中国の旧正月「春節(しゅんせつ)」。毎年1~2月になるとメディアで取り上げられる機会も多いので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、旧正月の特徴に加え、2025年の春節がいつなのか、また春節に食べる料理や過ごし方を解説!さらに日本との違いや旧正月に食べたいお祝い料理のレシピもご紹介します。
中国の旧正月「春節」とは?2025年はいつなのか、日本のお正月との違いも解説!
- 目次
- 2025年の春節はいつ?
- そもそも旧正月・春節とは?
- 旧正月とは
- 春節とは
- 春節には何をする?春節の過ごし方をご紹介
- 家族で集まって食事をする
- お正月飾りを飾る
- 子どもたちにお年玉をあげる
2025年の春節はいつ?
毎年1~2月になると「春節(しゅんせつ)」という言葉を耳にする機会が増えますよね。なんとなく中国のお正月というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。このあと詳しく解説しますが、日本が1月1日にお正月を迎えるのに対し、旧正月を重要視している中華圏の国では春節、いわゆるお正月の時期が毎年異なります。
2025年の旧正月・春節は 1月29日(水) です。
そして、中国ではその前日の 1月28日(火)から2月4日(火)まで が、春節に伴う大型連休となることが発表されました。この期間は、中国の政府によって、毎年11月頃に決まるそうです。
そもそも旧正月・春節とは?
さて、春節と旧正月は、しばしば同意語のように扱われていますが、実はそれぞれに異なる意味を持つ言葉なんです。まずは、それぞれの言葉の違いについて解説します。
旧正月とは
旧正月とは、日本が明治5年以前に採用していた太陰暦でいうお正月のこと。明治6年に現在日本が採用している太陽暦の一種「グレゴリオ暦」に改暦されてからは、太陰暦が示すお正月と区別するために旧暦のお正月を「旧正月」と呼んでいます。
グレゴリオ暦で言うお正月が「毎年1月1日」と決まっている一方で、旧正月は「1月中旬ごろから2月中旬ごろの間で新月になる日」が新年となるため、毎年日にちが異なります。
春節とは
春節は、中国や台湾でいうところのお正月のことです。中国では1912年に新暦を採用していますが、中国をはじめ台湾、韓国、シンガポールなどのアジア圏では現在でも新暦のお正月ではなく、旧暦のお正月である旧正月を新年として重要視し、盛大にお祝いします。
この旧正月は国によって呼び方が異なり、中国では「春節」、韓国では「ソルラル」と呼んでいます。ちなみに先ほど少し触れましたが、中国では新年の前日である大晦日を含めて7日間がお正月休みとなるのが一般的です。
春節には何をする?春節の過ごし方をご紹介
旧暦のお正月である春節。どのように過ごすのか気になりますよね。以下でそれぞれチェックしてみましょう。
家族で集まって食事をする
春節も日本のお正月同様、家族や親戚が集まって一緒に食事をしたり、新年の訪れを祝うのだそうです。この時期は多くの人が実家に帰省するため一斉に移動する期間となりますが、中国ではこの大きな人の流れを「春運(しゅんうん)」と呼んでいます。日本でいうところの「帰省ラッシュ」をイメージするとわかりやすいかもしれません。
お正月飾りを飾る
飾りものに関しても、日本のお正月飾りにあたる「春聯(しゅんれん)」や「倒福(とうふく)」が家の玄関や扉などに飾られます。「春聯」は、家の玄関に貼る赤い紙のことで、縁起のよい言葉が添えられており、新しい年の幸せを願って飾られるそうです。「倒福」は、赤い紙に「福」の文字が書かれたもので、こちらも家の入口に「福が来るように」と願いを込めて貼られます。
子どもたちにお年玉をあげる
そして、日本のお正月といえば子どもたちが楽しみにしている「お年玉」がありますが、春節にも同じような文化があります。年上の人が年下の人に「紅包(アンパオ)」と呼ばれる赤い袋にお金を入れて渡すのだそうです。
爆竹を鳴らす
ここまで見ていると、日本のお正月と春節は似たところばかりのように感じますが、大きく違うこともあります。それは春節には「爆竹」が登場すること。中国では、爆竹はお祝い事に欠かせないものとなっているため、至るところで爆竹が鳴ります。しかし近年では、防火や環境面への配慮から爆竹を禁止している地域もあるようです。
春節に食べるものはあるの?
