「アガー」という食材を耳にしたことはありますか?近年話題になった水ゼリーで一躍注目を浴びた凝固剤のひとつです。今回はそんなアガーの特徴に加え、凝固剤の定番であるゼラチンや寒天との違いを解説します。それぞれの特徴に合わせて上手に正しく使い分けましょう。
アガーとは?ゼラチンや寒天との違い、活用レシピもご紹介!
- 目次
- アガーって何?どんな特徴があるの?
- 原材料
- 特徴
- ゼラチンや寒天との違いやおすすめの用途は?
- ゼラチンの特徴
- 寒天の特徴
- アガーを使うときに気をつけるポイント
- グラニュー糖とよく混ぜてから溶かす
アガーって何?どんな特徴があるの?
まず最初にアガーとはどのようなものなのか、原材料や特徴をチェックしてみましょう。
原材料
アガーは、海藻のスギノリやツノマタといった海藻などから抽出した食物繊維である「カラギーナン」、またマメ科の種子から抽出する多糖類である「ローカストビーンガム」を原材料とした凝固剤です。
特徴
無味無臭で透明度が高いのが特徴で、食材の風味を邪魔することなく、きれいに透き通ったゼリーを作ることができます。果物など素材の色を活かしたゼリーに使うのがおすすめですよ。
食感は寒天とゼラチンの間のようなプルッとした弾力があり、やわらかく舌触りがなめらかです。90℃以上で溶解し、30〜40℃で固まります。夏場でも常温で溶けださないので、扱いやすいのも魅力です。
ゼラチンや寒天との違いやおすすめの用途は?
凝固剤としてよく使われるものにゼラチンや寒天がありますが、今回のテーマであるアガーとはどのような違いがあるのでしょうか。以下で見てみましょう。
ゼラチンの特徴
牛や豚の骨や皮に含まれるコラーゲンが原材料の凝固剤で、ぷるぷる・ふわふわと口どけよく仕上がるのが特徴です。透明感はありますが薄く黄色がかった仕上がりなので、色つきのゼリーやプリン、ババロア、マシュマロなどに使うのがおすすめです。
ゼラチンは50〜60℃で溶解するので沸騰させすぎると凝固力が弱まります。冷蔵庫で凝固しますが、25℃以上の環境で溶けだすので長時間常温に置いておくことはできません。 また、生のパイナップルやキウイなどに含まれる酵素はゼラチンを分解してしまうので、これらのフルーツを入れる時は加熱してから加えましょう。
寒天の特徴
寒天の原材料は、テングサやオゴノリなどの海藻で、歯切れよくほろりとほどける食感が特徴です。仕上がったゼリーはやや白く濁りがあるので、水ようかんや杏仁豆腐、ところてんなどを作るときにおすすめです。
90℃以上で溶解し、40〜50℃ほどで凝固します。一度かたまれば常温でも溶けません。ただし、果物や果汁など酸味のあるものを入れると凝固力が弱まるため、火を止めて粗熱が取れてから加えるようにしてくださいね。
アガーを使うときに気をつけるポイント
アガーはゼラチンや寒天と違い、使うときに気をつけるポイントがあります。ここではそのポイントを3つご紹介します。
グラニュー糖とよく混ぜてから溶かす
アガーは水で戻す必要はありませんが、ダマになりやすいので使うときには少しコツが必要です。水に溶かす前にグラニュー糖と混ぜるか、砂糖を加えない場合は水に少しずつ加えながらよく混ぜ、加熱しましょう。
製品ごとに使い方を確認する
アガーは製品によって特徴が変わる豊富な種類があるのも特徴です。ものによってはゼリー用、ムース用、冷凍可能などかなり違いがあるので、購入する前や使用する前にしっかりと確認するようにしましょう。
固まる前に作業は手早く行う
上で説明した通り、アガーは常温で固まります。ゆっくり作業していると固まりはじめる場合もあるので、手早くパパッと済ませましょう。
アガー、ゼラチン、寒天それぞれ代用はできる?
アガー、ゼラチン、寒天は液体を固めるという共通点はあるものの、それぞれ違った特徴があることがわかりました。では、これらの凝固剤は代用できるのでしょうか。
アガーの代用
アガーの代用にはゼラチンがおすすめです。アガー特有の透明感はありませんが、食感は近づきますよ。作ったあと、長時間常温におくと溶けだしてしまうので気をつけましょう。
ゼラチンの代用
ゼラチンの代用として使うならアガーがおすすめです。透明感があり、食感も近いものに仕上がります。同量の液体をかためた場合、ゼラチンと比べてアガーの方がかたく仕上がる傾向があるので、まずは少量で試してから、代用できる量を確認して作るのがよいでしょう。
寒天の代用
寒天ならではのほろっと崩れる食感はゼラチンやアガーで代用するのは難しいでしょう。固めること自体はできますが、食感が全く違うものになってしまいます。
透明感を楽しもう!アガーを使ったおすすめレシピ
アガー、ゼラチン、寒天の違いなどがわかったところで、ここからはそれぞれの凝固剤を使用したおすすめのレシピをご紹介します。まずは今回のテーマであるアガーを使ったレシピから!アガーの透明感や食感を楽しんでくださいね。
ぷるぷる綺麗な水ゼリー
水にアガーを加えて加熱し、固めるだけ!うっとりするほどきれいな水ゼリーのご紹介です。透明度の高いゼリーは、見た目も涼しげでさっぱりといただけます。ゼリー自体に甘みがないので、抹茶パウダーや黒みつなどをたっぷりかけてお召し上がりください。きなこやメープルシロップなどをかけてお好みの味にアレンジするのもおすすめですよ!
