最終更新日 2023.3.30

紹興酒ってどんなお酒?特徴や使い方をご紹介!

紹興酒ってどんなお酒?特徴や使い方をご紹介!

そのまま飲むのはもちろん、料理にも使える「紹興酒」。中国浙江省紹興市で作られたもののみが「紹興酒」を名乗ることができ、長期間熟成させて作られる工程や味の奥深さは、まるでワインのようです。この記事ではそんな紹興酒の特徴や味、製造方法を解説します。記事後半でご紹介している、紹興酒の風味を活かしたレシピも必見ですよ!

  • 目次
  • 紹興酒とは
  • 基準をクリアしないと紹興酒になれない?!
  • 紹興酒の味わいとは
  • 黄酒や老酒とは何が違うの?
  • 紹興酒はどうやって作られる?
  • 料理の味つけや下味にも!紹興酒の使い方
  • 紹興酒はどのように飲むのがおすすめ?
  • 紹興酒を使ったレシピをご紹介

紹興酒とは

紹興酒とは、日本酒やビール、ワインなどと同様、穀類や果実類を原料に酵母によってアルコール発酵させて作られる醸造酒の一種です。主な原料としては、もち米、麦麹、カラメル色素があげられます。冒頭でも触れたとおり「紹興酒」として販売できるものは、中国浙江省紹興市で作られたもののみ。中華料理などとともに出される比較的リーズナブルなお酒という印象がある紹興酒ですが、実は、非常に限定された地域のみで作られている上質なお酒なのです。

基準をクリアしないと紹興酒になれない?!

紹興酒と名乗るための条件は、生産地域が紹興市であることだけではありません。先ほどご紹介した紹興酒の原料である「水」には、名水である鑑湖(かんこ)の水を使用していなければならないこと、もち米や麦といった素材には、ある一定の等級以上のものを使用していなくてはいけないことなど、厳しい国家基準をクリアしていなければ「紹興酒」と名乗れないのです。

これは、フランスのシャンパンがシャンパーニュ地方で作られたものでなければシャンパンとは言えないことや、シャンパンづくりに使用できるぶどうの品種が限定されていることに似ています。厳選された素材を使用し、こだわりを持って作られたお酒である紹興酒。知れば知るほどに、魅力が増していくお酒です。

紹興酒の味わいとは

長期熟成による複雑な味わいが楽しめる紹興酒は、色や香りのほか、味の全体のバランスが整っているかが重要です。味は六味で評価され、よい紹興酒であるためには「甘味・酸味・苦味・辛味・旨味・渋味」のすべてがそろっていることが求められます。日本料理で大切にされる五味(甘味・酸味・苦味・塩味・旨味)を超えて、辛味と渋味も味わいの評価対象となる紹興酒。いかに複雑であるかがわかると同時に、その奥深さに惹かれていきます。紹興酒を飲む際は、ぜひこの六味ひとつひとつを意識しながら飲んでみたいですね。

黄酒や老酒とは何が違うの?

中国では、穀物から醸造されたお酒は「黄酒(ホワンチュウ)」と呼ばれます。この黄酒を長期熟成したものが「老酒(ラオチュウ)」で、紹興酒は老酒の一種です。紹興酒は、一般的に3~5年の歳月をかけて熟成して作られます。中には、15年以上熟成されるものもあるのだとか!ワイン同様、熟成期間に応じた味わいの変化が楽しめるのも紹興酒の魅力のひとつです。

紹興酒はどうやって作られる?

いくつかの条件をクリアしなければその名を名乗れない紹興酒。一体どのように作られるのでしょうか。その製造方法は日本酒づくりにも似ており、どちらも米を原料に麹を加えて糖化させ、同時に酒薬によってアルコール発酵を行う「並行複発酵」で作られます。異なる点として、日本酒はうるち米を原料とするのに対し、紹興酒はもち米を原料とすること。さらに使用する麹も、日本酒が黄麹を使用しますが、紹興酒は麦曲(麦麹のようなもの)を使用します。熟成期間においては大きく異なり、日本酒は3年以上熟成させることが稀なのに対して、紹興酒は長いもので15年を超えるものもあります。

料理の味つけや下味にも!紹興酒の使い方

紹興酒はそのまま飲むほか、多くの中華料理で使われています。料理の味つけにはもちろん、肉や魚の臭み消しややわらかくする目的で下味に使うことも。蒸し料理や炒め物に使うイメージが強いかもしれませんが、野菜などを紹興酒を加えた調味液で漬ければ漬物としても楽しむことができますよ。このあとレシピもご紹介しますが、芳醇かつコクと旨味の強い紹興酒を使うことで、料理の味わいがグッとアップするので、今まで使ったことがなかった方もぜひ試してみてくださいね。

※紹興酒を漬物に使う場合はアルコールが含まれますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。

紹興酒はどのように飲むのがおすすめ?

