最終更新日 2024.3.11

フランス発祥「エシレバター」の魅力とは?特徴や日本のバターとの違いについても解説!

フランス発祥「エシレバター」の魅力とは?特徴や日本のバターとの違いについても解説!

「エシレバター」をご存じでしょうか。フランス発祥の発酵バターのひとつで、日本のバターとはひと味違った芳醇な香りとやわらかな口当たりが魅力です。この記事では、エシレバターの特徴やおいしい食べ方について解説します。バターを使ったレシピも必見ですよ!ぜひ参考にしてみてくださいね。

  • 目次
  • エシレバターとは?
  • エシレバターの魅力は?
  • エシレバターのおいしい食べ方
  • パンに塗って
  • フレーバーバター
  • 焼き菓子
  • 手作りパン
  • オムレツやムニエル

エシレバターとは?

エシレバターは、フランス中西部にあるエシレ村で生産される伝統的な発酵バターのこと。EUが規定するA.O.P(原産地保護呼称)認定を受けている数少ないバターのひとつです。A.O.P認証とはその土地の伝統的な産品を保護するためのシステムで、製造地域や原料、製造法などの要素を満たしたものだけに認証が与えられます。

エシレバターは1894年の創業以来受け継がれている製法で作られており、原料として使われるのは工房から半径50km以内で育てられた牛の生乳だけなのだとか。搾乳から回収までは72時間以内と定められており、絞ったばかりの生乳を48時間以内にクリームに加工し、代々伝わる乳酸菌を用いて乳酸発酵させて作られています。牛が食べる干し草についても仕様書で規定されているため、生乳の味が年間を通して一定となり、安定した品質のエシレバターの製造が可能になるのです。

エシレバターの特徴は、淡黄色でヨーグルトのような軽い酸味のある香りとクリーミーでやわらかな口当たり、そして乳酸発酵による芳醇な味わいです。そんな特有の口当たりを生むのが、チャーンと呼ばれる昔ながらの木製の撹拌機で、現代では一般的なステンレス製のものに比べて、滑らかな食感に仕上がるのだそうです。エシレバターは先ほどお伝えしたように伝統的な製造方法を守っているため、攪拌の工程に2時間半かけて90kgしか製造できません。大手工場でのバターの製造量は1時間あたり15トンほどなので、エシレバターの希少性の高さが分かります。

エシレバターは欧州を中心に輸出されていますが、日本でも知名度は高くなってきており、百貨店などで購入できるほか、エシレバターを使ったお菓子を取り扱っている専門店も増えてきているんですよ。

エシレバターの魅力は?

発酵バターであるエシレバターは、原料のクリームに乳酸菌を加え、乳酸発酵させて作られます。この発酵というひと手間をかけることで、特有の風味とコクが生まれるのです。

バターの発祥はヨーロッパで、紀元前から利用されていたといわれるほど古い歴史があります。当時は製造技術が未熟だったために自然と発酵が進んでしまうことから、ヨーロッパのバターは発酵バターが主流になったようです。日本でバターが普及したのは技術が発達してきた13~14世紀とされており、当時輸入された非発酵バターが定着したといわれています。

発酵バターは、非発酵バターに比べてバターの風味が強く感じられるのが特徴です。まろやかさと深いコクに加えて、ヨーグルトのような軽い酸味があります。

発酵バターのなかでも、エシレバターの香りの高さは別格!豊かな土壌で育った品質の良い牧草を食べた乳牛から絞ったミルクは脂肪分が多く、バターづくりに最適なのです。そのミルクをフレッシュなうちに加工するため、エシレバターのように芳醇な香りのするバターができあがります。また、伝統的な製法ならではの滑らかな口当たりも、ほかの発酵バターでは味わえないものです。口に入れた瞬間すっと馴染んで溶けていくような感覚で、後味は意外とさっぱりとしています。エシレバターも非発酵バターと同じようにさまざまな料理に使えますが、まずはトーストに塗ったり焼き菓子に使ったりと、バターの風味をダイレクトに味わえるシンプルな使い方がおすすめです。

私たちにとってなじみのある非発酵バターは、発酵バターに比べて香りの主張が少ないので、どんな料理にも使いやすいという利点があります。用途によって使い分けてみるのもおすすめですよ。

