独特の風味をもつ「三つ葉」は、茶碗蒸しやお吸い物など日本料理に使われることが多い食材ですよね。料理の風味付けや彩りとして使うことが多いので、普段の食事では食べる機会が少ないのではないでしょうか?
三つ葉の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」
そんな三つ葉は、βカロテンを豊富に含み、食物繊維やカルシウム、鉄、葉酸、ビタミンKなどさまざまな栄養素をバランスよく含んでいます。また、三つ葉特有の香りには、精神を安定させたり食欲を増進させる成分が含まれているんです。意外と知られていない効果がたっぷり!
今回は、三つ葉に含まれる栄養素と、選び方やおすすめの食べ方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 目次
- 三つ葉ってどんな野菜?
- 三つ葉の種類は?
- 主要な栄養素はこちら
- 香りに含まれる成分にも注目!
- 新鮮な三つ葉の選び方
- 食べ方のポイント:加熱しすぎないこと
- 「三つ葉」を主役にして楽しもう!
三つ葉ってどんな野菜?
三つ葉は日本に自生しているハーブの一種で、ふきやわらびのように山野で収穫することができます。自生している三つ葉は、売られている一般的な三つ葉と違い、葉が大きめで茎が太く、風味が強いのが特徴です。葉柄の先に3枚の葉がついていることから「三つ葉」と呼ばれるようになりました。
一年中スーパーなどで見かけますが、3月頃から初夏にかけてが旬の時期です。この時期のものはより風味がよく、シャキシャキとした歯触りが楽しめますよ。
三つ葉の種類は?
市場に出回っている三つ葉は栽培されたもので、「根三つ葉」、「切り三つ葉」、「糸三つ葉」の3種類に分けられます。スーパーなどで売られている三つ葉は、ほとんどが糸三つ葉です。
■糸三つ葉
水耕栽培なのでとくに旬の時期がなく、一年中店頭に並んでいます。葉が小さめで香りが高いのが特徴。お吸い物や茶碗蒸しなど、風味付けや彩りに使われることが多い一般的な三つ葉です。
■切り三つ葉
根を切り落とした三つ葉です。葉セロリに似ており、茎が細くて白く、やわらかいのが特徴です。口当たりがよく上品な香りなので、お正月のお雑煮やお吸い物などによく使われます。
■根三つ葉
文字通り根がついたまま収穫された三つ葉のことで、しっかりとした根をつけています。茎は白くて太いのが特徴。シャキシャキとした食感を味わえるので、お浸しや和え物、卵とじなど三つ葉を主にした料理に向いています。
主要な栄養素はこちら
緑黄色野菜に分類される三つ葉には、強い抗酸化作用をもつ「βカロテン」や血液の凝固作用がある「ビタミンK」が豊富に含まれています。この2つの栄養素をとくに多く含んでいるのが「糸三つ葉」。
糸三つ葉100gに含まれる主要な栄養素は以下の通りです。
-
13キロカロリー
-
たんぱく質 0.9g
-
脂質 0.1g
-
炭水化物 2.9g
-
カルシウム 47mg
-
リン 47mg
-
マグネシウム 21mg
-
カリウム 500mg
-
ビタミンC 13mg
香りに含まれる成分にも注目!
三つ葉に含まれる栄養素の中でも、とくに注目したいのが下記の4項目。三つ葉特有の香りに含まれる聞きなれない成分「クリプトテーネン」と「ミツバエン」にも注目です!
■βカロテン
「糸三つ葉」に含まれるβカロテンは、根三つ葉が1700μg、切り三つ葉が720μgなのに対して、3200μgとなっています。抗酸化作用があるビタミンCとの相乗効果で、免疫力を高める効果が期待できます。また、体内でビタミンAに変換されるため、皮膚や粘膜、目の角膜の保護にも効果が期待できます。
■ビタミンK
血液を凝固するためには、12種類もあると言われている「凝固因子」という物質が必要ですが、その凝固因子の生成を助けるのがビタミンKです。また、骨の形成を促す作用があるので、骨粗鬆症の予防にも効果が期待できます。
■カリウム
ナトリウムとともに細胞の浸透圧を調整しているほか、余分な塩分を体外へ排泄させる働きがあるため、高血圧予防やむくみ解消に効果が期待できます。
■香り成分「クリプトテーネン・ミツバエン」
三つ葉特有の香りには、クリプトテーネンとミツバエンという成分が含まれており、リラックス効果や食欲を増進する効果があると言われています。ストレスでイライラしたときや不眠を解消したいときに摂ると効果が期待できます。
新鮮な三つ葉の選び方
三つ葉の魅力は、なんといってもあの爽やかな香りですよね。新鮮なものほど香りがいいので、以下の2つのポイントに気を付けて、おいしい三つ葉を選びましょう。
●根元から葉先までピンと伸びてハリがあるか
新鮮な三つ葉は水分をたくさん含んでいるので、茎にも葉にもみずみずしさがあります。茎が変色していたり、元気がないものは鮮度が落ちているので避けるようにしましょう。
●葉の緑色が鮮やかで、色が濃いか
葉が黄色く変色しているものは鮮度が落ちた証拠なので、避けるようにしましょう。また「切り三つ葉」の場合は、茎の部分が白くてハリがあり、切り口がみずみずしいものを選びましょう。
食べ方のポイント:加熱しすぎないこと
三つ葉は加熱しすぎると色や歯触りが悪くなり、風味も落ちてしまうので、お吸い物や丼ものなどトッピングに使う際は、火の止め際や器に盛ってから添えることをおすすめします。
火を加え過ぎないことでカリウムは効率よく摂取できますが、βカロテンとビタミンKは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。
おすすめの食べ方
油を使った炒め物やかき揚げなどは、脂溶性ビタミンの吸収率を高めるのでおすすめです。かき揚げにすることで、三つ葉が苦手な方でも食べやすくなりますよ。カルシウムが多い桜エビと合わせることで栄養価も高まります。
ただし、脂溶性ビタミンは摂りすぎると体内に蓄積されるので、ビタミン剤を摂取している場合は注意する必要があります。
「三つ葉」を主役にして楽しもう!
三つ葉に含まれる栄養素と、おいしい三つ葉の選び方をご紹介しました。βカロテンやビタミンK、カリウムなどが含まれている三つ葉は、彩りとして活用するだけでなく、主役にして食べるのもおすすめです。
調理する際は火を加えすぎないことがポイント。炒め物などの油を使った調理では、さっと炒めて、他の具材と合わせるときは最後に加えて軽く火を通す程度にしましょう。
また、クラシルでは三つ葉の保存方法についてもご紹介しています。新鮮な三つ葉を選んだら、正しい保存方法でおいしさを楽しんでくださいね。