「ワラサ」とは、どのような魚なのかご存知ですか?出世魚と呼ばれるこの魚は、成長する過程でワカシ、イナダ、ブリなど何度も名前が変わります。今回は、ワラサの特徴をはじめ、ブリとの違いや出世魚の由来、おすすめの調理法などをご紹介します。記事後半でご紹介する、ワラサやブリの活用レシピは必見ですよ!
ワラサとは?ブリと違う点や食べ方について解説!
- 目次
- ワラサとは?
- ブリやハマチとの違いとは?
- ブリとの違い
- ハマチとの違い
- なぜ出世魚は名前が変わるの?
- おすすめの調理法・選び方
- 目が澄んでおり、エラが鮮やかな赤色
- 血合いが鮮やかな赤色
ワラサとは?
「ワラサ」とはスズキ目アジ科ブリ属の魚で、成長するごとに名前が変わる「出世魚」です。ブリと見た目がよく似ていますが、実はこれらふたつは同じ魚で大きさが異なるだけなのです。ワラサは漢字で「稚鰤」、つまり「小型の鰤(ぶり)」であることを表します。
ワラサは稚魚から成魚になるまでに4〜5回も名前が変わり、地方によっても呼び方が異なります。以下で詳しくご紹介しましょう。
◼︎関東
モジャコ(稚魚)→ワカシ(20cm)→イナダ(40cm)→ワラサ(60cm)→ブリ(80cm以上)
◼︎関西
モジャコ(稚魚)→ツバス(20cm)→ハマチ(40cm)→メジロ(60cm)→ブリ(80cm以上)
◼︎山陰
モジャコ(稚魚)→ツバス(20cm)→ハマチ(40cm)→マルゴ(60cm)→ブリ(80cm以上)
◼︎北陸
モジャコ(稚魚)→ツバイソ(20cm)→フクラギ(40cm)→ガンド(60cm)→ブリ(80cm以上)
ブリやハマチとの違いとは?
ワラサとブリは同じ種類の魚ですが、大きさや味わい、価格などが異なるので、市場では別の魚として扱われます。また、ワラサとよく似た魚に「ハマチ」もあり、これらの違いは少しややこしい部分があります。
ブリとの違い
ワラサとブリの一番大きな違いは、やはり大きさです。関東では60cm程のものをワラサ、80cmを越えるものをブリと呼びます。ワラサの身は赤身が強くて引き締まっており、程よく脂がのっています。どちらかというと、アジに近い味わいといえるでしょう。
一方で、ブリは身が白っぽくてしっかりと脂がのっており、口の中でとろけるような濃厚な味わいです。価格は産地や相場によって異なりますが、ワラサはブリの2分の1程度の価格で取引されることが多いようです。
ハマチとの違い
ワラサとハマチも同じ種類の魚ですが、養殖物をハマチと呼んで区別することもあるようです。
一方で、関西や山陰ではワラサよりひと回り小さい40cm程の天然物・養殖物を総じてハマチと呼ぶこともあります。ハマチは、地域によって認識が少し異なることがわかりますね。
なぜ出世魚は名前が変わるの?
