最終更新日 2023.3.30

落花生の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

落花生の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

カリッと香ばしい風味が魅力の落花生。落花生といえばバターピーナッツなど輸入品が定番ですが、実は秋になると国産の「生落花生」が出回るんです。今回は、そんな落花生に含まれる栄養素や、正しい食べ方、新鮮なの選び方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • 花が落ちて実が生まれる「落花生」
  • 秋だけに味わえる国産「生落花生」
  • 日本で栽培されている品種は5種類のみ
  • 炒り落花生向け品種
  • ゆで落花生向け品種
  • 主要な栄養素はこちら
  • 小さな粒の中には栄養素がぎっしり!
  • 品種に合わせた調理法で

花が落ちて実が生まれる「落花生」

「落花生」は「ピーナッツ」とも呼ばれていますが、ナッツ(木の実)ではなくマメ科の植物です。夏になると黄色い花を咲かせ、その花が受粉して落ちると土の中に潜って実が生まれることから「落花生」と名付けられました。

秋だけに味わえる国産「生落花生」

日本で販売されている落花生のほとんどが輸入品ですが、旬である8月〜10月には国産の生落花生が出回ります。落花生は生では食べられませんが、新鮮なものを炒ったりゆでたりすることで、他にはないほどに甘く香ばしい風味が楽しめます。

日本で栽培されている品種は5種類のみ

落花生は世界中で栽培されており、なんとその品種は1600種類以上になります。日本には17種類程の品種がありますが、現在栽培されているのはわずか5種類のみ。その70%〜80%は千葉県で生産されており、特に八街市(やちまたし)の落花生は甘味が強く風味がいいのが特徴です。

炒り落花生向け品種

■千葉半立(ちばはんだち)
日本で栽培されている落花生の在来品種。炒ったときの風味がとてもよく、甘味が強くて濃厚な味わいが特徴です。国産落花生の最高品種とされていますが、栽培が難しく収穫量が少ないため価格も高価です。

■中手豊(ナカテユタカ)
千葉県で最も多く生産されている品種。ややあっさりとした味わいで、殻が白くて大粒なのが特徴です。一般的に「千葉県産」と表記されている商品はこちらの中手豊である場合が多いです。

■Qなっつ(きゅーなっつ)
2018年から販売された新品種。「Pナッツを超すQなっつ(アルファベット順でPの次はQ)」の名のとおり、他の品種にはない程はっきりとした甘味が特徴です。

ゆで落花生向け品種

■郷の香(さとのか)
中手豊をゆで落花生用に品種改良した新しい品種。皮が薄くて渋味が少なく、炒るよりゆでた方が甘味があっておいしいのが特徴です。一般的にゆで落花生といえば、こちらの品種を指すことが多いです。

■おおまさり
他の落花生の2倍の大きさがある新品種。「大きなきなサヤで食味が勝る」ことから「おおまさり」と名付けられました。ゆでるととてもやわらかく、まろやかで甘味があるのが特徴です。

主要な栄養素はこちら

落花生(生)100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。

・エネルギー 306kcal
・たんぱく質  12.0g
・脂質  24.2g
・炭水化物  12.4g
・ビタミンB1 0.54mg
・ビタミンB6 0.21mg
・ビタミンE(α-トコフェロール) 7.2mg
・ナイアシン 10.0mg
・カリウム 450mg
・マグネシウム 100mg
・亜鉛 1.2mg
・葉酸 150μg
・食物繊維 4.0g

※参照:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

小さな粒の中には栄養素がぎっしり!

生落花生の約24%は脂肪分ですが、そのほとんどはオレイン酸やリノール酸などの不和脂肪酸です。他にもビタミンB1、ビタミンE、ナイアシン、マグネシウム、葉酸などの栄養素を多く含み、特にナイアシンの含有量は野菜の中でもトップクラスです。

■脂肪分(オレイン酸・リノール酸)
オレイン酸やリノール酸などの不和脂肪酸は、脂肪分として身体に蓄積されにくい良質な油です。悪玉コレステロール値を下げる効果が期待できます。

■ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、活性酸素を抑えて不和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがあります。また、血管を酸化から守って血行を促す働きもあるため、筋肉疲労や頭痛を抑える効果が期待できます。

■ナイアシン
ビタミンB3とも呼ばれるナイアシンは、肝臓の代謝を助けてアセトアルデヒドを分解し、二日酔いを予防する効果が期待できます。

■マグネシウム
マグネシウムはエネルギーの生産や骨の形成に深く関わっています。不足すると脱力感や眠気を感じたり、骨がもろくなる可能性があります。

品種に合わせた調理法で

落花生は生のままでは食べられません。品種によってフライパンで炒るか、塩水でゆでていただきましょう。調理で気を付けたいポイントは以下の3つです。

■調理する前によく洗う
落花生の殻には土が付いている場合が多いので、必ずきれいに洗ってから調理しましょう。

■炒ることで栄養価が増す
落花生は炒ることで、栄養素が凝縮されます。特にナイアシンや食物繊維は倍近くなるので、栄養を余すことなく摂りたい方は炒り落花生がおすすめです。

■ゆでる場合は殻ごと
落花生は殻ごとゆでることで、旨味を逃さずホクホクとした食感に仕上がります。ゆでる場合は3%の塩水で40分程ゆでるのが目安ですが、実の大きさによってゆで時間を調節するようにしましょう。

おいしい落花生は見た目ではない!?

おいしい落花生を見分けるのはとても難しく、殻が大きくてきれいなものがおいしいとは限りません。新鮮でおいしい落花生を見分けるポイントは以下の3つです。

■実が大きすぎない
実が大きすぎる落花生は、収穫時期を過ぎているものが多いです。固くてゴリゴリとした食感になり、風味が落ちてしまっているので避けましょう。

■殻の網目がはっきりしている
殻が白くてツルッとしているものは未熟なまま収穫されているので、実が小さく味も薄いです。殻の網目がはっきりとしているものは、おいしい落花生である可能性が高いです。

■殻が黒くなっていない
殻が黒く湿った感じになっているのもは、中身が傷んでいることが多いので避けましょう。また、殻に穴が空いているものは虫が入っている可能性が高いです。

秋だけに味わえる旬の味覚を楽しもう

今回は、落花生に含まれる栄養素や、正しい食べ方、新鮮な落花生の選び方についてご紹介しました。国産の生落花生は、秋だけに味わえる旬の味覚。特にゆでたての落花生は、やわらかくホクホクとした食感がやみつきになるおいしさです。産地の直売所などで見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください。

クラシルでは、落花生の保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

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