いろいろなおかずが詰まった「幕の内弁当」はお弁当の定番ですよね。この記事では幕の内弁当の名前の意味や特徴、よく間違えられやすい松花堂弁当との違いなどを解説します。記事後半では、鰆の西京焼きや味しみしみでおいしいがめ煮など、幕の内弁当のおかずにぴったりの絶品レシピもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「幕の内」ってどういう由来?松花堂弁当との違いも解説!
- 目次
- 幕の内弁当とは
- 幕の内弁当の由来
- 幕の内弁当の特徴
- 松花堂弁当とは
- 松花堂弁当の由来
- 松花堂弁当の特徴
- 幕の内弁当と松花堂弁当の違い
- 幕の内弁当のおかずにおすすめの絶品レシピ
幕の内弁当とは
幕の内弁当とは俵型のおにぎりと、数種類のおかずを詰め合わせた弁当のこと。最も一般的なお弁当のひとつであり、たくさんのおかずが少しずつ入っていて豪華なので、幅広い世代から愛されています。
幕の内弁当の由来
幕の内弁当の名前の由来にはさまざまな説があります。戦場の陣営の幕内で食べていた野戦弁当が始まりだという説や、芝居見物の際に幕間に食べていた、あるいは役者たちが舞台裏(幕の内)で食べていたのが由来だという説などが有力です。芝居文化が栄えた江戸時代後期には、すでに現在の幕の内弁当のような形になっていました。当時は貴重だった魚料理やかまぼこ、卵焼きなどが詰まった、夢のようなお弁当として大変人気だったそうです。
幕の内弁当の特徴
一般的な幕の内弁当のごはんは、白米に黒ごまを散らし、梅干しがのっています。本来は俵型のおにぎりでしたが、最近では俵型に型押しされているものがほとんどです。のりや佃煮などをのせることもあります。炊き込みごはんや混ぜごはんは幕の内弁当に分類されない場合も。
おかずは汁気のないものを数種類、少しずつ詰め合わせます。焼き魚や卵焼き、煮物や揚げ物、かまぼこ、漬物などが代表的です。ハンバーグやエビフライなど洋風のおかずが入っていることも少なくありません。最近では野菜のおかずを増やすなど、バランスのよい幕の内弁当も増えてきています。
松花堂弁当とは
松花堂弁当とは、内側を十字に仕切った松花堂という名前の弁当箱に入った仕出し弁当のこと。略式の懐石料理として料亭で楽しむこともでき、格式の高い行事や特別なお客様へのおもてなしとして用いられることもあります。
松花堂弁当の由来
松花堂弁当は江戸時代初期の文化人、松花堂昭乗に由来しているようです。彼は当時の農民が使っていた入れ物をヒントに十字の仕切りがある器を作りました。昭和時代に吉兆の創始者である湯木貞一がその器を改良して茶懐石の弁当に使いはじめたことが、松花堂弁当という名前の由来になっています。
松花堂弁当の特徴
松花堂弁当には刺身や煮物、焼物、ごはんなどが入っています。松花堂は十字の仕切りがある蓋がついた入れ物なので、隣の料理に味や温度などが移ることなくひとつひとつの料理を楽しむことができます。
幕の内弁当と松花堂弁当の違い
違いがわかりにくい幕の内弁当と松花堂弁当ですが、庶民の娯楽から派生して生まれた幕の内弁当と、懐石料理の流れを汲む松花堂弁当とでは実は似て非なるもの。
携帯用のお弁当として食べやすさを重視した幕の内弁当は、俵型おにぎりや汁気がないおかずなどを使用しています。一方、懐石料理を楽しむ松花堂弁当は、温かいものや冷たいもの、汁物などが含まれる場合もある、おもてなし料理のひとつです。
また、大きく違うのが盛りつけ方です。幕の内弁当は俵型のおにぎりを詰めて黒ごまを振り梅干しをのせ、汁気の少ない物から順におかずを入れます。一方、松花堂弁当は十字の枠に小鉢を入れ、味や寸法、分量、色彩などにこだわって盛り付けるのが特徴です。
幕の内弁当のおかずにおすすめの絶品レシピ
幕の内弁当の由来や特徴がわかったところでここからは、幕の内弁当のおかずにぴったりの絶品レシピをご紹介します。主菜から副菜まで定番のおかずをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
鰆の西京焼き
