韓国の伝統料理「参鶏湯」。高麗人参やなつめ、ニンニク、生姜などを使って作られる滋味深い味わいが特徴の煮込み料理です。今回は、そんな参鶏湯にスポットを当てて解説します。参鶏湯の食べ方やマナー、さらにおすすめレシピもあわせてご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
「参鶏湯」とは?使う食材や作り方、食べ方についても解説!
- 目次
- 参鶏湯とは
- 参鶏湯の使用食材や作り方
- 使用する食材
- 作り方
- タッカンマリと参鶏湯の違いは?
- 参鶏湯の食べ方やマナーもチェック
- おうちで簡単に作れる参鶏湯風のレシピをご紹介!
- 圧力鍋を使った 手羽先のサムゲタン風
参鶏湯とは
韓国の伝統料理の一つである「参鶏湯」。丸鶏の中にもち米や高麗人参、なつめやニンニク、生姜を詰めてじっくり煮込む料理です。高麗人参やなつめなどの食材からもわかるように、薬膳料理としても知られていまする。韓国では「伏日(ボンナル)」にこの参鶏湯が食べられているようです。伏日は日本でいう「土用の丑の日」のことを指し、厳しい夏の暑さを乗り切るために食べる習慣があるのだとか。ちなみに「参鶏湯」という名前は、使用食材である高麗人参の「参」、鶏肉の「鶏」、スープを意味する「湯」から付いたと言われています。
参鶏湯の使用食材や作り方
自宅で作るにはハードルが高いイメージのある参鶏湯ですが、実は家庭でも手軽に作ることができるんです!その使用する食材や作り方を大まかにチェックしてみましょう。
使用する食材
まずは、参鶏湯の使用食材を簡単に解説します。参鶏湯に必要な材料は、鶏肉、米、高麗人参、長ねぎ、ニンニク、生姜、なつめなどの薬膳食材です。鶏肉から出る旨味が味わいの要になるので、できれば丸鶏を、難しい場合は手羽など骨付きのものを使いましょう。薬膳料理なので、高麗人参やなつめ、クコの実などのもぜひ取り入れたいですね。食材のアレンジとして、栗や銀杏をプラスするのもおすすめですよ。
作り方
ここからは参鶏湯の作り方をご紹介します。まずは、下処理です。丸鶏の余分な部分を切り落とします。脂部分などを取り除いたら、中を水で洗います。使用する野菜などの食材も適当なサイズにカットしておきましょう。
続いて、丸鶏の中に具材を詰めていきます。丸鶏の首の部分の穴を竹串で留めてふさぎ、中に米などの具材を詰め、竹串などで留めて閉じます。この際、米は詰め始めと詰め終わり部分の2回に分けて詰めます。カットした野菜は腹の中に全量を詰め込むのではなく、パンパンになり過ぎない適度な状態にして、残った野菜は鍋に直接入れて煮こみます。
ここからはいよいよ煮込みに入ります。丸鶏が入るサイズの鍋に、具材を詰めた丸鶏、野菜類すべてと水を入れて強火にかけ、煮立ったところから火加減を弱めて約1時間煮込みます。途中、浮いてきたアクや黄味を帯びた脂などは除いておきます。
煮込み終えたら、そのまま冷まして粗熱を取ります。丸鶏を鍋から取り出して縦半分にカットしたら鍋に戻し、温め直していただきましょう。食べる際は、白髪ねぎや塩・こしょうを添えるのもおすすめですよ。旨味たっぷりのやさしいスープに、やわらかくほどけるような鶏肉が絶品!使用する調味料は塩こしょうのみなので、決して濃い味つけではありませんが、鶏から出た旨味と薬膳食材から出た風味が合わさった滋味深い味わいを楽しめます。
タッカンマリと参鶏湯の違いは?
