「デセール」とは、フランス料理の最後にいただくデザートのこと。アシェット・デセールとも呼ばれる上品で繊細な味わいは、食後の時間をさらに贅沢な気分にさせてくれます。今回は、そんなデセールの意味や種類をはじめ、パティスリーとの違いや、おうちで手軽に作れるデセールレシピなどをご紹介します。
フランスで使われる「デセール」とは?用語の意味やレシピをご紹介!
- 目次
- デセールとは?
- デセールの特徴は?
- 作りたてを提供される
- 口溶けがよいものが多い
- 高い芸術性や表現力が求められる
- テイクアウトできない
- パティスリーとの違いは?
- デセールにはコースがある
デセールとは?
「デセール(dessert)」とは、フランス料理のコースの最後に提供されるデザートのこと。「アシェット・デセール」とも呼ばれており、これを日本語に訳すと「皿盛りのデザート」になります。
また、デセールのもうひとつの意味は「食事を片付けること」です。フランス料理ではメインデッシュの後にテーブルをきれいに片付けてから、再びカトラリーをセットしてデセールを提供します。つまり、デセールとは「食事を片付けた後に提供するもの」のことを指し、食後にいただくチーズやお茶菓子なども総じてデセールと呼ぶのです。
デセールの特徴は?
デセールはコースの最後に提供されるデザートなので、一般的なスイーツとは少しスタイルが異なります。具体的にどのような特徴があるのか、以下で詳しく見てみましょう!
作りたてを提供される
デセールのもっとも大きな特徴は、作りたてを味わえることです。焼きたてのスフレに冷たいアイスクリームを添えたり、クレープに洋酒をふりかけてその場でフランベしたりと、作りたてならではのライヴ感やおいしさを楽しむことができます。
口溶けがよいものが多い
デセールは食後にいただくことを前提としているため、口溶けがよくやわらかい食感のものが多いです。例えば同じチョコレートケーキでも、食後にはしっかりと食べ応えのあるガトーショコラよりも、口溶けのよいフォンダンショコラが好まれます。
高い芸術性や表現力が求められる
デセールは白いお皿をキャンパスに見立てて、繊細で美しく盛り付けて提供されます。色とりどりのソースやフルーツ、飴細工などで華やかに仕上げたりと、高い芸術性や表現力が求められます。
テイクアウトできない
デセールは作りたてを食べることを前提に作られているので、基本的にテイクアウトすることはできません。口溶けのよいムースやアイスクリームを使うことが多く、常温で持ち運ぶとすぐに溶けてしまうのです。
パティスリーとの違いは?
フランスでは、ケーキ屋で販売されているケーキのことを「パティスリー」とも呼びます。パティスリーは、テイクアウトすることを前提に作られています。箱に入れて持ち運んでも形が崩れないように、適度な固さに仕上げられており、一度にたくさん作ることができるようにレシピが工夫されていることも特徴のひとつです。
例えば同じムースでも、パティスリーの場合は型崩れしないようにゼラチンを加えて冷やし固め、ショーケースに並べて販売します。一方で、デセールはオーダーが入ってからムースを泡立て、ごく少量のゼラチンでできる限りやわらかい食感に仕上げることもあります。作りたての瞬間だけに味わえる、繊細な味わいや口溶けこそがデセールの醍醐味のひとつと言えるでしょう。
デセールにはコースがある
気軽なレストランやビストロでは、デセールは1品だけ提供されることが多いでしょう。しかし、本格的なフレンチではデセールはコースになっており、メインデッシュを食べ終わったあとに「アヴァン・デセール」「グラン・デセール」「ミニャルディーズ」と3品のデセールが提供されます。
アヴァン・デセール
1品目に提供される、小さめのデセールです。アイスクリームやソルベ、ジュレなど、冷たくさっぱりとした味わいのものが多いです。
グラン・デセール
2品目に提供される、メインとなるデセールです。デセールの中で1番の見せ場なので、味も見た目も繊細で美しく仕上げられます。スフレやクレープシュゼット、フォンダンショコラ、フルーツグラタン、ピーチメルバ、ムース、ヌガーグラッセなど、種類がとても多いのも特徴のひとつです。
ミニャルディーズ
3品めに提供される、小菓子(プチ・フルール)です。マカロンやクッキー、ギモーヴ、チョコレートなど、コーヒーや紅茶と一緒にいただくひと口サイズの焼き菓子が多いです。
デセールだけを楽しみたいときは専門店へ
デセールについて詳しく知ると、デセールだけを楽しんでみたいと思われる方も多いのではないでしょうか。実は近年、アシェット・デセールの専門店が増えてきており、デセール3品のコースをコーヒーや紅茶、スパークリングワインなどと一緒に楽しむことができるんですよ!