おおみそかの夜に食べる食事のことを中国語で「年夜飯(ニエンイエファン)」と言いますが、これは日本でいう「おせち料理」に当たります。家族そろって食べるのが通例となっており、食べきれないほどたくさんの料理を用意するのだとか!用意する料理は地域によって異なりますが、どれも縁起がよく、新年への願いが込められたものが並びます。ここでは、その代表的な食材や料理をご紹介します。
魚
年夜飯に必ずと言っていいほど登場するのが「魚」です。「魚」は、中国語で余裕があることを表す「余」と同音で「ゆとりのある生活ができますように」という願いが込められており、縁起物として年夜飯の定番となっています。魚は切り身のものではなく、お頭付きのものを使用することが多いようです。
年糕(ニェンガオ)
日本でもお雑煮などに入れて新年にお餅を食べる習慣がありますが、中国でも「年糕(ニェンガオ)」というお餅を食べます。年を重ねるごとによいことが重なる、物事が上向きになるという意味である「年年高昇」の発音が「年糕」に似ていることから、家庭内の繁栄や出世の願いを込めて食べられているそうですよ。地域によって炒めたり、蒸したり揚げたりと調理法も味つけもさまざまです。
餃子
中国北部の北京などでは、餃子も春節に欠かせない料理のひとつです。餃子の形が中国の古い貨幣である「元宝」に似ていることから「富をもたらす縁起のよい食べ物」として取り入れられたという説や「餃子」の発音が子供を授かるという意味の「交子」に似ていることから取り入れられたという説などがあります。
春節に食べる餃子は、中に詰める具材も縁起のよいものが選ばれ、幸せに満ちた日々を送れると信じられている「なつめ」や健康長寿を願う「落花生」を入れたりします。大晦日の夜に家族で餃子を作り、旧正月に日付が切り替わる午前0時過ぎに餃子を食べて新年を祝うのだそうです。
春巻
生地で包み込んだ具材を一本丸ごと食すことから「終始一貫」を表す春巻は、縁起のよい食べ物として春節に欠かせない料理です。春節の時期に旬となる野菜や肉を入れて作られ、一年の幸せを願います。
旧正月に食べるおすすめのレシピをご紹介!
現在の日本では盛大にお祝いする機会がなくなってしまった旧正月ですが、今一度旧正月を楽しんでみるのはいかがでしょうか。ここからは、春節にちなんだ料理をご紹介します。ぜひ旧正月の時期に献立に取り入れてみましょう。
ぷりぷりエビ入り水餃子
日本で餃子というと焼き餃子が一般的ですが、中国では水餃子が一般的で、春節に食べられるのも水餃子です。むきエビと豚ひき肉の両方を使用して作る水餃子は、エビのプリプリ食感もお肉のジューシーさも味わえますよ。レンコンも加えてボリュームたっぷりに仕上げましょう!
花椒ダレの水餃子
タレにこだわった水餃子もおすすめです。白ねりごまとポン酢にラー油や花椒を加えた、辛さと痺れる刺激が魅力のタレでいただきます。濃厚なタレがしっかり水餃子に絡んでとってもおいしいですよ!
具だくさん 五目春巻き
「終始一貫」を表し、縁起がよいとされている春巻きのレシピをご紹介します。パリパリした皮とトロリとした具材のコンビネーネーションが絶品ですよ。シンプルな春巻きは、普段の献立にも大活躍してくれるので、覚えておいて損はありませんよ!
黒ソイの中華蒸し
お頭付きのお魚も縁起がよいので、旧正月を祝う料理にぜひとも取り入れたい一品です。こちらは、黒ソイを丸ごと一尾使用して、中華風の蒸しものにしました。ふっくらとした身に、生姜の効いた中華風のタレがマッチ!豪華な見た目でお祝い事にぴったりですよ。
モチモチごま団子
旧正月の最終日は「元宵節(げんしょうせつ)」と呼ばれ、家族円満を願って丸いお団子を食べる習慣があります。そんな習慣にちなんでごま団子を作ってみませんか?白玉粉を使って作った生地の中にこしあんを入れて丸め、表面に白いりごまをまぶして揚げて作ります。おやつにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。
金柑の甘露煮
柑橘系の果物は、金運アップにつながるとされる食べ物です。なかでも、旧正月に欠かさず食べられているフルーツのひとつに金柑があります。このレシピでは、甘露煮にしました。やわらかく煮た金柑は甘みと酸味のバランスがよく、ほろ苦さもアクセントになっていて絶品ですよ!旧正月料理の締めのデザートにおすすめの一品です。
お正月との違いを知るとより楽しめる旧正月
旧正月や春節について解説しましたが、いかがでしたか。行事の時期は違えど、中国の春節も日本と過ごし方や食べ物の選び方で似ている点が多く、大変興味深い内容でした。春節の時期は、ぜひ旧正月を祝いお祝い料理を食べて過ごしてみたいですね。