最終更新日 2023.3.30

懐石料理と会席料理の違いを知ろう!由来やマナーについても解説!

懐石料理と会席料理の違いを知ろう!由来やマナーについても解説!

「懐石」と「会席」には、どのような違いがあるのでしょうか?懐石料理の方が格式高いイメージもありますが、詳しい違いを知っている方は少ないかもしれません。そこで今回は、懐石料理と会席料理の違いをはじめ、それぞれの特徴や利用シーン、献立の内容などをご紹介します。記事後半でご紹介する、懐石料理レシピは必見です!

  • 目次
  • 懐石料理と会席料理の違いや由来とは?
  • 懐石料理
  • 会席料理
  • 献立や料理の違いは?
  • 懐石料理の献立
  • 会席料理の献立
  • 現代の懐石料理とは?
  • 懐石・会席料理を作ってみよう!おすすめレシピをご紹介!

懐石料理と会席料理の違いや由来とは?

「懐石料理」と「会席料理」は、読み方が同じなので混同されることも多いでしょう。しかし、本来懐石料理は茶会の料理のこと、会席料理は宴会料理のことを指し、どちらも室町時代に広まった「本膳料理」から発展したと言われています。まずは、これらふたつの違いや由来をご紹介します。

懐石料理

懐石料理とは、茶会で濃茶をいただく前に出される簡素な料理のことです。茶道の心である「わび・さび」を料理で表現しており「旬の食材を使う」「素材の持ち味を活かす」「心配りをもってもてなす」という三大原則があります。

懐石料理の献立は「一汁三菜」が基本であり、食事の最初に飯と汁が提供されます。茶をいただく前に空腹をしのぐための料理なので、量は控えめで味の濃いものや揚げ物、派手な飾りつけは避ける傾向にあります。また、食事中の作法は茶道の各流派によって厳しく決められており、箸の置き方や食事の順番、食べ終わるタイミングに至るまで、全て作法に従ってすすめていきます。

懐石料理の由来は、諸説ありますが修行中の禅宗が空腹や寒さをしのぐために「温めた石を懐(ふところ)に抱いた」ことです。つまり、懐石は「空腹をしのいで身体を温める程度の質素な食事」を指し、安土桃山時代に千利休がその精神を茶道に取り入れて「懐石料理」を確立したと言われています。

会席料理

「会席料理」とは、人と人が会う席で出される料理、つまりお酒と一緒に楽しむ宴会料理のことです。懐石料理と同じく一汁三菜が基本ですが、献立に細かいルールはなく、華やかな見た目で品数が多いのが特徴です。刺身や焼き物などを肴に酒を楽しむ、まさに「ハレの日」の料理といえるでしょう。また、お酒の席の料理なので作法に細かい決まりはなく、飯と汁は食事の最後に提供されます。

会席料理が現代のような形になったのは江戸時代からです。当時は連歌や俳諧の席で出される簡素な料理を「俳席料理」と呼びましたが、それが次第に豪華な宴会料理になり、後に「会席料理」と呼ばれるようになったと言われています。現代では、会席料理はお祝い事などで提供される一般的な料理形式となっています。

献立や料理の違いは?

懐石料理と会席料理では、献立や料理ににどのような違いがあるのでしょうか?内容はお店によってさまざまですが、以下でおおまかな流れを見てみましょう。

懐石料理の献立

1.折敷(おしき)・・飯、汁、向付(むこうづけ)
2.椀盛(わんもり)・澄まし汁
3.焼き物・・・・・・焼魚
4.箸洗い・・・・・・小吸い物
5.八寸・・・・・・・山海の幸の肴
6.湯桶・香の物・・・おこげに湯を注いだもの、漬物
7.主菓子・濃茶・・・和菓子、濃厚な味わいの抹茶

懐石料理は、飯、汁、向付、椀盛、焼き物までが「一汁三菜」の基本の献立です。その次に箸洗い、八寸、湯桶と続き、最後に茶会のメインである濃茶と主菓子を楽しみます。また、これに加えて「預け鉢」や「強肴(しいざかな)」という、煮物や酢の物などが出されることもあります。焼き物や八寸などは大皿に人数分が盛りつけられており、それを各自が取り分ける「取り回し」が一般的です。

会席料理の献立

1.先付け・・・・・・・・お通し、前菜
2.お凌ぎ(おしのぎ)・・一口サイズの寿司や蕎麦
3.椀物(わんもの)・・・澄まし汁
4.向付(むこうづけ)・・お造り
5.鉢肴(はちざかな)・・焼き物
6.強肴(しいざかな)・・煮物、和え物、揚げ物など
7.止め肴(とめざかな)・酢の物、和え物など
8.飯・香の物・止め椀・・飯、漬物、味噌汁
9.水菓子・甘味・・・・・果物、シャーベットなど

会席料理の献立は厳密なルールがないので、料理の品数や順番はさまざまです。これに加えて揚げ物、蒸し物、八寸などが出されることもあり、料理は一人一皿ずつ提供されるのが一般的です。また、会席料理は宴会料理なので、季節の花や野菜の飾り切りなどをあしらって見た目華やかに仕上げます。

現代の懐石料理とは?

