アクがあり変色しやすい野菜である「ナス」ですが、必ずしも「アク抜き」は必要なのでしょうか?今回はナスのアク抜きしたものとしないものでどのような差があり、どのような影響を及ぼすのか、浅漬けを作って検証してみました!記事の後半ではナスをおいしく食べられるレシピもご紹介!ぜひチェックしてみてくださいね。
【ナスのアク抜きは必要?】浅漬けを作って見た目と味の違いを比べてみた!
- 目次
- 「アク」の正体は「ポリフェノール」!
- 「アク抜き」が必要な理由
- 「アク抜き」した方がいい料理は?
- 「アク抜き」の効果について、実際に検証してみました!
- それぞれのナスで浅漬けを作った場合の仕上がりは?
- 【検証結果】見た目は少し変化あり、味に大きな違いはなし!
- ナスを使った絶品レシピをご紹介!
- アク抜きは作る料理に合わせて考えればOK!
「アク」の正体は「ポリフェノール」!
ナスのアクの正体は、コーヒーやりんごなどにも含まれる「クロロゲン酸」というポリフェノールです。
ただ、この成分は若干苦みや渋みがあるものの、体に悪いものではないので、必ず「アク抜きをしなければならない」というわけではないんですよ。
「アク抜き」が必要な理由
それではなぜアク抜きをするのでしょうか。ここでその理由を見てみましょう。
渋みを抑えるため
ひとつめの理由は渋みをなるべく抑えるためです。
ただ、炒めものや揚げ物などナスを油で加熱調理する場合は、アク特有の渋みが感じにくくなるため、水にさらしてアク抜きしなくてもおいしく仕上がりますよ。
変色を防ぐため
ふたつめの理由は、酸化による変色を防ぐためです。ナスをカットするとポリフェノールが酵素の影響で酸化し、次第に変色していきます。
そのため、切ってすぐに調理する場合には、必ずしもアク抜きをする必要がないということになります。
「アク抜き」した方がいい料理は?
それではナスの「アク抜き」をした方がよい料理には、どのようなものがあるのでしょうか。
油を使わずに調理するもの
煮物や汁物、漬物など、油を使わない料理は、アク抜きをするのがおすすめです。
とくに漬物は、アク抜きをすることで見た目もよく仕上がりますよ。
すぐに調理しないもの
もうひとつは、切ってすぐに調理しないものです。気切り口が酸素に触れると酸化が始まってしまうので、水にさらすなどのアク抜きをするとよいですよ。
たとえば、焼肉やBBQをする際に、あらかじめ野菜を切っておく必要がある場合などは、アク抜きをしておくとよいでしょう。
💡ワンポイント豆知識
変色を防ぐためには、塩水につけるとより効果的だといわれています。見た目を美しく仕上げたい料理を作るときは、ぜひ試してみてくださいね。
「アク抜き」の効果について、実際に検証してみました!
ここからは、実際にどれくらいアク抜きが効果を発揮するのか検証してみたます。今回は輪切りにしたナスを使い「塩水・水・アク抜きなし」の3つの条件で浅漬けを作ってみました。
輪切りにしたナスの状態を検証
まずはナスを5㎜程度の輪切りにします。
ボウルを3つ用意しました。一番左は500mlの水に対し、小さじ1杯の塩を入れたもの、真ん中は水のみ、右は何も入れていないボウルにそれぞれ輪切りにしたナスを入れています。
10分後のナスの状態は?
そして待つこと10分…
【塩水】
ナスの水気をふき取って並べてみると、塩水にさらしたものは、白さが目立ち、とてもきれいです。
【水飲み】
水にさらしたものは、タネの部分が変色して茶色くなっています。
【そのまま】
そのまま置いていたものは、タネの部分だけでなく断面の全体がほんのり茶色くなってしまってるのがわかります。
🔍️検証したクラシルシェフの感想
それぞれをそのまま食べてみると、塩水にさらしたものに比べ、何もしていないものはわずかに口の中にえぐみが残りました。
それぞれのナスで浅漬けを作った場合の仕上がりは?
