私たちのからだを動かすエネルギー源として欠かせない栄養素である「炭水化物」。どんな栄養素なのかご存じでしょうか?この記事では、炭水化物が含まれる食材の種類や、炭水化物と糖質の違いなどについて解説します。炭水化物をほかの食材に置き換えたレシピも必見ですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね。
炭水化物にはどんな種類がある?糖質との違いも解説!
- 目次
- 炭水化物とは
- 炭水化物を多く含む食品
- 穀類
- いも及びでん粉類
- その他の食品
- 炭水化物の一日の目標量は?
- 炭水化物を抑えたレシピ
- 低糖質 カリフラワーライスのチャーハン
炭水化物とは
炭水化物とは、その名の通り炭素と水素の化合物です。たんぱく質、脂質と合わせて「エネルギー産生栄養素」と呼ばれ、体を動かすエネルギー源となります。
炭水化物は、体内で消化・吸収されてエネルギーとなる「糖質」と、体内の消化酵素では消化できない「食物繊維」に大きく分けられます。
炭水化物と糖質は近い意味で使われていることが多いので混同しがちですが、「炭水化物=糖質と食物繊維を合わせたもの」と覚えておくとよいでしょう。
炭水化物から得られるエネルギーは、そのほとんどが糖質に由来し、1g当り4kcalのエネルギーを産生します。食物繊維は腸内細菌によって発酵分解されてエネルギーを産生しますが、その量は1g当り0~2kcalとごくわずかです。
炭水化物はからだにとって重要なエネルギー源なので、不足するとエネルギーが足りなくなり、疲労感を感じやすくなったり、集中力が低下したりすることがあります。
一方で、炭水化物の摂取量が過剰になると、エネルギーとして消費しきれなかった糖質は中性脂肪として蓄積されてしまいます。肥満や生活習慣病の原因ともなるため、摂り過ぎには注意が必要です。
炭水化物を多く含む食品
炭水化物は、おもに米やパン、麺類などの主食となる穀類に多く含まれています。また、いも類やにんじん、れんこんなどの根菜類にも含まれています。
以下で炭水化物を多く含む食品を種類別にご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
穀類
主食となる穀類は、食べる量が多く重要なエネルギー源となります。ダイエットを意識している場合でも、炭水化物を抜いたりせず、適量を食べることが大切です。
100g当りの炭水化物含有量
【水稲穀粒】 【水稲めし】
- インディカ米 炊飯前 77.7g 炊飯後 41.1g
- うるち米 炊飯前 77.6g 炊飯後 37.1g
- もち米 炊飯前 77.2g 炊飯後 43.9g
- 玄米 炊飯前 74.3g 炊飯後 35.6g
- もち 50.8 g
- ロールパン 48.6g
- 角形食パン 46.4g
- 押麦(乾燥) 78.3g
- オートミール 69.1g
- コーンフレーク 83.6g
- ビーフン(乾燥) 79.9g
- マカロニ・スパゲッティ(乾燥) 73.1g
- そうめん・ひやむぎ(乾燥) 72.7g
- うどん(乾燥) 71.9g
- そば(乾燥) 66.7g
- 即席中華麺(油揚げ・乾燥) 65.5g
- 蒸し中華めん 35.6g
いも及びでん粉類
さつまいもやじゃがいもなどのいも類にも、炭水化物が多く含まれています。こんにゃくやしらたきは炭水化物の量が控えめなので、炭水化物の摂取量を抑えたいときには取り入れるとよいでしょう。
100g当りの炭水化物含有量
- くずきり(乾燥) 87.7g
- 緑豆春雨(乾燥) 87.5g
- さつまいも(皮つき・生) 33.1g
- フライドポテト 32.4g
- じゃがいも(皮つき・生) 15.9g
- ながいも(生) 13.9g
- さといも(生) 13.1g
- 板こんにゃく(生いも) 3.3g
- したらき 3.0g
その他の食品
バナナなどの果物や、れんこん、にんじんなどの根菜にも炭水化物が含まれています。豆腐や卵などのたんぱく質を多く含む食品には、炭水化物はごくわずかしか含まれていません。
100g当りの炭水化物含有量
- バナナ 22.5g
- かぼちゃ(西洋) 20.6g
- れんこん 15.5g
- にんじん 9.3g
- アボカド 7.9g
- ブロッコリー 6.6g
- トマト 4.7g
- ズッキーニ 2.8g
- 絹ごし豆腐 2.0g
- 木綿豆腐 1.5g
- 卵(生) 0.4g
炭水化物の一日の目標量は?
炭水化物は、一日にどれくらいの量を摂るのがよいのでしょうか?厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、一日の摂取エネルギー全体の50~65%を目標量としています。
ここで、18~29歳女性で、学生や事務職など(身体活動レベルⅡふつう)の場合をみてみましょう。推定エネルギー必要量は2000kcalなので、炭水化物から摂るエネルギーは1000~1300kcalが目標量の範囲となります。 炭水化物は1g当り4kcalのエネルギーをもちますので、一日当り250~325gが適量ということになります。
先ほどご紹介した炭水化物を含む食品の一覧を参考に、一日でどのくらいの量を食べるのがよいのか確認してみてくださいね。
炭水化物を抑えたレシピ
ここで、ごはんや麺などの炭水化物を含む食品を、ほかのものに置き換えたレシピをご紹介します。
低糖質 カリフラワーライスのチャーハン
カリフラワーライスで作るチャーハンはいかがでしょうか。細かく刻んだカリフラワーをごはんの代わりに使うことで、炭水化物の量を抑えています。具材にはふんわり卵とにんじん、ピーマンを加え、彩りよく仕上げました。ボリュームもあるので、しっかりお腹が満たされますよ。ぜひお試しくださいね。
きのこたっぷり 白滝ぺペロンチーノ風
パスタを白滝で代用した、ペペロンチーノ風の一品です。ニンニクの風味とピリッと辛い鷹の爪が味の決め手になり、手が止まらないおいしさ。白滝を塩ゆでしておくことで、臭みが抜けて下味もつくので、おいしく仕上がりますよ。炭水化物を控えたいけどパスタが食べたい!そんなときにおすすめのレシピです。
ズッキーニのラザニア風
薄くスライスしたズッキーニをラザニアの皮の代わりにした、アイデアレシピのご紹介です。旨味たっぷりの豚ひき肉がズッキーニに馴染んで、とてもおいしいですよ。とろけるチーズのまろやかなコクで、食べ応えも抜群!炭水化物を抑えながらも、しっかり満足感が得られますよ。ぜひ作ってみてくださいね。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
炭水化物は一日の適量を意識してみよう
炭水化物は、私たちのからだを動かすエネルギー源となる、必要不可欠な栄養素です。ダイエットを意識している場合でも極端に制限したりせずに、適量を食べるようにしましょう。一方で、炭水化物を摂り過ぎると肥満や生活習慣病の原因になることも。もし炭水化物を食べ過ぎてしまった日には、ご紹介したレシピを参考にしていただき調整してみてくださいね。
※健康維持のためには、1日3食バランスのよい食事が基本となります。無理な糖質制限は健康を害する場合があるためご注意ください。 ※持病をお持ちの方や妊娠中の方は、低糖質の食事をおすすめできない場合があります。必ずかかりつけの医師や専門家に相談してください。また、個人の身体状況や生活によって1日に必要な糖質量は異なります。個人の身体状況にあわせた摂取量や、食材の代用などについてはお答えできかねますのでご了承ください。