なぜワラサなどの出世魚は、成長と共に名前が変わるのでしょうか?これには、江戸時代まで続いていた武士の風習と深い関係があります。
江戸時代までは、元服を迎えて大人になったときや、身分が変わって出世したときなどに名前を変える風習がありました。かの有名な徳川家康は、幼少期から将軍になるまでに竹千代→元信→元康→家康と3回も名前が変わっています。出世の儀式の際は、縁起を担ぐために出世魚を使った料理を並べて新たな門出を祝ったそうです。現代でも、生後100日を祝う「お食い初め」の際は、尾頭付きの出世魚を並べてお祝いする地方がありますよね。
出世魚に共通している点は、成長と共に味が変化しておいしくなり、大きさや見た目が立派になっていくところです。出世魚は祝いの席で見栄えする、おいしい魚が好まれたのでしょう。
おすすめの調理法・選び方
ワラサをおいしく調理するためには、やはり鮮度のいいものを選ぶことが大切です。ここでは、新鮮なワラサの選び方とおすすめの調理法をご紹介します。
目が澄んでおり、エラが鮮やかな赤色
目に透明感があってみずみずしいものは、新鮮な証拠です。可能であればエラブタをめくり、エラが鮮やかな赤色をしているものを選びましょう。
血合いが鮮やかな赤色
切り身や刺身を選ぶ際は、血合いが赤いものを選びましょう。鮮度が落ちてドリップが出ているものは、避けた方がいいでしょう。
食べる直前に切り分ける
ワラサは鮮度が落ちやすい魚なので、切り身にするとすぐに茶色く変色してしまいます。刺身やカルパッチョにする場合は、食べる直前に切り分けるようにしましょう。
焼き物や揚げ物がおすすめ
ワラサを加熱調理するときは、揚げ物や焼き物がおすすめです。フライや唐揚げなど、衣をつけてから揚げるとふっくらとした食感に仕上げることができます。焼き物にする場合は、表面に小麦粉をまぶしてから焼くなどしてパサつきを防ぎましょう。
ブリやワラサで楽しむ!おすすめレシピ
さてここからは、ブリを使ったおすすめのレシピをご紹介します。もちろん、ワラサで代用することもできますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ブリの刺身で作るユッケ風おつまみ
ピリッとした辛味が食欲をそそる、ブリのユッケ風おつまみです。コチュジャンやニンニクの効いたタレでブリを和えると、特有のクセが和らいで食べやすくなります。卵黄をとろりと絡めて、ピリッと辛く濃厚な味わいをぜひお楽しみください!
※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。1歳未満(乳幼児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は、卵の生食を避けてください。
レモン香る ブリとエリンギのガリバタ炒め
ブリとエリンギをバターで炒め、レモン汁やニンニク、パセリで風味豊かに仕上げました。ジューシーなブリにシャキシャキのエリンギがよく合う、香ばしい味わいはお酒のおつまみにぴったりですよ!
フライパンでお手軽焼きぶり大根
フライパンで手軽に作れる、焼きブリ大根はいかがでしょうか。ブリを照り焼きにしたり、大根を小さく切るなど、ひと工夫を加えると調理時間を短縮して香ばしい風味に仕上げることができます!もちろん、ワラサで代用することもできますので、ぜひお試しくださいね。
絶品 ぶりの照り焼き
ブリを使った料理といえば、やはり照り焼き!ブリは薄力粉をまぶしてから焼くと、しっとりとした食感に仕上がるうえタレが絡みやすくなります。少し濃いめの甘じょっぱい味わいは、ごはんのおかずにぴったりですよ。
オーロラソースで食べる ブリフライ
サクサクのブリフライにオーロラソースをつけていただく、リピート間違いなしの一品!揚げたてをサクッと頬張れば、ブリのおいしさがジュワーッと広がります!ごはんのおかずにはもちろん、お酒のおつまみとしてもおすすめですよ。
焼肉のタレで簡単に ブリの竜田揚げ
焼肉のタレで簡単!ブリの竜田揚げはいかがでしょうか。焼肉のタレに漬け込んだブリに、片栗粉をまぶして揚げるだけのお手軽レシピです!外はサクッ中はふわっとジューシーな味わいは、一度食べたらやみつきになること間違いありませんよ!
ワラサは大きさで名前が変わる出世魚
今回はワラサの特徴をはじめ、ブリとの違いや出世魚の由来、おすすめの調理法やレシピなどをご紹介しました。ワラサとは小型のブリのことで、成長するごとに名前が変わる出世魚です。程よく脂ののった味わいなので、刺身やユッケ、照り焼き、唐揚げなど幅広い調理法で楽しむことができます。価格も比較的リーズナブルなので、スーパーなどで見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。