春の七草の一つでもある「せり」。せりは根っこがついた状態で売られていることもありますが、根っこも食べられることを知っていますか?この記事では根っこの下処理方法や洗い方、おいしい食べ方について解説します。記事の後半では、せりを使ったおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【せり】の根っこは食べられる?下処理方法や食べ方についても解説!
- 目次
- せりの根っこは食べられる?
- せりは「春の七草」のひとつ
- 三つ葉との違い
- せりの下処理方法をご紹介
- せりのおいしい食べ方
- せりの産地や旬と種類
- せりを使ったレシピをご紹介!
- 冬せりは根っこまで食べておいしさを堪能しよう!
せりの根っこは食べられる?
せりは、シャキシャキとした食感と特有のさわやかな風味、そしてほろ苦さが特徴の野菜です。旬の時期のせりは、根っこがついた状態で売られていることが多いですが、
実はこの根っこ、新鮮なものであれば食べられる
ことをご存知ですか?
なんとなく根っこは捨ててしまいがちな部分ですが、せりの根っこは加熱すればおいしく食べられるんです!葉や茎、根っこ、それぞれ味や食感に違いがあり、なかには「根っこが最もおいしい」と感じる方もいるのだとか。
💡ワンポイント豆知識
水耕栽培のものであればせりは通年手に入る野菜です。ただし、根っこがついた露地ものは冬から春までの旬の時期しか出回りません。
せりは「春の七草」のひとつ
セリ科セリ属の多年草で、数少ない日本原産の野菜の一つである「せり」。ナズナやゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロとともに春の七草の一つとしても知られていて、七草粥の材料として使われます。
三つ葉との違い
そんなせりは一見すると三つ葉にも似ていますが、葉の数に違いがあるんです。三つ葉は名前の通り3枚の葉がついているのに対して、せりの葉は5枚。また、1つの場所から競り合うように伸びる様子から「せり」という名前がついたといわれています。
せりの下処理方法をご紹介
七草粥やせり鍋など、さまざまな料理に活用できるせりですが、根っこごとおいしく食べるには、正しく下処理をする必要があります。ここでは、せりの下処理方法について確認してみましょう。
根っこを洗う
せりの根っこを使わないときは根っこを切り落とすだけでよいですが、根っこごと料理に使いたい場合は根っこについている泥をしっかり落とすことがポイントです。
【せりの根っこの洗い方】
①水を張ったボウルの中で、せりの根っこ部分を洗う
※竹串や歯ブラシなどを使い、根っこと根っこの間の汚れをよくかき出す
②ボウルの水を入れ替え、茎や葉も洗う
③根っこと茎、葉に切り分け、料理に使う
【ポイント】
- 根っこと根っこの間の細かい部分の泥をしっかり落としましょう。水を流しながら洗ったり、根っこを水に浸して数分間おくことで、泥や汚れが落ちやすくなります。
- 茎が太くて根っこが入り組んでいるものは、縦半分に切ると洗いやすくなります。
- 水耕栽培のせりの根っこの部分にはスポンジがついているものもあります。その場合は食べられないので、根っこの部分を切り落としましょう。
アクを抜く
せりをお浸しにする場合はアク抜きが必要です。また、せりのシャキシャキとした食感を残すためには、短い時間でサッとゆでることがポイントとなります。
【せりのアクの抜き方】
①鍋にたっぷりの湯を沸かす
②鍋にせりの茎側から入れ、全体をゆでる
③ゆですぎないようにし、すぐ冷水にとる
④しばらく水にさらした後、水気を切る
【ポイント】
- ゆでた後すぐに水にさらせるよう、冷水を事前に準備しておきましょう。
せりのおいしい食べ方
続いて、せりのおいしい食べ方について解説します。せりのおいしさを活かす調理のポイントも合わせてご説明するので、参考にしてみてくださいね。
鍋料理
せりといえば「せり鍋」も有名ですよね。せり鍋はせりの生産が盛んな宮城県の郷土料理で、鶏肉や鴨肉、豆腐、葉野菜、根菜、そしてせりを根っこごと煮て食べます。
鍋の具材にするときは、せりのシャキシャキとした食感を楽しむために、煮込みすぎに注意しましょう。火の通りにくい具材を先に鍋に入れ、せりは最後に鍋に入れてさっと加熱する程度にすると食感よく仕上がります。
天ぷら
せりを使った天ぷらは、季節を感じる味わい!茎や葉と根っこを別々に揚げて食べ比べてみるのもおすすめです。
にんじんや桜えびなど、ほかの食材と一緒にかき揚げにしてもおいしいですよ。
炒め物
せりの葉、茎、根っこまで楽しみたいなら、炒め物がおすすめ!豚肉やベーコンなどと一緒に炒めると、ごはんのおかずにもお酒のおつまみにもぴったりな一品ができあがります。
シャキシャキとした食感を残すため、葉や茎の部分は加熱しすぎないよう注意しましょう。根っこ部分はしっかり火を通す必要があるので、お肉などと一緒に、早めのタイミングから炒め始めるのがおすすめです。
和え物、お浸し
茹でたせりを使って、和え物やお浸しを作ってみてはいかがでしょうか。シンプルな味つけのお浸しなら、せりのさわやかな風味やほろ苦さを楽しめます。ごま和えや白和えにもよく合いますよ。
シンプルにせりとかつおぶしだけで作ったり、しめじやえのき、しらすなどを組み合わせるのもおすすめですよ!
