「梅仕事」とは、梅が出回る季節に梅を使った保存食を作ること。少し時間はかかりますが、梅から丁寧に作った梅干しや梅酒は格別のおいしさです。今回は梅仕事の意味をはじめ、梅の選び方や下ごしらえのポイント、おうちで簡単に作れる梅酒・梅シロップのレシピなどをご紹介します。ぜひ梅仕事にチャレンジしてみてくださいね!
梅仕事とは?詳しい解説とおすすめレシピをご紹介!
- 目次
- 梅仕事とは?
- 梅仕事の種類について
- 梅干し
- 梅シロップ(梅ジュース)
- 梅酒
- 梅ジャム
- 青梅甘露煮
- 梅味噌
梅仕事とは?
梅仕事とは、梅が旬を迎える季節に自家製の梅干しや梅酒などの保存食を作ること。梅が収穫できるのは、ちょうど「梅雨」の季節にあたる6月頃です。この時期に梅仕事をしておくと、1年を通して自家製の梅干しや梅酒を楽しむことができるのです。
かつて梅仕事は、日本各地で見られる季節行事のひとつでした。毎年6月になるとスーパーに梅や保存容器が並びはじめ、梅雨が明ける7月になると梅干しをザルに広げて天日干しするという、昔ながらの光景を見たことのある方も多いのではないでしょうか。
梅仕事の種類について
梅仕事といえば、梅干しや梅酒、梅シロップなどをイメージする方が多いですよね。でも実は、梅仕事にはさまざまな種類があり、ピクルスやしょうゆ漬けなどのおかずを作ることもできます。いくつか例を見てみましょう!
梅干し
※1歳未満(乳児)のお子様は、はちみつをお召し上がりにならないようご注意ください。
梅を塩漬けにした後、天日干して作られます。梅と塩だけで漬けた「白干し梅」や、赤しそを一緒に漬けた「しそ漬け梅」、はちみつを加えた「はちみつ梅」など、さまざまな種類があります。できあがりまで1ヶ月半程かかりますが、自家製梅干しのおいしさは格別ですよ。
梅シロップ(梅ジュース)
梅を砂糖で漬けて、じっくりとエキスを引き出したジュースです。比較的簡単に作ることができるので、初めて梅仕事をする方におすすめです。
梅酒
梅を砂糖と酒でじっくりと漬けた、芳醇な香りの果実酒です。ホワイトリカーで作るのが一般的ですが、焼酎やブランデーなどお好みのお酒で作ると、自分好みの梅酒に仕上げることができます。
使用する酒は、アルコール分20度以上のもので、かつ、酒税が課税済みのものをお使いください。
アルコールが含まれますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
梅ジャム
梅の種を取り除き、砂糖と一緒に煮詰めて作ります。甘酸っぱく爽やかな風味は、ほかの果物では味わえないおいしさです。
青梅甘露煮
梅を水と砂糖でコトコトと煮込んだ、とろりとやわらかい食感のコンポートです。そのままいただくのはもちろん、アイスクリームやヨーグルトに添えてもおいしいですよ。
梅味噌
梅を味噌と砂糖で漬けた、上品で爽やかな風味の味噌です。さまざまな食材と相性がよく、野菜スティックや刺身、焼肉などに添えるとワンランク上の味わいを楽しむことができます。
青梅ピクルス
アク抜きした梅をピクルス液に漬け込んだ、爽やかな香りのピクルスです。梅の酸味とカリカリとした食感を楽しめる、さっぱりとした味わいは暑い季節にぴったりです。
青梅のしょうゆ漬け
青梅をしょうゆに漬けるだけと、とても簡単に作ることができます。爽やかな梅風味のしょうゆは、冷奴や刺身と相性抜群!漬けた梅は、刻んでごはんのお供としていただくこともできます。
梅仕事は「梅の選び方」が大切
梅は収穫する時期や熟成具合によって「青梅」、「完熟梅」、「超完熟梅」の3つに分けられます。それぞれ色や固さ、風味が異なるので、活用方法に合わせた梅を選ぶことが大切ですよ。
青梅
6月上旬に出回る、緑色の梅です。実がカリカリと固くフレッシュな風味なので、梅酒や梅シロップを爽やかな風味に仕上げたいときや、梅味噌、ピクルス、しょうゆ漬け、甘露煮などに幅広く活用することができます。梅干しを作るには固すぎるので、もう少し熟したものが出回るのを待つとよいでしょう。
完熟梅
6月中旬に出回る、少し黄色く色づいた梅を指します。実がやわらかく甘い香りなので、梅酒や梅シロップを芳醇な風味に仕上げたいときや、梅味噌、梅ジャムなどにするのがおすすめです。ピクルスや甘露煮には、実がやわらかいので不向きです。
超完熟梅
6月中旬〜下旬に出回る、黄色く熟した梅です。おいしい梅干しを漬けるためには、こちらの超完熟梅が最適です。芳醇な香りを活かして梅ジャムにするのもおすすめですよ。ただし、ピクルスや梅味噌といったほかの保存食を作るには実がやわらかすぎるので、梅干しと梅ジャム専用と覚えておくとよいでしょう。
「梅の下ごしらえ」と「保存容器の消毒」
梅仕事をはじめるうえで、大切なのが「梅の下ごしらえ」と「保存容器の消毒」です。特に、保存容器の消毒を怠るとカビが生えてしまうので注意が必要です。ぜひポイントを押さえて、楽しく梅仕事を進めましょう!
