2024.6.4

甘夏とは?特徴や栄養、おいしい食べ方について詳しく解説!

甘夏とは?特徴や栄養、おいしい食べ方について詳しく解説!

甘酸っぱさとほのかな苦味が魅力の「甘夏(あまなつ)」にはどのような特徴があるのでしょうか。この記事では、甘夏の特徴や含まれている栄養素、保存方法、さらに見た目がよく似ているいよかんやはっさくとの違いについて解説します。記事の後半では、おいしい食べ方や甘夏を使ったレシピもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • 甘夏とは?
  • 甘夏の特徴とは?いよかんやはっさくとはどう違う?
  • いよかんとは?
  • はっさくとは?
  • 甘夏のカロリーや栄養素は?
  • 夏みかん 生 可食部100gあたり
  • 夏みかん 生 1個分(450g) 可食部248gあたり
  • 甘夏にはビタミンCがたっぷり!

甘夏とは?

「甘夏」は、昭和25年に品種登録されたかんきつ類で、正式名称は「川野夏橙(かわのなつだいだい)」といいます。大分県にある川野氏の農園で発見されたことが、名前の由来となっているのだそうです。

発見されたのは昭和10年頃。「夏みかん(夏橙)」を栽培している中で、酸が抜けるのが早い枝変わり種として見つかりました。枝変わりとは、一本の木の中で一部分だけほかの枝と違う形質になる現象のことです。これは細胞の突然変異によって発生します。もしその枝変わりした部分の特性が病気に強かったり、早く収穫できるというように元の品種よりも優れていた場合は、その変異した枝に挿し木などをして増やすことで、新品種として確立させることも可能になるのです。

今回テーマである甘夏は先ほども触れたように「酸が抜けるのが早い」という点が特性であり、夏みかんの一種として昭和30年頃から栽培され始めました。

そんな甘夏の旬の時期は2~6月。比較的長い期間楽しめるかんきつ類です。酸味をやわらげるために、春先まで収穫を待って完熟させたり、収穫後に貯蔵して酸味を抜いてから出荷することもあるのだとか。

しかし、昭和40年代にグレープフルーツの輸入自由化が始まったことによって甘夏の生産量は減少傾向にあるようです。また、近年、多種多様なフルーツが輸入されたり開発されている影響で、柑橘類自体の消費量も減少していると言われています。

甘夏の特徴とは?いよかんやはっさくとはどう違う?

続いては、甘夏の味や重さといった特徴について解説します。

甘夏は、大きさが直径約10cm、重さは約450gと、かんきつ類の中でも大ぶりです。さっぱりとした甘さとほろ苦さがあるのが特徴で、身はつぶつぶと噛みごたえのある食感をしています。外皮はオレンジ色でやや厚め。手で剥くのは難しいので、包丁で切れ目を入れてから剥くのが一般的です。また、薄皮も厚いので、そのまま食べたり、料理やお菓子作りに使う場合は剥いて身だけ取り出していただきます。薄皮の中には種があるので、取り除いて食べましょう。

ここで、見た目の似ているいよかんやはっさくとの違いについても合わせて確認してみましょう。

いよかんとは?

直径約8cm、重さ約250gと甘夏より少し小ぶりながら、見た目は甘夏にそっくりのいよかん。味は甘夏に比べて甘みが強く、やわらかな果肉が特徴です。皮には厚みがありますが、手でも剥くことができます。旬の時期は甘夏より少し早い、1~3月です。

はっさくとは?

はっさくも甘夏とよく似ています。甘酸っぱさと特有の苦味がある点もよく似ていますが、甘夏より水分が少なく、噛むとサクッとした歯ごたえがあるのが特徴です。大きさは、直径約9cm、重さ約350gと、甘夏より少し小ぶりです。収穫時期は12~2月頃で、収穫後に貯蔵して酸味をやわらげて出荷するので、2~3月頃がおいしい時期だとされています。

甘夏のカロリーや栄養素は?