2種のぶどうのゼリーケーキ
ぶどうとマスカットを贅沢に使ったひんやりゼリーケーキはいかがでしょうか?つるんとした食感のゼリーとみずみずしい2種類のぶどうがよく合い、すっきりとした味わいを楽しめます。アガーを使うことで、透明度が高く、華やかな見た目に仕上がりますよ。おもてなしにもおすすめの一品です。
ぷるぷる食感アガープリン
どこか懐かしさを感じる味わいのプリンレシピをご紹介します。プリンは一般的にオーブンや蒸し器を使いますが、このレシピではアガーを使い、冷やし固めて作りました。卵と牛乳のやさしい甘さが楽しめるなめらかなプリンに、ほろ苦いカラメルソースをかけていただきます。卵液は一度漉すとよりなめらかな食感に仕上がりますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
見た目爽やかびわまるごとゼリー
旬のびわが手に入ったら、ぜひこちらのレシピをお試しください。びわのコンポートをまるごと加えたゼリーです。透明感のあるゼリーにごろっと入った鮮やかなびわがよく映えます。爽やかで涼しげな、おやつだけでなくデザートにもおすすめの一品です。
ひんやりクリアレモンパイ
暑い季節にぴったりな、ひんやりクリアレモンパイのレシピです。サクッとしたパイ生地とつやつやで爽やかな酸味のゼリーが軽やかな味わいで、いくらでも食べられるおいしさ!冷凍パイシートを使うので意外と簡単に作ることができるのもうれしいですね。テーブルがパッと明るくなる鮮やかな黄色い見た目は、パーティーやおもてなしにもぴったりです!ぜひ試してみてくださいね。
歯切れのよい食感が魅力!寒天を使ったおすすめレシピ
続いて、歯切れのよい寒天を使ったレシピをご紹介します。暑い季節や食後のデザートにぴったりな、さっぱりとした味わいのレシピをピックアップしました。
手作り黒みつでシンプルあんみつ
寒天、白玉団子、あんこだけで作るシンプルなあんみつのご紹介です。プリッと噛み応えのある寒天やもちもちの白玉団子など、さまざまな食感の違いを楽しめます。お好みのフルーツをトッピングしてもおいしいので、アレンジしてオリジナルあんみつを作るのもおすすめです。
ミルクとこしあんの2層の羊羮
2層に分かれた見た目が楽しい、ひんやりぷるぷるデザートはいかがでしょうか。なめらかな水ようかんにミルキーでコクのあるミルク寒をのせて、緑茶だけでなくコーヒーや紅茶にも合う一品に仕上げました。同じ寒天を使っていながらも違う食感が楽しめる、おもしろいスイーツです。ミルクかんを流し込む前に羊羹の部分に傷をつけることで、層が離れることなく、見た目もきれいに仕上がりますよ。
とろけるような口どけ!ゼラチンを使ったおすすめレシピ
最後は、なめらかな口どけが特徴のゼラチンを使ったレシピをご紹介します。どれも手軽に作れるので、ぜひお試しくださいね。
手軽に作れる ふるふるコーヒーゼリー
思い立ったときにすぐ作れる、コーヒーゼリーのレシピをご紹介します。ほろ苦いゼリーになめらかなホイップクリームがよく合い、シンプルながらもやみつきになるおいしさです。ふるふると軽い食感なので、おやつの時間や食後のデザートにもぴったりですよ!インスタントコーヒーを使って簡単に作れるので、覚えておくと便利なレシピです。
焼かずに簡単 プリンタルト
市販のタルト台を使って、おもてなしにぴったりなプリンタルトを作ってみましょう!ゼラチンを加えて固めたプリンはなめらかでやわらかく、やみつきになること間違いありません!サクッとしたタルト生地の食感とカラメルソースのほろ苦さもアクセントになっていて、飽きのこない味わいに仕上がっています。見た目は華やかですが簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
アガーで目にも涼やかなゼリーを作ってみよう!
今回は、近年話題の凝固剤「アガー」について、特徴や使い方のほか、ゼラチンと寒天との違いをご紹介しました。アガーは、無味無臭で透明度の高いゼリーが作れるので、水ゼリーや果物の色を活かしたいときに使うのがおすすめです。最近ではスーパーなどで見かけることも多いので、ぜひアガーを使ったスイーツを作って、透き通った見た目やぷるぷるの食感を楽しみましょう!