サムギョプサル
近年韓国では、サムギョプサルにせりをまるごとのせて食べる「ミナリサムギョプサル」も親しまれています。日本でも注目されていて、韓国料理店などで提供しているお店もあるんですよ。「ミナリ」というのが韓国語で「せり」を意味しています。
焼いたサムギョプサルのうえにせりを一束のせて香りを移し、そのあとはせりもカットして食べるのが定番なのだとか!ぜひ試してみてくださいね。
せりの産地や旬と種類
せりの主な産地は、宮城県や茨城県です。なかでも、宮城県名取市や石巻市での栽培が盛んで、それぞれ「仙台せり」と「河北せり」が名産品となっています。
主な出荷時期は9月から6月頃。そのなかでも、収穫時期によって風味や食感に違いがあります。
| 冬せり | 春せり | |
|---|---|---|
| 別の呼び方 | 根せり | 葉せり |
| 収穫時期 | 9~3月 | 4~6月 |
| 香り | 強い | さわやか |
| 食感 | 歯ごたえがある | やわらかい |
| 食べる部分 | 葉、茎、根っこ | 主に葉や茎 |
| 向いている料理 | 鍋物や汁物 | お浸しや和え物 |
冬せりと春せりで味わいや食感、香りも異なるので、ぜひそれぞれの旬の時期に最適な食べ方で召し上がってみてくださいね。
せりを使ったレシピをご紹介!
さてここからは、せりを使ったおすすめレシピをご紹介します。風味豊かなせりとしいたけの炊き込みご飯や、華やかな見た目のマグロの生姜オイルサラダなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
あったか 鶏肉でせり鍋
やはりまずはお鍋でせりを楽しんでみましょう。鶏肉の旨味とせりの風味が口の中に広がり、ほっとするような味わいです。せりを根っこごと楽しめるので、ぜひ作ってみてくださいね。
せりとしいたけの炊き込みご飯
風味豊かな、せりとしいたけの炊き込みご飯のレシピをご紹介します。シンプルな材料で作ることができますが、せりの風味としいたけの旨味が絶妙にマッチして、何杯でも食べたくなるおいしさ!ぜひお試しくださいね。
ホタルイカとせりのおろし和え
副菜やおつまみにもおすすめ!ホタルイカとせりのおろし和えを作ってみましょう。ポン酢と大根おろしを使ったさわやかな味わいで、箸がどんどん進みます。シャキシャキとしたせりの食感を楽しむため、加熱しすぎないようにゆで時間を調整してみてくださいね。
イカとせりの酢コチュジャン和え
やみつきになるおいしさの、イカとせりの酢コチュジャン和えのレシピです。酸味と辛味、甘み、そしてニンニクの香りが効いたタレがイカとせりに絡んだ、後引くおいしさの一品。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
マグロの生姜オイルサラダ
彩り豊かな、マグロの生姜オイルサラダはいかがでしょうか。相性抜群のマグロとアボカドに、せりや生姜のさわやかな風味がよく合い、とてもおいしいですよ。見た目も華やかで、おもてなしにもぴったり!ぜひ作ってみてくださいね。
冬せりは根っこまで食べておいしさを堪能しよう!
今回は、せりの特徴や下処理の方法、おいしい食べ方について解説し、せりを使ったおすすめレシピをご紹介しました。せりの根っこをきれいに洗うのには少し手間がかかりますが、葉や茎とはまた違うおいしさを楽しめます。今回ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちでせりを使った料理を作ってみてくださいね。