続いて、甘夏に含まれるカロリーや栄養素についてチェックしてみましょう。以下で、甘夏の可食部100gと、1個(450g)の可食部に含まれる栄養素を解説します。なお、甘夏は夏みかんの一種とされていることから、ここでは夏みかんのデータを参照します。

夏みかん 生 可食部100gあたり

栄養素 数値
エネルギー 42kcal
たんぱく質 0.9g
たんぱく質 0.1g
炭水化物 10.0g
食物繊維 1.2mg
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンC 38mg
カリウム 190mg

夏みかん 生 1個分(450g) 可食部248gあたり

栄養素 数値
エネルギー 104kcal
たんぱく質 2.2g
たんぱく質 0.2g
炭水化物 24.8g
食物繊維 3.0mg
ビタミンB1 0.2mg
ビタミンC 94mg
カリウム 471mg

※甘夏の廃棄率は45%のため、1個450gあたりの可食部は248gとして算出しています。

※参照:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

甘夏にはビタミンCがたっぷり!

甘夏に含まれる栄養素で特に注目したいのがビタミンC。甘夏1個の可食部に含まれるビタミンCは94mgで、これは一日の推定平均必要量を満たす量です。ほかにも積極的に摂りたい栄養素が多く含まれているので、以下でご説明します。

ビタミンC

ビタミンCには身体の調子を整える働きがあり、抗酸化作用を持つ栄養素です。皮膚や血管、軟骨にあり、細胞同士をつなげているコラーゲンの生成にも欠かせない成分で、皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあります。また、鉄の吸収を助ける働きもあります。

食物繊維

食物繊維は、水分を吸収して膨張することで便をやわらかくし、便通を整えます。また、脂質や糖、ナトリウムなどを体外に排出する働きがあります。さらに食物繊維は膨らみ、かさが増すので満腹感が得られ、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。

甘夏の保存方法は?

続いて、甘夏の保存方法についてご説明します。

甘夏は、直射日光の当たらない涼しい場所での保存が適しています。甘夏の旬の時期でもある春は、気温が上がる日もある時期なので、冷蔵庫の野菜室で保存するとよいでしょう。

保存中に乾燥するのを防ぐためには、ラップや新聞紙で包むのがおすすめです。

甘夏のおいしい食べ方は?

甘夏は皮を剥いてそのまま食べるのももちろんおいしいですが、ほかにもおいしい食べ方があるので、以下でチェックしてみましょう。

ゼリー

甘夏のさわやかな甘さはゼリーにぴったり!食後のデザートにもおすすめですよ。

サラダ

さっぱりとした味わいの甘夏は、サラダにもよく合います。しっかりとした歯ごたえと鮮やかなオレンジ色で、味わいでも見た目でも存在感を発揮してくれます。

マーマレードジャム

皮まで使ってジャムを作れば、甘夏を余すことなく食べられますよ。甘酸っぱさとほろ苦さが凝縮されたマーマレードジャムは、パンやヨーグルトによく合います。ぜひ試してみてくださいね。

甘夏を使ったおすすめレシピをご紹介!

ここからは、甘夏を使ったおすすめレシピをご紹介します。ゼリーやチーズケーキといったスイーツから、さっぱりとした味わいのサラダまで、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。

ゴロゴロ あまなつゼリー

さわやかな味わいの、あまなつゼリーを作ってみましょう。絞った甘夏の果汁をゼラチンで固め、ゼリーにしました。絞らずにそのまま加えた果肉の食感がよいアクセントとなり、とってもおいしいですよ。

あまなつの甘さ控えめジャム

短時間で作れる、甘夏ジャムのご紹介です。今回は三温糖を使ってコクのある味わいに仕上げましたが、砂糖やグラニュー糖でもおいしくお作りいただけますよ。濃縮された甘夏のおいしさがパンやヨーグルトにぴったりの一品です。

あまなつジャムでレアチーズケーキ

甘夏ジャムを使って、レアチーズケーキを作ってみましょう。さっぱりとした甘さのレアチーズケーキに、甘夏のさわやかな香りが相性抜群!ぜひチャレンジしてみてくださいね。

あまなつとハーブのさっぱりサラダ

香り豊かな、あまなつとハーブのサラダはいかがでしょうか。イタリアンパセリやミント、ディルといったさわやかな風味のハーブと、甘酸っぱくてほろ苦い甘夏がよく合います。彩りもよく、ちょっぴり大人な味わいのサラダです。

さっぱりとした甘さが魅力!甘夏を食べてみよう

今回は、甘夏の特徴や栄養素、おいしい食べ方について解説しました。甘酸っぱくて、デザートやおやつだけではなく、おかず作りにも活躍する甘夏。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひいろいろなメニューに挑戦してみてくださいね。

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