「たこ」は、噛めば噛むほどあふれる旨みと心地よい歯ごたえが人気の海産物です。刺身や唐揚げ、煮物、たこ焼き、おせちなど、家庭料理をはじめパーティーメニューや記念日のごちそうに至るまで、あらゆる場面で活躍してくれる頼もしい存在でもあります。今回は、たこに含まれる栄養素や、おいしいたこの選び方についてご紹介します。ぜひ毎日のお買い物の参考にしてみてくださいね。
たこの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」
- 目次
- 日本人が大好きなたこ!世界では嫌われ者!?
- 主要な栄養価はこちら
- 注目の栄養素について
- おいしいたこの選び方
- 新鮮なたこをおいしくいただこう!
日本人が大好きなたこ!世界では嫌われ者!?
やわらかい身体や、吸盤がびっしりついた8本の足など、あげればきりがないほどユーモラスで特徴的な見た目のたこ。
日本人にとって身近な存在であるたこですが、世界ではあまり食べられていないことをご存知でしょうか?
特殊な見た目や宗教上の戒律など、さまざまな理由から「デビルフィッシュ(悪魔の魚)」という異名までつけられており、食べるのはイタリアやスペイン、ハワイなど一部の国や地域に限られています。
日本では普段から当たり前のように食べているので、意外に感じる方も多いかもしれませんね。
ちなみに、日本のたこ消費量はなんと世界一!世界の漁獲量の約3分の2ものたこを消費しているのです。
そんなたこですが、種類はとても豊富です。現在世界各地で約200種、日本近海だけでも50種以上が確認されています。
それでは、スーパーなどでもよく見かける特に有名なたこをご紹介しましょう。
・マダコ
マダコはスーパーなどに流通しているたこの代表格。さっぱりとした味わいと肉厚な食感が楽しめる、日本人にとって一番身近な食用のたこです。世界各地の温暖海域に広く分布しており、日本では本州中部以南の岩礁粋や砂底に生息しています。全長は60cmほどですが、オスよりメスの方がひと回りほど大きく成長します。
・イイダコ
全長20cm前後で、たこの中でも小柄な品種です。東アジア周辺の海に生息し、1月から4月ごろに旬を迎えます。漢字で「飯蛸」と書くイイダコですが、これは胴の部分に詰まった卵が飯粒のように見えるから、または食感が飯粒のようだから、という理由によるものだと言われています。
・ミズダコ
腕を合わせると全長3mにも達する世界最大のたこです。旬は特になく一年中水揚げされますが、主に寒い海域に分布し、日本では北海道や東北の水深100~200mの海底に生息しています。名前の通り、やわらかくみずみずしい肉質をしており、人気があります。
主要な栄養価はこちら
まだこ(生)100gに含まれる主な栄養価は以下の通りです。
・エネルギー 70kcal
・たんぱく質 16.4g
・脂質 0.7g
・炭水化物 0.1g
・カルシウム 16mg
・亜鉛 1.6mg
・ナイアシン 2.2mg
・ビタミンE(α-トコフェロール)1.9mg
注目の栄養素について
たこは100gあたり16.4gのたんぱく質が含まれている高たんぱくな食材です!効率よく健康的な身体づくりを目指す方にもぴったりですね。
ここからは、たこに含まれる栄養素のなかでも特に注目したい3つの成分について解説していきます。
■たんぱく質
たんぱく質は、炭水化物や脂質とあわせて三大栄養素と呼ばれています。重要なエネルギー源としてだけでなく、ホルモンや酵素の代謝の調整にも利用されます。また、筋肉や臓器、骨、皮膚、髪の毛、爪など、身体のあらゆる構成に関わるため、欠かせない栄養素と言えます。
■タウリン
タウリンは、身体を正常な状態に保つために欠かせない、アミノ酸に似た物質です。野菜や果物などの植物性食品を除いて、さまざまな食品に含まれていますが、特に多いのが魚介類です。水に溶けやすい性質を持つため、スープや煮汁ごといただける料理にすると効率よく摂取できます。
■亜鉛
亜鉛は、私たちの体に欠かせないミネラルのひとつですが、体内で作ることができないため、食品から摂る必要があります。ホルモンの合成や免疫反応の調節に関わるだけでなく、味覚にも重要な働きを持つ栄養素です。
おいしいたこの選び方
新鮮でおいしいたこを選ぶポイントは以下の3つです。
・足が太いもの
まずはたこの足の太さを確認しましょう。おいしいたこは足が太く、吸盤には吸いつくくらいの弾力があります。ゆでたこの場合は、足の先までくるりときれいに巻きあがっているものを選びましょう。
・皮がはがれていないもの
皮がはがれていたり、表面に粘りが出ているたこは鮮度が落ちている証拠です。色が鮮やかで、表面にみずみずしいツヤがあるかどうかもあわせてチェックしましょう。
・オスかメスかを見分ける
最後に、オスかメスかを見極めましょう。オスは吸盤が大きくまばらに、メスは比較的小さい吸盤が整然と並んでいます。オスの身は固めですが、メスの身はやわらかいのが特徴です。ぜひお好みに合わせて選んでくださいね。
新鮮なたこをおいしくいただこう!
たこに含まれる栄養素と、新鮮なたこの選び方についてご紹介しました。
たこはおいしいだけでなく、私たちの身体に重要な栄養素が含まれています。ポイントをしっかり押さえて、新鮮でおいしいたこをいただきましょう。
また、クラシルでは、たこの保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。