蕎麦屋などに行くと食後に出されることの多い「蕎麦湯」。なぜ蕎麦湯が提供されるのか疑問に思っている方も多いかもしれません。そこでこの記事では、蕎麦湯の意味や蕎麦湯を飲む文化ができた背景、蕎麦湯の正しい飲み方について解説します。蕎麦湯に合う本格的なつゆのレシピなども登場するので、ぜひ読んでみてくださいね。
蕎麦湯は飲むべき?飲む意味や正しい飲み方、マナーについても解説!
- 目次
- 蕎麦湯とは?
- なぜ蕎麦湯を飲むようになったの?
- 蕎麦湯を飲む意味は?
- 蕎麦湯に飲み方はあるの?
- そのまま飲む
- そばつゆで割って飲む
- 薬味を加えて飲む
- ざるそばのおすすめレシピをご紹介!
蕎麦湯とは?
「蕎麦湯」とは、そばをゆでたときのゆで汁のこと。そばの麺そのものは入っていませんがそばの風味があり、とろみのついたホッとする味わいの汁です。おそば屋さんに行ったとき、そばを食べたあとに提供されることがよくありますよね。その際、そばつゆを蕎麦湯で割って飲む方も多いのではないでしょうか。
蕎麦湯を飲む風習は、信州から始まったといわれています。それから、江戸時代中期に江戸に伝わり、広まりました。
なぜ蕎麦湯を飲むようになったの?
なぜ蕎麦湯を飲むようになったかははっきりとはわかっていませんが、蕎麦湯を飲む風習が広まるより前に発行された「本朝食鑑」では、蕎麦湯についての記述があります。本朝食鑑とは江戸時代の人々の食生活について書かれている本ですが、そこには「そばを食べたあとに蕎麦湯を飲まないと病にかかる」「そばを食べ過ぎても蕎麦湯を飲めば食あたりしない」と説明されています。
どうしてこのように書かれているのか気になりますよね。実は、当時そばは消化が悪いうえ、傷みやすい食べ物とされ、食べすぎると食あたりするといわれていたのだそうです。「麺毒」という言葉まであったのだとか。
そのほか、お茶の代わりに提供していたという説もあります。当時、お茶は高級品だったため特別な客にだけ出し、一般の客にはそばつゆに蕎麦湯を混ぜたものを「おしな湯」といって提供していたようです。
上記の理由から、蕎麦湯を飲むという習慣がどんどん広まっていたとされています。
ちなみに、蕎麦湯を飲む風習の浸透度合いは地域によって差があります。「東のそば、西のうどん」などといわれることもありますが、関西ではそばよりうどんを食べる文化の方が根強いため、関東に比べて蕎麦湯を飲む習慣がない人や、蕎麦湯を知らないという人の割合が多い傾向があるのだそうです。
蕎麦湯を飲む意味は?
蕎麦湯を飲むようになった理由については諸説ありましたが、今でも蕎麦湯が飲まれ続けているのはなぜでしょうか。ここでは、蕎麦湯を飲む意味についてご説明します。
そばにはたくさんの栄養が含まれていますが、そばをゆでるときにその成分の一部が水に流れ出してしまいます。その流れ出た成分を無駄にすることなくいただけるのが「蕎麦湯」です。蕎麦湯まで飲むと、蕎麦湯に溶け出したそばの栄養も摂取できるということになります。
そして、そんな蕎麦湯に溶け出している成分の中でも注目したいのはビタミンB群やルチンです。ビタミンB群には、糖質の代謝を促し、疲労回復効果が期待できるビタミンB1のほか、脂質の代謝や皮膚、粘膜の再生を助けるビタミンB2などが含まれます。ルチンはビタミンPとも呼ばれ、ビタミンCと一緒に毛細血管を強化する働きがある成分です。
また、上記のように栄養のある成分を余すことなくいただくという目的のほか、蕎麦湯の風味を楽しむために飲む、というのも理由のひとつです。そばを楽しんだあとに、ほっこりする味わいの蕎麦湯をお茶代わりに飲んで食事を締めるというのもよいですね。
蕎麦湯に飲み方はあるの?
蕎麦の風味を楽しめるだけではなく、含まれる栄養も摂取できる蕎麦湯。お店などで出されたときは、どのように飲んだらよいのでしょうか。
基本的には、蕎麦湯の飲み方に決まりはありません。お店によって、おすすめの飲み方がある場合はその通りにしてみるのもよいでしょう。以下で、蕎麦湯の飲み方をいくつかご紹介するので、お好みの方法で飲んでみてくださいね。
そのまま飲む
蕎麦湯そのものの味や香りを楽しみたい方は、そのまま飲んでみるのがおすすめです。お店によって扱うそば粉の種類や作るそばにも違いがあるため、もちろん蕎麦湯の味も異なります。それぞれのお店で味の違いを確かめてみてくださいね。
そばつゆで割って飲む
そばつゆの入っているお椀に蕎麦湯を入れて飲む方法は、試したことのある方も多いのではないでしょうか。だしの風味や塩分が加わり、より飲みやすなりますよ。蕎麦湯とそばつゆの割合は、お好みで調節してみてくださいね。
薬味を加えて飲む
そばの薬味は、蕎麦湯にもよく合います。試してみたい方は、あらかじめ蕎麦湯用に残しておくといいかもしれません。ねぎやわさびのほかに、大根おろしや七味唐辛子、ゴマなどいろいろな薬味と相性がよいですよ。
まずはそのまま飲み、そのあとそばつゆで割り、最後に薬味を加えるというように、全ての飲み方を試しながら味の変化を楽しむのもおすすめです。
ざるそばのおすすめレシピをご紹介!
ここまで、蕎麦湯を飲む意味や蕎麦湯の飲み方についてご紹介しました。今まで蕎麦湯を飲んだことがなかった方も、飲んでみたくなったのではないでしょうか。
さてここからは、ざるそばのおすすめレシピをご紹介します。本格的な味わいのざるそばや、めんつゆを使って手軽に作れるざるそばのレシピをピックアップしました。ざるそばを食べたあとは、ぜひ蕎麦湯まで楽しんでみてくださいね。
かえしとだし汁でつくる ざるそば
まずは本格的な仕上がりのざるそばをご紹介します。つゆは、かえしとかつお節からとっただしを混ぜて作りました。かつおの風味がたまらない、箸がどんどん進む一品です。蕎麦湯に溶け出したそばの風味とも相性がよく、満足感がありますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
薬味たっぷり 一口ざるそば
いろいろな薬味と一緒に食べる、一口ざるそばはいかがでしょうか。こちらのレシピのそばつゆはめんつゆを使用しているので、手軽にお作りいただけます。のりや大葉、ミョウガ、大根おろしなど、一口食べるごとに違うおいしさを味わうことができますよ。次にどれを食べようか選ぶのも楽しい一品です。蕎麦湯にも、いろいろな薬味を入れて味の変化を楽しんでみてくださいね。
そばを食べたあとは蕎麦湯も楽しんでみよう!
今回は、蕎麦湯を飲む意味や蕎麦湯の飲み方について解説しました。そばの材料や作り方によって蕎麦湯の味も違うので、そばを食べ比べるように蕎麦湯を飲み比べてみるのも楽しそうですよね。今回ご紹介したレシピも参考に、おうちでも蕎麦湯を楽しんでみてくださいね。