参鶏湯に似た料理に、同じく韓国の鍋料理「タッカンマリ」があります。
タッカンマリは韓国語で「鶏一羽」という意味です。丸鶏を使用して作るため、仕上がりの見た目も参鶏湯にそっくりですが、作り方や使用する食材が異なります。丸鶏の中に米や高麗人参などの野菜を入れ、煮込んで作る参鶏湯に対して、タッカンマリは鶏肉の中に何も詰めない状態で鍋に入れて煮込みます。参鶏湯は薬膳料理というイメージがありますが、タッカンマリはその名前の通り、丸鶏そのものを楽しむ日本の「鶏の水炊き」に近い鍋料理なのです。じゃがいもやねぎ、トッポキといった定番食材を加えていただきます。タッカンマリの丸鶏はハサミで切りわけて、タレやソースをつけて食べるのが一般的です。
参鶏湯の食べ方やマナーもチェック
丸鶏を使ったサムゲタンは、食べるのは難しそうなイメージがありますが、食べ方のコツはあるのでしょうか。ここでは、サムゲタンの基本的な食べ方をご紹介します。
参鶏湯の食べ方がほかの料理と異なるのは、はじめにスープだけを飲んで塩やこしょうなどで味を調えることです。ここで味の調整をしておくことで、最初から最後までおいしく参鶏湯をいただくことができます。途中でキムチやジャンなどの調味料を追加することで、味を変えることもできますよ。
続いては縦半分にカットした鶏肉をほぐしていきます。ほぐした鶏肉は必ず旨味が溶け込んだスープとともにいただきます。丸鶏を使用しているので、食べ進めていくうちに骨をどこに置いたらよいか迷ってしまうかもしれませんが、お店では骨を避けておくためのツボやお皿が用意されているので、骨はそこに避けましょう。細かくほぐした丸鶏、中に詰めた具材もスープと一緒に食べれば、食材の旨味を余すことなく堪能できますよ。
おうちで簡単に作れる参鶏湯風のレシピをご紹介!
ここからは、自宅でも簡単に作れる参鶏湯風のレシピをご紹介します。本格的な参鶏湯を作るのはちょっと気が引けるという方にも作りやすいレシピを集めてみました。ぜひチェックしてみてくださいね。
圧力鍋を使った 手羽先のサムゲタン風
本来は丸鶏を使って作る参鶏湯ですが、より気軽に作れるようにこちらのレシピでは鶏手羽先で代用しました。さらに圧力鍋を使用しているので、時短で仕上がるのもうれしいポイント!小ねぎ以外のすべての材料を圧力鍋にかけるだけで、あっという間に鶏肉もホロホロに仕上がりますよ。もち米によってとろみのついたスープはやさしい味わいで、一口食べればほっとするおいしさです。
手羽元でお手軽サムゲタン風スープ
薬膳食材などを使用して作る参鶏湯は、食材を用意するのが大変ですが、身近な食材でも十分おいしい参鶏湯を作ることができるんです!このレシピは、代わりに手羽元を使用し、もち米の代わりに米を使ってアレンジしています。味つけに鶏ガラスープの素を使用することで、旨味もプラスされますよ!手軽に参鶏湯を楽しみたいときにおすすめのレシピです。
切り餅で とろとろサムゲタン風スープ
もち米を使って作るのが一般的な参鶏湯ですが、余ってしまいがちな切り餅をもち米の代わりに使うのもおすすめです!それ以外には特別な材料も必要なく、手軽にそろうものだけでお作りいただけますよ。鶏手羽元は鶏もも肉で代用してもおいしいので、手に入りやすい食材で試してみてくださいね。
手羽元で サムゲタン風おかゆ
ごはんを使えば簡単に、参鶏湯風のおかゆを楽しむこともできますよ!スープだしにはピーナッツもプラス。やさしい味わいのおかゆに風味と食感のアクセントを添えてくれます。生米を使わなくても、参鶏湯風の一品が作れるのはうれしいですね!
サムゲタン風 お粥
鶏もも肉を使用して、より手軽に参鶏湯風のおかゆを作ってみましょう!旨味たっぷりの鶏もも肉にキリッとした生姜の風味がよく合います。シンプルな味わいなので、しっかりとした味つけのおかずと組み合わせてもおいしくいただけますよ!夜食や小腹が減ったときなどにもぜひ活用してみてくださいね。
参鶏湯はさまざまなスタイルで年中楽しめる!
今回は、韓国料理のひとつである参鶏湯についてご紹介しました。参鶏湯は、薬膳食材を使用し煮込んで作ることから冬には体を温め、夏には厳しい暑さを乗り越えるためにも食べられてきた伝統料理です。丸鶏が用意できなくても、鶏手羽元や鶏もも肉などで代用してアレンジすることもできるので、手軽に参鶏湯を楽しめますよ。ぜひ日々の献立に参鶏湯を取り入れてみてくださいね!