ホルモンのひとつである「トリッパ」をご存じでしょうか。「ハチノス」とも呼ばれる牛の胃袋の部分ですが、特有の弾力のある歯ごたえと旨味が味わえる希少な部位なんです。この記事では、トリッパの特徴やおいしい食べ方について解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
ホルモン「トリッパ」とは?部位や味の特徴、食べ方についても解説!
- 目次
- トリッパとは?
- トリッパはどんな味?
- トリッパをおいしく食べる方法
- 下処理が大切!トリッパのおいしさを味わおう
トリッパとは?
「トリッパ(trippa)」はイタリア語で、牛などの反芻動物の胃の総称です。牛は4つの胃袋を持ち、トリッパはおもに第2胃袋のことを指します。胃の中でもポンプ的な役割を果たす部位で、牛が飲み下したエサを第1胃袋に押し戻したり、第3胃袋に送ったりします。
表面にボコボコとした穴が開いている見た目が蜂の巣に似ていることから、日本では「ハチノス」とも呼ばれています。一頭の牛から500g~1kg程度しか取れない希少部位なんですよ。数あるホルモンのなかでもとくに味がよいとされ、日本では焼肉店などでも人気のある部位です。トリッパは、未処理の状態では黒い色をしていますが、皮を取り除くと乳白色をしています。
イタリアでは、トリッパのトマト煮込みが定番料理として親しまれています。地域によって特徴が少し異なり、使用するハーブやスパイスの違いがあったり、スープ仕立てにしたりとバリエーションがあるようです。また、中華料理では野菜と和えて冷菜にしたり、炒め物にしたりします。日本では焼肉店などで食べることができますが、一般的なスーパーなどではあまり見かけないかもしれません。精肉店などでは比較的手に入りやすいでしょう。
トリッパはどんな味?
トリッパは、淡白ながら旨味のある味わいと、弾力のある歯ごたえが特徴です。噛めば噛むほど、その旨味とコクが味わえますよ。トリッパ自体はあっさりとしているので、タレと合わせたり、煮込みにしたりとホルモンのなかでもとくに弾力が楽しめる部位ですが、筋は無い部位なので噛み切ることができます。特有の歯切れのある食感がクセになりますよ。じっくり煮込むとやわらかくとろけるような食感になり、また違ったおいしさが味わえます。 しっかりとした味つけの料理によく合います。
トリッパをおいしく食べる方法
トリッパはホルモン特有の臭みがありますが、丁寧に下処理をすることでおいしく食べることができますよ。トリッパの表面に黒い皮がついている場合は、臭みの原因となるためしっかりと取り除く必要があります。お湯に浸して少し置いておくと皮がやわらかくなるので、スプーンでこするときれいに取ることができます。皮を取り除いたトリッパはゆでこぼし、料理に使います。黒い皮が取り除かれた乳白色の状態で販売されているものを購入すると簡単ですよ。
トリッパの定番料理といえば、やはりトマト煮込みです。じっくりと煮込むことでやわらかくなり、噛むほどに旨味が味わえますよ。煮崩れしにくく、表面にしっかりとソースが絡むので、とてもおいしく仕上がります。下ゆでの際に、セロリや玉ねぎなどの香味野菜を一緒に入れることで、臭みが消えて野菜の香りが移ります。
また、シンプルに焼肉として食べるのもおすすめです。下処理でゆでてあるので、表面に焼き色がつけば食べられます。こんがりと香ばしく焼くことで、トリッパの旨味と食感が引き立ちますよ。あまり焼きすぎると固くなるので注意してくださいね。
下処理が大切!トリッパのおいしさを味わおう
牛の胃袋のひとつであるトリッパは、一頭の牛からわずかしか取れない希少な部位です。下処理さえ丁寧に行えば、特有の食感と旨味が楽しめますよ。トリッパを見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。