甘みが強く濃厚な味わいが人気の柑橘「不知火(しらぬい)」。ポンカンとも間違われやすいですが、一体どのようなフルーツなのでしょうか。この記事では不知火の特徴や保存方法、デコポンやポンカンとの違いを解説します。記事後半の不知火大福や春菊としらぬひのジンジャーサラダなど、不知火を使った絶品レシピも必見ですよ。
不知火(しらぬい)ってどんなフルーツ?保存方法やポンカンとの違いについて解説!
- 目次
- 不知火(しらぬい)とは?
- デコポンとは?
- ポンカンとはどう違う?
- ポンカンとは
- 不知火との違い
- 不知火の保存方法
- 不知火を使った絶品スイーツレシピ
- しらぬひのヨーグルトシャーベット
不知火(しらぬい)とは?
不知火(しらぬい)とは清美とポンカンを組み合わせて作られたタンゴールのこと。タンゴールとは、ミカン類とオレンジの交雑種の総称で、ミカン科ミカン属の果実です。長崎県の農林水産省果樹試験場で1972年に誕生しました。生産を始めた場所の地名が不知火だったことが名前の由来となっています。
不知火の実は200~300g程度でみかんよりひと回り大きいサイズです。ヘタがぷっくりとふくれた特有の愛らしいフォルムをしています。皮はデコボコとしていて粗く固そうに見えますが、意外とやわらかく、みかんのように手でむくことが可能です。じょうのうと呼ばれる薄皮もやわらかくそのまま食べられます。種もほとんど入っていません。オレンジ色の果肉はぷちぷちとした食感で果汁が多いのが特徴です。不知火は甘みが強くほのかな酸味があります。甘味と酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが特徴です。
不知火のもともとの旬は2~5月ごろで、ピークは3~4月の春の時期。収穫後、1~3週間ほど貯蔵して酸を抜いてから出荷されます。路地物とハウス物は出回る時期が異なっており、ハウス栽培されたものは12~5月が旬です。不知火の生産量日本一は熊本県。全体の生産量の約50%を占める割合です。続いて、愛媛県、和歌山県と続きます。
デコポンとは?
ヘタがふくれた形の柑橘といえばデコポンがありますが、実はデコポンは不知火の一種なんです。不知火は品種名、デコポンは「熊本県果実農業協同組合連合会(JA熊本果実連)」の登録商標で、不知火のなかでも一定の基準を満たしたものだけをデコポンと呼びます。糖度13度以上、クエン酸1.0以下などの基準があり、不知火のなかでも甘みが強く酸味が少ないものをデコポンとして販売することができるんですよ。この基準は全国統一糖酸品質基準と呼ばれ、柑橘類のなかで唯一全国統一されたものなんです。さらに、デコポンを名乗るには全国のJAから出荷しなければならないという決まりもあります。それ以外の農園で出荷しているものは、不知火として販売するか、独自のブランド名で販売されているんです。
※『デコポン』は「熊本県果実農業協同組合連合会」の登録商標又は商標です。
ポンカンとはどう違う?
不知火と間違われやすいポンカンですが、どのような違いがあるのでしょうか。 ここではポンカンの特徴と両者の違いについて見ていきましょう。
ポンカンとは
ポンカンは不知火と同じくミカン科ミカン属の果実です。原産国はインドで、中国から台湾を経て明治時代に日本に伝わりました。ポンカンの「ポン」はインド西部のプーナという地名から、「カン」は柑橘の柑に由来していると考えられています。
不知火との違い
前述の通り、不知火は清美とポンカンの交配種なので、ポンカンと不知火は親子に当たる品種です。味わいは似ているところが多く、濃厚な甘みと香りがあり酸味が少ないうえに、やわらかい果肉で食べやすいといった特徴が共通しています。一方、両者の見た目はかなり異なっています。ポンカンには不知火の特徴であるヘタのふくらみがなく、サイズもみかんと同程度。見た目で間違うことはまずないでしょう。皮はどちらもやわらかくてむきやすいですが、ポンカンは不知火よりも種が目立ちます。また果汁の量も不知火に比べると少なめです。見た目や味の違いに注目しながら食べ比べてみるのも楽しそうですね。
不知火の保存方法
しっかりした皮に包まれている不知火は柑橘類のなかでも日持ちするタイプの果物です。3月ごろまでの涼しい季節には室温でも保存できます。直射日光の当たらない風通しのよい冷暗所で保存しましょう。暖かくなって気温が上がってきたら、冷蔵庫の野菜室で保存します。その場合は乾燥を防ぐためにキッチンペーパーや新聞紙などに包みポリ袋に入れましょう。