お店によってはカウンター席があり、目の前で仕上げる様子を見ることができるなど、デセールならではのライヴ感を楽しむこともできます。特別な日や自分へのご褒美に、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
おうちで楽しむ!デセールレシピ
ここからは、おうちで簡単に作れるデセールレシピをご紹介します。3品を組み合わせればデセールコースにすることもできますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
すもものソルベ
甘酸っぱいすももを使った、かわいらしいピンク色のソルベです。すももの風味を活かしたさっぱりとした味わいは、デセールの1品目であるアヴァン・デセールにぴったり!少ない材料で簡単に作ることができるので、ぜひお試しくださいね。
とろとろ濃厚クリームブリュレ
作りたてのクレームブリュレは、パリパリと香ばしい食感が格別ですよね。こちらのレシピは生クリームを贅沢に加えているので、まるでレストランで出てくるような濃厚な味わいをお楽しみいただけますよ。
おうちで本格 クレープシュゼット
クレープシュゼットとは、オレンジ風味のソースでいただくクレープのこと。本来は目の前でフランベして炎が立ち上る様子を楽しみますが、こちらのレシピでは手軽に作れるようにアレンジしました。焦がしバターとグランマルニエがふわっと香る、芳醇な風味をぜひお楽しみください!
材料3つで とろーりフォンダンショコラ
材料3つで簡単!あつあつのフォンダンショコラはいかがでしょうか。焼きたてにサクッとスプーンを入れると、中にはとろーっと濃厚なチョコレートがたっぷり!材料を合わせて焼くだけと、とても簡単に作れるのもうれしいポイントです。
大人のデザート フルーツグラタン
ふわっと白ワイン香る、大人な味わいのフルーツグラタンです。甘酸っぱいフルーツに濃厚なクリームがよく合う、香り高く上品な味わいは格別のおいしさ!ぜひお好みのフルーツで作ってみてくださいね。
フライパンで簡単 いちごのミルフィーユ
焼きたてのミルフィーユが楽しめるのも、デセールの魅力のひとつです。このレシピではフライパンで冷凍パイシートを焼いているので、とってもお手軽!サクサクと香ばしいパイの食感とフレッシュないちご、さらになめらかなホイップクリーム、三位一体のおいしさを、ぜひお楽しみください!
お家で簡単 カヌレ
コーヒーと一緒にいただくミニャルディーズに、焼きたてのカヌレはいかがでしょうか。蜜蝋の代わりにグラニュー糖を使えば、あとは生地を混ぜて焼くだけと簡単に作ることができますよ!表面はカリッ中はしっとりとした食感は、ほかの焼き菓子では楽しめないおいしさです。
デセールの繊細な味わいを楽しんで
今回はデセールの意味や種類をはじめ、パティスリーとの違いやおすすめのデセールレシピなどをご紹介しました。デセールとはフランス料理の最後にいただくデザートのことで、3品のコースで構成されています。その上品で繊細な味わいは、食後の時間をさらに贅沢な気分にさせてくれますよ。
クラシルでは、ほかにもたくさんのデセールレシピをご紹介しています。そちらもぜひ参考にして、おうちで贅沢な時間をお過ごしくださいね。