エシレバターのおいしい食べ方

エシレバターは、芳醇な香りとクリーミーな口当たりが魅力。以下でおいしい食べ方をご紹介します。

パンに塗って

やはりまずはパンにつけていただきましょう。シンプルにパンに塗って食べるだけで、その特有の風味と滑らかさが引き立ち、とてもおいしいですよ。

フレーバーバター

レーズンなどのドライフルーツやナッツを砕いて混ぜ、フレーバーバターにしてもひと味違ったおいしさが楽しめます。パンやクラッカーに塗るのはもちろん、そのままお酒のおつまみとして楽しむこともできますよ。クッキーと合わせてバターサンドにするのもおすすめです。

焼き菓子

マドレーヌやサブレ、フィナンシェなどのバターを多く使う焼き菓子に使うのもおすすめです。芳醇なエシレバターの風味が口いっぱいに広がります。しっかりとバターの風味は感じられつつ、重くない味わいに仕上がると言われています。

手作りパン

自宅でパンを焼く方は、食パンやロールパン、クロワッサンなどに使うのもよいでしょう。エシレバターの風味とコクがリッチで高級感のある味わいに仕上げてくれますよ。

オムレツやムニエル

オムレツやムニエルなど、バターの風味が味の決め手になる料理に使うことももちろん可能です。深みのある味わいのエシレバターを使うことで、いつもの料理もワンランクアップした上品な味わいに仕上がります。

ホワイトソースやデミグラスソース

ホワイトソースやデミグラスソースを作る際に使うのもおすすめです。コクと風味が魅力のエシレバターを加えることで味に奥行きが出て、より一層リッチな味わいに仕上がります。

バターを使ったおいしいレシピ

ここからは、バターのコクと風味が決め手になるおいしいレシピをご紹介します。おつまみにぴったりのレーズンバターやあんバターサンドなど、エシレバターで作るとよりおいしくいただけるレシピをピックアップしました。ぜひ参考にしてみてくださいね。

おつまみに ラム酒香るレーズンバター

ラム酒が香る、大人な味わいのレーズンバターのご紹介です。ラム酒に漬けたレーズンをバターに混ぜて冷やすだけの簡単レシピ。クリーミーなバターと香り高いラムレーズンの相性がよく、ついつい手が伸びるおいしさですよ!エシレバターで作るとよりリッチな味わいを楽しめます。おつまみにぜひ作ってみてくださいね。

りんごのキャラメリゼのタルティーヌ

キャラメリゼとは砂糖などの糖類に熱を加えてカラメル化する調理法のこと。こちらのレシピではバターを使用することで、香ばしく香り高い一品に仕上げました。甘いりんごとカリカリ食感のアーモンドに酸味のあるクリームチーズが絶妙なバランスで、とてもおいしいですよ。

クロワッサンのあんバターサンド

バターの風味を楽しみたいなら、クロワッサンのあんバターサンドを作ってみてはいかがでしょうか。サクサクと軽い食感のクロワッサンに濃厚なバターとやさしい甘さのつぶあんがよく合い、クセになるおいしさです。エシレバターをよりバターの風味を感じられる一品に!ぱぱっと簡単に作れるので、朝ごはんやおやつにぜひお試しくださいね。

バター香る ロールパン

バターの風味がたまらない、ロールパンのレシピをご紹介します。バターは生地に混ぜる分とできあがった生地に巻く分の2回に分け、たっぷりと使用することでリッチな味わいに。表面はサクッと中はふんわりとした食感に仕上がり、シンプルで飽きのこないおいしさを楽しめますよ。

メカジキのムニエル レモンバターソース

レモンバターソースでいただく、メカジキのムニエルを作ってみませんか?コクのあるバターにレモンの爽やかな酸味を効かせたソースが、ふっくらとソテーしたメカジキとよく合います。エシレバターを使うとバターの風味を味わえるソースに仕上がりますよ。見栄えもよく、おもてなしにもぴったりの一品です。

芳醇な香りが魅力!エシレバターを使ってみよう

エシレバターは、乳酸発酵によって生まれる特有の風味とクリーミーな口当たりが魅力です。いつもの料理に使うだけで、ワンランクアップのおいしさに仕上がりますよ。非発酵バターと比べて高価ではありますが、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

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