ワインよりもやや高めのアルコール度数14~18度が一般的な紹興酒。強いお酒が苦手な方は、ソーダーやジンジャエール、トニックウォーターなどの炭酸類で割って飲むのもおすすめです。また温度によっても味わいが変化するため、常温はもちろん、40℃程度のぬる燗や、しっかり冷やした冷酒、また氷を入れたロックでいただく方法もあります。それぞれに異なる飲み口や六味の変化を味わってみると、紹興酒がより一層楽しめるはずですよ!

紹興酒を使ったレシピをご紹介

さてここからは、紹興酒を活用したレシピを7品ご紹介します。今まで料理酒や日本酒で代用して作っていたという方も多いかもしれませんが、紹興酒の奥深いコクは何にも代えがたいものです。ぜひレシピどおり、紹興酒を使って作ってみてくださいね。

本格的なルーローハン

豚バラ肉を八角とともに甘辛く煮込み、白いごはんにかけていただく台湾料理「ルーローハン」。日本でも人気がありますよね。こちらのレシピでは味つけに紹興酒を使用し、本場さながらの味わいに仕上げました。やわらかく旨味たっぷりの豚バラ肉にフライドオニオンと紹興酒のコク、八角の風味があいまって絶品ですよ!

紹興酒で酔っ払いエビのレンジ蒸し

紹興酒を加えたタレに、エビを加えて漬け込んで作る酔っ払いエビのレシピです。本来は生のエビを漬けてそのままいただきますが、このレシピでは加熱してアレンジしています。漬け込んだら電子レンジ任せなので、あっという間に作ることができますよ!紹興酒の香りと風味が染み込んだプリプリ食感のエビに、生姜やニンニク、長ねぎやパクチーなどの香味野菜が相性抜群です!

※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。 様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。

本格 四川風麻婆豆腐

刺激的な辛さが魅力の四川風麻婆豆腐です。日本の家庭で麻婆豆腐を作る場合は料理酒を使用することが多いかもしれませんが、紹興酒で作ることで味わいに深みが増しますよ。花椒の香りもアクセントになり、より一層麻婆豆腐のおいしさが引き立ちます。

鶏肉とピーマンのカラフル中華炒め

サッと作る炒め物も紹興酒を加えるだけで、旨味がグッとアップします!こちらは、鶏肉やパプリカ、ピーマンを使って作る中華炒めです。使う食材はシンプルですが、紹興酒の旨味がほかの食材の味を引き立ててくれますよ。生姜とごま油の風味にも食欲がそそられる一品です。

本格派 もちもち中華ちまき

モチモチとしたもち米と具材にしっかり味が染み込んだ中華ちまきをおうちで作ってみましょう!こちらのレシピでは具材に調味料を加えて煮込む際の煮汁に紹興酒を使用しています。具だくさんかつ風味豊かでボリュームも満点!竹皮に包めば本格的なちまきを楽しむことができますよ。

台湾風 味卵

台湾風煮卵「茶葉蛋」を作ってみませんか?紅茶をベースに、オイスターソースや紹興酒、しょうゆなどの調味料と八角やシナモン、ローリエや山椒などのスパイスを合わせた煮汁にゆで卵を漬けて、味を染みこませます。あらかじめ卵にヒビを入れてからゆでているので、殻を剥いた後の個性的な模様も楽しめますよ。

五香粉香る 台湾風豚の角煮

豚バラ肉を大きいまま煮込んで作る台湾風豚の角煮のレシピです。芳醇な旨味のある紹興酒、さらに黒砂糖を加えることでコク深い味わいの一品に仕上がりますよ。そのほかにも八角、五香粉など、香り高いスパイスを使用することで、より奥深く複雑な味わいをお楽しみいただけます。ぜひ試してみてくださいね。

※こちらのレシピは、はちみつを使用しております。 1歳未満(乳児)のお子様はお召し上がりにならないようご注意ください。 はちみつは、砂糖でも代用できます。それぞれ種類によって甘さが異なりますのでお好みで調整してください。

そのまま飲んで、料理に使って、紹興酒をもっと楽しもう!

いかがでしたか?今回は紹興酒についてご紹介しました。紹興酒がとてもこだわりを持って作られたお酒であること、またその複雑な香りや味わいが料理に取り入れた際に旨味になることがおわかりいただけたのではないでしょうか。紹興酒を見つけた際には、そのまま飲んで六味を感じてみるのはもちろん、料理にも生かしてワンランク上の一品に仕上げてみてくださいね。

こちらのレシピは紹興酒を使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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