青梅はアク抜きする
梅は青いものほど、アクが多く含まれています。アクはえぐみや苦味のもとになるので、青梅を使う場合は2時間から一晩水に浸してアク抜きをします。なお、完熟梅と超完熟梅はアクが少ないので、アク抜きの必要はありません。
梅の水気は丁寧に拭き取る
梅を水洗いしたあとは、ザルなどに広げて水気を切り、乾いたキッチンペーパーでよく拭き取りましょう。少しでも水気が残っていると、カビや失敗の原因になってしまいます。
梅のホシ(ヘタ)は竹串で取り除く
梅のホシは竹串や爪楊枝など、木製の串で取り除きます。金属製の串を使うと、傷ついた部分が黒ずんでしまうので注意しましょう。
保存容器はガラス製や陶器製がおすすめ
梅は酸味の強い果物なので、保存容器は酸に強いものを選ぶことが大切です。おすすめはガラス製、ホーロー製、陶器製など。金属製やプラスチック製のものは、梅の酸で容器が傷むことがあるので避けましょう。
容器はしっかりと消毒する
梅仕事に使う保存容器や調理道具は、しっかりと消毒してから使わないとカビが生えてしまいます。小さめの保存容器は水洗いしてから煮沸消毒し、完全に乾かしてから使いましょう。
大きなガラス製の保存容器など、煮沸消毒できないものは熱湯消毒します。このとき、ガラスにいきなり熱湯をかけると割れてしまうことがあるので、まずは60℃前後のお湯をまわしかけ、徐々に温度を上げてから熱湯をかけましょう。
ただし、瓶によっては煮沸消毒や熱湯消毒ができないものもあります。その場合は各メーカーの取扱説明書に記載されている方法で消毒するか、心配であれば煮沸消毒できる瓶を用意しましょう。
初めての梅仕事に!梅シロップ・梅酒のレシピ
ここからは、梅シロップと梅酒の作り方をご紹介します。おいしく作るためのポイントも合わせてご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
自家製梅シロップでつくる さわやか梅ジュース
青梅で作る、爽やかな風味の梅シロップです。梅と氷砂糖を交互に保存容器に入れて1〜2週間漬けると、果汁がじんわりと染み出ておいしい梅シロップになります!梅は冷凍してから漬けると、梅の繊維が壊れてシロップが出やすくなります。比較的簡単に作ることができるので、初めて梅仕事をする方におすすめですよ。
漬け込みいらずで時短 さっぱり梅ジュース
すぐに梅ジュースを楽しみたい方は、こちらのレシピがおすすめです!冷凍した梅を水と砂糖で10分程煮込むだけと、わずか1日で作ることができます。梅を冷凍しておけばいつでも手軽に楽しめるので覚えておくと便利ですよ!梅が出回る季節に、ぜひお試しくださいね。
基本の梅酒の漬け方
梅酒を作るのはハードルが高いイメージがありますが、実は簡単に作ることができます!梅と氷砂糖を保存容器に入れてホワイトリカーを注ぎ、梅のエキスがお酒に馴染むのをゆっくりと待つだけ。飲み頃になるまで3ヶ月程度と時間はかかりますが、自家製梅酒のおいしさは格別ですよ!
ブランデー梅酒の漬け方
梅酒はブランデーやウイスキー、焼酎などお好みのお酒でアレンジすることができます。こちらのレシピでは、ブランデーを使って香り高くリッチな味わいに仕上げました。ひと味違う梅酒を楽しみたい方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
酸味がおいしい梅ジャム
青梅をコトコトと煮詰めて作るジャムのご紹介です。さわやかな梅の酸味のジャムは、パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜてもおいしいですよ。お菓子作りはもちろん、お料理にも使用できますので、ぜひ作ってみてくださいね。
今年は梅仕事に挑戦してみよう!
いかがでしたか?梅仕事の意味をはじめ、梅の選び方や下ごしらえのポイント、おうちで簡単に作れる梅酒・梅シロップのレシピなどをご紹介しました。梅仕事とは、梅が出回る季節に梅を使った保存食を作ること。少し難しそうなイメージもありますが、下ごしらえのポイントを押さえれば意外と簡単に作ることができますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
クラシルでは、梅酒や梅シロップの作り方はもちろん、梅シロップの活用レシピもご紹介しています。そちらもぜひ参考にして、幅広い調理法で梅をお楽しみください。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。