幕の内弁当のメインとなるおかずに鰆の西京焼きを作ってみましょう!鰆をみそ床に6時間ほどじっくり漬け込んで、ふっくらと焼きあげました。まろやかな白みその風味と甘みが食欲をそそる一品で、ごはんがどんどん進みますよ!上品な味わいに仕上がるので、ぜひ作ってみてくださいね。
タラのチーズフライ
洋風のおかずがほしいときに、タラのチーズフライはいかがでしょうか?このレシピではパン粉に粉チーズを加えた衣を使用して、風味豊かに仕上げています。ふっくらやわらかなタラとコク豊かなチーズが好相性!揚げたてはサクサク食感ですが、冷めてもおいしいですよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
カリッとジューシー!鶏の唐揚げ
みんな大好き!カリッとジューシーな鶏の唐揚げもお弁当の定番おかずですよね。鶏もも肉を生姜やニンニクの効いた醤油ダレに漬け込み、片栗粉をまぶしてカラッと揚げました。鶏ガラスープの素やごま油の風味を加えたほんのり中華風の味つけです。ボリューム満点なので、ぜひメインのおかずに加えてみてくださいね。
うま味たっぷり 鶏肉と野菜のがめ煮
旨味たっぷりの鶏肉と野菜のがめ煮のご紹介です。大きくカットした根菜類と鶏むね肉をしょうゆベースの煮汁で甘辛く煮込みました。味がしっかり染みた煮物は冷めてもおいしく、ホッとする味わいです!野菜が不足しがちな幕の内弁当に加えると、彩りもプラスできますよ。ぜひお試しくださいね。
コクうま ひじきの煮物
お弁当の箸休めにぴったり!コクうまひじきの煮物のレシピです。彩り豊かなにんじんやふっくらおいしい大豆も加えて、食べごたえ満点に仕上げました。ごま油の香ばしい風味と香りがひじきの旨味を引き立てます。甘辛い味つけがお弁当のおかずにぴったりですよ!とてもおいしいので、ぜひ召し上がってみてくださいね。
切り干し大根の煮物
幕の内弁当のおかずに切り干し大根の煮物を入れてみませんか?具材は切り干し大根とにんじん、さつま揚げの3つだけ。しょうゆベースのだし汁が染み込んだやさしい味わいのおかずです。歯ごたえのよい切り干し大根と、甘みのあるにんじん、旨味たっぷりのさつま揚げ、それぞれの素材のおいしさが味わえますよ!お弁当にも普段の副菜にもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
青のり香る卵焼き
お弁当の定番、卵焼きに青のりを加えて香り豊かに仕上げた一品です。ほんのり磯の香りがして、いつもの卵焼きとはひと味違うおいしさが楽しめます。少し甘めの味つけがお弁当にぴったりですよ!とても簡単にお作りいただけるので、ぜひ一度作ってみてくださいね。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方はしっかりと加熱し、卵の生食を避けてください。
かまぼこの飾り切り 2種
幕の内弁当定番のかまぼこの飾り切りをご紹介します。赤かまぼこを使ってうさぎをかたどった飾り切りは可愛らしくて、お子様が喜ぶこと間違いなし!もうひとつのピンクの部分をねじったかまぼこを入れればお弁当が豪華に見えますよ。いつものかまぼこがひと工夫でとても華やかになるので、ぜひお試しくださいね!
お好みのおかずでオリジナル幕の内弁当を作ろう
いかがでしたか?幕の内弁当の名前の由来や特徴、松花堂弁当との違いに加え、幕の内弁当のおかずにおすすめの絶品レシピなどをご紹介しました。数種類のおかずを少しずつ詰め合わせた幕の内弁当は作るのに手間はかかるものの、さまざまなおかずを一度に楽しめるまさに夢のようなお弁当と言えるのではないでしょうか?今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひお好みのおかずでオリジナルの幕の内弁当を作ってみてくださいね。
クラシルでは今回ご紹介したもの以外にも、お弁当のおかずにぴったりのレシピを掲載しています。そちらも合わせて参考にしてみてくださいね。
※お弁当として持ち運ぶ際は食中毒に配慮し、衛生的な環境下で調理を行ってください。持ち運びの際は保冷剤をつけて冷蔵庫やなるべく涼しい場所に保管してください。加熱の必要があるものは必ずよく火を通し、しっかりと粗熱を取り、余分な汁気は切ってからお弁当に詰めてください。