あん肝の旬はいつ？気になる選び方や保存方法についても解説！

あんこうの肝臓「あん肝」。あん肝ポン酢や鍋料理などの具材として、冬に食べるイメージがありますよね。今回は、そんなあん肝について解説します。一年で一番おいしくなる時期やおうちで食べる際のおいしいあん肝の選び方、おいしさをキープするための保存法などもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

あん肝とは、アンコウの肝臓のことを指します。「海のフォアグラ」としても知られているあん肝。あん肝ポン酢や鍋の具材にして食べたことがある方も多いのではないでしょうか。まったりと濃厚な味わいと口当たり滑らかな食感が特徴で、あんこうの肝臓にあたります。そのため、まずはあんこうの特徴について解説していきましょう。

あんこうが水揚げされるのは、山口県の下関漁港のほか、青森県の八戸漁港や島根県の浜田漁港、茨城県の平潟漁港などです。水揚げ量の多い地域からも分かるように、あんこうが漁獲される地域に偏りはなく、日本においては北海道から九州にかけて、さらには日本海側でも太平洋側でも漁獲されています。

あんこうは体表にぬめりがあり、つかみづらく、まな板の上でさばくことも難しいため、あんこう特有の「吊るし切り」という方法でさばかれます。吊るした状態で切り分けられたあんこうは、身、皮、胃、肝臓、卵巣、えら、ヒレの7つの食用部位に分けられ、これらを「あんこうの7つ道具」と呼びます。骨や顎を除いてほぼすべての部分を無駄なくいただくことができるんですよ。

淡泊で上品な身の味わいや、コラーゲンをたっぷり含んだプルプル食感の皮など、あんこうの7つの道具はどれもそれぞれのおいしさがありますが、あん肝はこれらの中でも群を抜いて美味と言っても過言ではありません。

水揚げ量トップクラスを誇る山口県では、冬の風物詩にもなっているあんこうですが、あん肝の旬はいつなのでしょう。

実際のところ、あんこうの旬は、晩秋から初春にかけてと地域によって旬の時期に開きがありますが、あん肝がもっともおいしくなるのは、冬だと言われています。というのも、深海魚であるあんこうはエサが豊富にない環境に生息しており、数日間食糧がなくても生き延びられるように肝臓に栄養を蓄える性質があるのです。こうした理由から、寒い時期には特に栄養を溜め込むため肝臓が肥大し、良質なあん肝を得ることができるのです。

続いては、自宅でおいしいあん肝を食べたい方必見！鮮度のよいあん肝の選び方をご紹介します。

あんこうの内臓であるあん肝は、何と言っても鮮度が重要です。鮮度のよいあん肝はふっくらしていて、薄いピンクがかった色味をしています。乾燥しているものや、黒っぽく変色しているもの、臭みの出てしまっているものは鮮度が落ちてきているので避けましょう。ちなみに、あん肝の表面に見えるオレンジ色の部分は傷んでいるわけではなく、あん肝の旨味にもなる脂なので、ほどよくオレンジがかったものを選ぶのがおすすめです。

あん肝は生のままではどんどん鮮度が落ちていってしまいます。それでは、あん肝をおいしい状態で保つには、どうしたらよいのでしょうか。あん肝はまず、加熱による下処理をするのが基本で、下処理後は冷蔵・冷凍するのがおすすめです。以下でそれぞれチェックしてみましょう。

冷凍する場合は、食べる分ずつに小分けしてからラップで包みます。その際、あん肝とラップの間に空気が入らないようにしっかり包むのがポイントです。冷凍焼けを防ぐため、この上からアルミホイルで包んでおくのもおすすめですよ。こうして食べる分ずつに分けたあん肝は、さらに冷凍用保存袋に入れてから空気を抜き、できるだけ早く凍結できるようアルミトレイなどに並べて冷凍庫で保存しましょう。

冷蔵する場合は、加熱の下処理がされたものでもできるだけ早めに食べきるようにしましょう。鮮度が命のあん肝は、時間の経過とともにおいしさが失われていってしまいます。できる限り早く料理に使っておいしく食べてくださいね。

あん肝を自宅でも楽しみたい方に知ってほしい、あん肝の旬や選び方、保存方法についてご紹介しました。寒い冬の時期こそおいしくいただくことのできるあん肝。専門店はもちろん、鮮魚店やスーパーで見かけることがあったら、ぜひ手にとっておうちでそのおいしさを楽しんでみてくださいね。