先ほど検証した塩水、水でアク抜きしたナスとアク抜きしていないナスを使って、実際に浅漬けを作ってみます。
ジッパー付き保存袋にナスと調味料を入れて検証
ジッパー付き保存袋にナスと浅漬けの調味料を入れます。
冷蔵庫に入れて待つこと2時間。そのできあがりは…?
見た目は、10分程度置いて検証したあととさほど変わらない印象ですが、形に若干違いがあるようです。
【塩水】
塩水にさらしたナスはきれいな輪切りの形が保てています。
【水のみ】
コチラも、種の部分の変色が濃くなっているように見えるものの、輪切りの形を保っています。
【そのまま】
アク抜きしたものに比べて、何もしていないナスは若干形が崩れてしまったように見えます。
🔍️検証したクラシルシェフの感想
実際に試食してみると、どれもシャキっとした歯ごたえは残っていましたが、塩水にさらしたナスが一番歯ごたえがよかったです。えぐみを感じさせるアクについては、何もしていないナスには多少ありましたが、特に食べ比べをしなければ気にならない程度のものでした。
【検証結果】見た目は少し変化あり、味に大きな違いはなし!
実際に塩水・水・アク抜きなしのナスで浅漬けを作ってみた結果、見た目にやや違いが見られたものの、味にはそれほど大きな差は感じられませんでした!
ただ、浅漬けのような加熱せず、ナスの色味を生かして作る料理は、アク抜きをした方がきれいに仕上がるのでおすすめですよ。
ナスを使った絶品レシピをご紹介!
ここからは、ナスを使った絶品レシピをご紹介します。アク抜きして見た目も美しく仕上げるレシピのほか、アク抜きしなくてもおいしく食べられるレシピをご紹介します。めんつゆで簡単に味が決まる麻婆茄子は、覚えておくと日々の献立に大活躍するレシピですよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
ナスの即席浅漬け
あっという間にできあがる、ナスの即席浅漬けをご紹介します。レシピにはアク抜きの工程はありませんが、切ってすぐに塩もみをすることで変色しにくくなります。味つけは塩とお酢のみとシンプルですが、大葉をのせることで風味よく仕上がり、さっぱりといただけますよ。
止まらない美味しさ!ミョウガと茄子の簡単和え
ナスとミョウガを使った、夏にぴったりの和え物はいかがでしょうか。味つけに昆布茶を使うことで、手軽に奥深い味わいに仕上がりますよ!このレシピもナスを塩もみしていますが、その前に水に少しさらすことでアクが抜けて、より見た目がきれいに仕上がります。箸休めにもぴったりなので、ぜひ夏の献立に取り入れてみてくださいね。
レンジで 蒸しナスのピリ辛ユッケ風
ナスのレパートリーを増やしたい!そんな方にはこちらのレシピがおすすめです。電子レンジでやわらかくなるまで加熱したナスを手でほぐすように裂き、コチュジャンやごま油などの調味料で和えてピリッと辛いユッケ風に仕上げました。卵黄を崩すとまろやかな味わいを楽しめますよ。
めんつゆで簡単 麻婆茄子
めんつゆを使うことで少ない調味料で作ることができる麻婆茄子は、キッチンに立つ時間も短縮できるお手軽レシピです。ピリッと辛みの効いた味わいはごはんのおかずにもぴったり!こちらのレシピはひき肉や調味料と一緒に炒め煮にするので、アク抜きをしなくてもおいしくいただくことができますよ。
チーズとろーり!なすの豚バラ巻き
ガッツリ食べたいときにおすすめ!ナスの豚バラ肉巻きを作ってみましょう。切ったナスでチーズを挟み、豚バラ肉で巻いて焼くので、アク抜きをしなくてもおいしく作れます。味つけにポン酢を使っているので、こってりしているように見えて意外とさっぱりと食べられるのが魅力です!
アク抜きは作る料理に合わせて考えればOK!
今回はナスの「アク」の正体や、実際にアク抜きをしてどのような変化があるのか検証結果をご紹介しました。ちょっと手間に感じるナスのアク抜きですが、作る料理によってはアク抜きの必要がないものもあります。これを知っておくだけで、ナスを使う料理のハードルが下がりますよね。レシピと合わせて、ぜひ参考にしてみてくださいね!