不知火を大量保存したい場合やすぐに使わない場合は、冷凍保存が便利です。皮をむいて、薄皮つきまま果肉を小分けにします。重ならないよう冷凍用保存袋に並べ、空気を抜いて冷凍庫で保存しましょう。食べるときには半解凍にするとシャーベットのような味わいを楽しめます。また、ジャムにするなど加工して食べるのもおすすめです。
不知火を使った絶品スイーツレシピ
不知火の特徴やポンカンとの違い、保存方法などがわかったところで、ここからは不知火を使った絶品スイーツレシピをご紹介します。おうちで簡単に作れるものをピックアップしているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
しらぬひのヨーグルトシャーベット
不知火のヨーグルトシャーベットのご紹介です。甘くてジューシーな不知火の果汁をヨーグルトと合わせて甘酸っぱいスイーツにしました。爽やかな後味がたまらない一品です!不知火の皮を丸ごと使ったカップが可愛らしくておもてなしにもぴったりですよ。ぜひ作ってみてくださいね。
※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。
しらぬひピール
不知火の皮を使って不知火ピールを作ってみませんか?不知火のピールは香りがよく甘さの中にほんのり苦味があって、大人の味わいをお楽しみいただけますよ。お茶のお供はもちろん、お酒のおつまみにもおすすめです。多少手間はかかりますが、とてもおいしいのでぜひお試しくださいね。
ミント風味の しらぬひクラッシュゼリー
不知火を使ったミント風味のクラッシュゼリーのレシピです。ミント風味の爽やかな味わいで、さっぱりといただける一品。甘い果肉がたっぷり入った不知火のおいしさを堪能できます!クラッシュしているので、キラキラとした見た目も美しいデザートに仕上がりますよ。この機会に一度作ってみてくださいね。
電子レンジで簡単 しらぬひ大福
今日のおやつに電子レンジで簡単に作れる不知火大福はいかがでしょうか?濃厚な甘みの不知火と上品な味わいの白あんが好相性!ぷっくりやわらかなお餅と不知火のプリッとジューシーな果肉の食感も楽しめます。意外と簡単に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら加熱時間を調整してください。必要に応じて食材に完全に火が通るまで加熱してください。
不知火の絶品サラダレシピ
続いて、不知火のサラダレシピをご紹介します。スイーツに使うイメージが強いフルーツですが、柑橘類はさまさまなタイプのサラダとも相性抜群!作りやすいものをピックアップしているのでぜひ参考にしてみてくださいね。
しらぬひのハニージンジャーマリネ
いつもとはひと味違う不知火のおいしさを楽しみたいときは、不知火のハニージンジャーマリネを作ってみましょう!不知火をカットしてはちみつと生姜のみじん切りでマリネするだけ。ぴりりと辛い生姜の風味で不知火の甘みが引き立ちます。はちみつのやさしい甘みがフルーティーな不知火とよく合いますよ。ぜひお試しくださいね。
※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。
春菊としらぬひのジンジャーサラダ
春菊と不知火のジンジャーサラダをご紹介します。生の春菊のほろ苦さと豊かな甘みの不知火、香ばしいミックスナッツが好相性!ジンジャードレッシングの刺激的な味わいがクセになるおいしさで、最後まで飽きずに召し上がれますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
しらぬひとにんじんのサラダ
あと一品が欲しいときに、不知火とにんじんのラペサラダはいかがでしょうか?いつものにんじんラペに甘みのある不知火を加えることで、フルーティーでフレッシュな一品に仕上がります。にんじんと不知火の自然の甘みがホッとするおいしさ!彩りもきれいでおもてなしにもぴったりですよ。ぜひ、献立に加えてみてくださいね。
甘みたっぷりで濃厚な不知火!スイーツやサラダ作りに活用してみて
いかがでしたか?不知火の特徴や保存方法、ポンカンとの違いに加え、不知火を使った絶品レシピなどをご紹介しました。濃厚な甘みの不知火はスイーツ作りはもちろん、サラダにも活用できます。今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひ不知火を食卓に取り入れてみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。