台湾の「胡椒餅」ってどんな食べ物？味や特徴、食べ方について解説！

台湾発祥の屋台グルメ「胡椒餅」」をご存知ですか？生地で肉だねを包んで作る肉まんのような食べ物です。その名前の通り胡椒などのスパイスを使った刺激的な味わいが特徴で、近年日本でも注目されています。今回はそんな胡椒餅の特徴や食べ方について解説します。後半でご紹介する胡椒餅のレシピも、ぜひチェックしてみてくださいね。

食べ歩きにぴったりな台湾グルメのひとつ「胡椒餅」。元は中国福建省の「葱肉餅（チョンロウビン）」が発祥と言われている食べ物で、台湾に持ち込まれた葱肉餅が「胡椒餅（フージャオビン）」として定着しました。名前に「餅」と付きますが、日本でいう「餅」のような食べ物ではありません。中国語で「餅干」がビスケット、「餅屋」がパン屋やケーキ屋を表すことからもわかるように、中国では小麦粉を焼いたり蒸したりして作った食品に「餅」が使われます。胡椒餅は一般的に、豚肉と青ねぎをベースに、胡椒や八角、山椒、花椒（ホワジャオ）、シナモン、クローブ、フェンネル、陳皮などを混合したスパイスである五香粉（ウーシャンフェン）を加えて作られる餡が特徴で、それを肉まんのような皮やパイのような生地で包んで、表面をカリッと焼き上げて作られます。

生地の中に肉だねが入っているので、半分に割った断面はまるで肉まんのようですが、肉まんとは大きく異なる点が2つあります。以下でそれぞれ見てみましょう。

1つ目は、刺激的な香りと味わいの餡です。肉と野菜の旨味がマイルドな肉まんに対して、胡椒餅は胡椒などのスパイスを加えて作るため、舌に感じる刺激と鼻を抜ける香りがあります。

2つ目の違いは、調理法です。肉まんは蒸して調理するため、皮はふんわりとやわらかいのが特徴ですが、胡椒餅は壺のように深さのある釜の中でナンのように焼かれるので、白ごまをまぶした表面がパリッと仕上がるのが特徴です。

店によって使用するスパイスや味つけ、皮も異なるので、食べ比べするのも楽しみのひとつです。

お店によってさまざまな味わいが楽しめる胡椒餅。ここではオーソドックスな胡椒餅の味わいについてご紹介します。肉まんやおやきのような見た目の胡椒餅ですが、そのカリッとした皮の中にはジューシーな肉だねが隠れています。旨味がジュワっと口いっぱいに広がると同時に、舌に胡椒のピリリとした刺激があり、あとから八角や五椒粉の香りが鼻に抜けます。味つけは、ほんのり甘いしょうゆベースで、肉だねと香ばしい皮のハーモニーを楽しめます。おやつにはもちろんお酒のおつまみにもぴったりなんですよ！

胡椒餅は、軽くつまめる「小吃（シャオツー）」として人気の食べ物なので、台湾では夜市や屋台などで販売されています。椅子に座ってしっかり食べるというよりは、片手に持ちながら食べ歩くようなシチュエーションで気軽に楽しむ屋台グルメです。熱いうちに食べるのがおいしい胡椒餅ですが、焼き立てを食べる際は小籠包のように中の肉汁がとても熱いので注意して食べてくださいね。

胡椒餅を作るには大きく分けて2つの工程があります。以下で材料や作り方を軽く見てみましょう。

まずは、肉だね作り。材料は豚ひき肉と青ねぎを用意します。肉だねに欠かせないのは、黒胡椒のほか、香りや風味のアクセントとなる、五香粉や八角です。味つけは、しょうゆやオイスターソースをベースに砂糖で甘みをプラスして、甘辛い味わいに仕上げましょう。

続いて、皮を作ります。皮の材料はパン作りと同じように、強力粉や薄力粉、ドライイーストやベーキングパウダー、油脂類を使用し、水を加えて捏ねて生地にします。こうして作った生地の中に、先ほどの肉だねを詰めて肉汁が流れてしまわないようしっかり閉じます。

肉を包んだら生地の表面に白ごまをつけて、専用の釜であるタンドリーの内側側面にはりつけるように密着させます。ほどよく色づくまで焼きあげたら完成です。

ここまで胡椒餅の特徴や食べ方について解説してきましたが、実際に食べてみたくなった方も多いのではないでしょうか。ここでは、専用釜の代わりにオーブンを使用して自宅で作れる胡椒餅のレシピをご紹介します。まずは、気軽においしい胡椒餅を楽しんでみてくださいね！

肉だねにたっぷりの粗挽き黒こしょうと五椒粉を加えて作る胡椒餅のレシピです。すりおろし生姜とすりおろしニンニクも加えたスパイシーな味わいと刺激がやみつきになりますよ！生地と肉だねをそれぞれ別々に作り、生地の中に肉だねを包んでしっかり閉じたら、オーブンで焼きあげれば完成です。お昼ごはんやお腹が空いたときのスナックとしてもおすすめの一品！ぜひ試してみてくださいね。

台湾で人気の胡椒餅についてご紹介しましたが、いかがでしたか？台湾旅行に行った際にはぜひ食べてみてほしい胡椒餅ですが、近年は日本でもこだわりを持って作られた胡椒餅専門店が増えてきています。本場の味わいを気軽に試せるのはうれしいですよね！今回ご紹介したレシピも参考にしつつ、専門店などもチェックして胡椒餅を召し上がってみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。