしさを楽しめます。ぜひお試しくださいね。
オーブンで簡単 干し芋の作り方
おうちで手作り!干し芋はいかがでしょうか。蒸し器で蒸した安納芋を薄切りにし、オーブンで加熱しました。安納芋の甘さと旨味が凝縮した自然のおいしさで、子どものおやつにもぴったりですよ。
オーブンで安納芋プリン
濃厚な味わいの、安納芋プリンを作ってみましょう。安納芋の甘さと生クリームのまろやかさがよく合い、とってもおいしいですよ。加熱した安納芋と牛乳や卵をフードプロセッサーで撹拌して作るのでとっても簡単!ぜひ作ってみてくださいね。
ミックスナッツ入り 安納芋のスイートポテト
クセになるおいしさ!「ミックスナッツ入り安納芋のスイートポテト」のご紹介です。ねっとりとした安納芋の食感を活かしたスイートポテトに、ナッツの食感と香ばしさがいいアクセントとなっています。コロコロと一口大に丸めた見た目もとってもかわいく、おもてなしのおやつにもおすすめですよ。
安納芋のタルト
とってもおしゃれな、安納芋のタルトはいかがでしょうか。タルトのサクサク食感と、カスタードクリームと安納芋ペーストのなめらかな食感が相性抜群!少し手間はかかりますが、電子レンジで作れて難しい工程はないので、お菓子作り初心者の方もぜひ挑戦してみてくださいね。
安納芋のサンドイッチ
甘くてほっこりする味わいの「安納芋のサンドイッチ」は、朝ごはんにもおすすめです。電子レンジで加熱してざっくりとつぶした安納芋と、ふんわりとしたホイップクリームを食パンに挟みました。安納芋のねっとりとした食感がまるでジャムのようにパンによく合い、何度でも食べたくなるおいしさですよ。
品種によってさまざまなおいしさ!さつまいもを料理してみよう
今回は、さつまいもの歴史や品種による味の違いについて解説しました。さつまいもの甘さと食感を活かした料理は、とってもやさしい味わいで心が安らぎますよね。今回ご紹介したレシピを参考に、おやつやおかずにぜひ取り入れてみてくださいね。
クラシルでは、さつまいもを使ったレシピや保存方法をご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。