茶道を嗜む方でない限り、本格的な懐石料理をいただく機会は少ないでしょう。実際、現代の懐石料理は「茶会のための食事」という認識は薄くなっており、時代の流れと共に「お酒を楽しむための食事」に変わってきています。そのため、茶会でいただく食事は「茶懐石」、料亭でいただく食事は「懐石料理」と呼んで区別することも多いです。つまり、懐石料理と会席料理の違いは、少し曖昧になってきているということになります。

ちなみに、より手軽に懐石料理を楽しみたい方は「松花堂弁当」がおすすめです。松花堂弁当は懐石料理をもとに作られているので、料理の配置は懐石料理の定石どおりになっています。献立も飯、向付、椀盛、焼き物、八寸など、一汁三菜を基本としており、いろいろな料理を少しずつ楽しむことができるので、興味のある方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

懐石・会席料理を作ってみよう!おすすめレシピをご紹介!

さてここからは、おうちで手軽に作れる懐石・会席料理レシピをご紹介します。先付、煮物椀、お造り、焼き物・炊き合わせ・ご飯と香の物など、幅広いレシピをピックアップしましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

寿司酢でお手軽 紅白なます

まず最初に、先付けにぴったりな紅白なますをご紹介します。味つけは寿司酢のみですが、ゆずの皮を添えると爽やかな風味がいいアクセントになりますよ。白身魚の刺身と和えると、向付にアレンジすることもできます。

ポン酢でさっぱり いんげんの梅かつお和え

シャキシャキと歯ごたえのよい、いんげんの梅かつお和えです。梅干しとポン酢、かつお節を合わせた、旨味たっぷりで酸味の効いた味わいに、ついついお箸が進みます。先付けにはもちろん、前菜の一品としてもおすすめですよ。

ささみのすまし汁

手軽に煮物椀を楽しみたいときは、鶏ささみを使うのがおすすめです。片栗粉をまぶしてから吸い物に加えると、まるでしんじょうのようにふんわりとした食感に仕上げることができますよ。普段の食事にもおすすめですので、ぜひお試しください。

えびしんじょう入り 若竹汁

懐石料理の煮物椀といえば、やはりえびしんじょう。こちらのレシピでは、若竹汁に加えて華やかな一品に仕上げました。ふわふわのえびしんじょうに、タケノコのシャキシャキとした食感がよく合う、上品な味わいをぜひお楽しみください!

タイの昆布締め

タイを昆布締めにすると、旨味がグンと増してねっとりとした食感に仕上げることができます。タイの刺身に塩をふり、昆布で挟んで冷蔵庫で3時間寝かせるだけと、作り方はとても簡単!ヒラメやスズキなど、お好みの白身魚でアレンジすることもできますよ。

メカジキの酒粕漬け焼き

ふっくらと味わい深い、メカジキの酒粕漬焼きです。酒粕や味噌で漬けたメカジキをオーブントースターで焼くだけの簡単レシピですが、その味わいは格別!酒粕がふわっと香り芳醇な旨味が広がる、お酒のおつまみにぴったりの一品です。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W200℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

こちらのレシピは酒粕を使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。

おせちやおもてなしに 野菜の炊き合わせ

野菜を別々に炊いて盛り合わせる「炊き合わせ」は、懐石料理におすすめの一品です。少し手間はかかりますが、素材の風味や色合いがグンと引き立ち、見た目華やかに仕上げることができますよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

深いコクがおいしい 赤だしの味噌汁

会席料理の汁は、赤だしの味噌汁が定番です。こちらのレシピでは、なめこと小ねぎのシンプルな具材で、赤味噌のおいしさを引き立てました。つるんっと喉越しのよい味わいは、食事のしめにぴったりですよ。

鯛と根菜の炊き込みごはん

少し贅沢な味わいが楽しめる、鯛と根菜の炊き込みごはんです。炊き込みごはんを土鍋で炊くとふっくらと仕上がるうえ、おこげも楽しむことができます。しめは土鍋にお湯を注いで、香ばしい湯桶をお試しくださいね。

簡単 梨のシャーベット

会席料理のデザートに、梨のシャーベットはいかがでしょうか。梨のシャリシャリとした食感を活かした爽やかな味わいが、口の中をさっぱりとさせてくれますよ。材料をフードプロセッサーで撹拌し、冷凍庫で冷やすだけと簡単に作ることができるのもうれしいポイントです。

※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。

懐石と会席の違いを知って楽しもう!

今回は、懐石料理と会席料理の違いをはじめ、それぞれの特徴や利用シーン、おすすめのレシピなどをご紹介しました。懐石料理は茶会のための食事、懐石料理は酒宴のための食事であり、どちらも本膳料理から発展した伝統的な日本料理です。本来の懐石料理は旬の食材を活かした質素な料理なので、興味のある方はぜひ作ってみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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