映画や小説には度々カクテルが登場しますが、今回ご紹介する「ギムレット」も小説の有名なセリフを背景に知名度を確立したカクテルのひとつ。ジンをベースにライムジュース、シュガーシロップまたは砂糖を加えて作るショートカクテルです。この記事ではギムレットの特徴や名前の由来、同じ材料で作るジンライムとの違いについて解説します。
ギムレットはどんなカクテル?由来やジンライムとの違い、作り方をご紹介!
- 目次
- ギムレットとは?
- ギムレットの由来
- ジンライムと何が違うの?
- ギムレットの作り方が知りたい!
- ギムレット以外のジンを使ったカクテルもご紹介!
- ジントニック
- マティーニ
- ジンバック
ギムレットとは?
ギムレットとは、蒸留酒であるジンにライムジュース、シュガーシロップまたは砂糖を少量加え、カクテルシェイカーを使って作るショートカクテルです。キリッとしたジンの味わいとライムジュースの爽やかな酸味や香りが楽しめます。ジンを使ったカクテルは数多くありますが、なかでもギムレットは知名度が高いカクテルなので、聞いたことがある方も多いですよね。これには、小説の登場人物が発する印象的なセリフの中にこのカクテル名が使われていることが理由の一つとして挙げられます。
ギムレットの由来
さて、「ギムレット」の名前の由来は、イギリス海軍の軍医だと言われています。ジンは19世紀頃、イギリス海軍に支給されていました。ただ、アルコールのためそのまま飲むと体に負担がかかること、また長期間に渡る航海でビタミンCが不足することも。それを心配した軍医は「ジンをライムジュースで割ろう」と提案しました。このことがきっかけで、ギムレットというカクテルが生まれたと言われているんですよ。カクテルが生まれる経緯はさまざまですが、健康への気遣いがきっかけで生まれるカクテルもあるなんて興味深いですね!
実はギムレットの由来にまつわる話はこれだけではないんです。ギムレットは英語で「gimlet」と書きますが、これは工具の「錐(きり)」を意味します。このことから「錐のような鋭さのある味わい」を表現していたという説や、そのほかにも栓抜きに使う錐を「ギムレット」と呼んでいたことから「ギムレット」と名付けられたという説もあるようですよ!
両者はまったくことなる由来ですが、どちらもカクテルを想像すると納得してしまいます。ギムレットを飲むときはぜひこんな由来があることも思い出してみてくださいね。
ジンライムと何が違うの?
ジンとライムジュースを使って作る「ギムレット」は、材料だけ見ると「ジンライム」と同じなんです。それでは一体、何が違うのでしょうか。
ギムレットとジンライムの違いは、混ぜ方とグラスに入れる氷や甘味の有無です。ギムレットはカクテルシェイカーを使って作り、ショートカクテルグラスに注ぎますが、ジンライムは材料を直接氷の入ったグラスに入れながら作る、ビルドタイプのカクテルです。
また、ギムレットは一般的に甘味がプラスされますが、ジンライムは甘味をプラスせず、すっきりとした味わいのままいただくのが一般的なカクテルです。
ギムレットの作り方が知りたい!
ここで、ギムレットの作り方について簡単に解説します。ギムレットに使用するのは、ドライジンとライムジュース、シュガーシロップまたは砂糖の3つです。加糖タイプのライムジュースを使用する場合は、シュガーシロップなどの糖分は不要です。カクテルシェイカーにこれらの材料と氷を入れてシェイクし、カクテルグラスに注いだらギムレットのできあがり!ギムレットはグラスに氷が入っていないので、時間が経っても薄まることなくおいしくいただけますよ。
ちなみに現在では、フレッシュライムジュースを使用し、シュガーシロップなどで甘みを加える作り方が主流ですが、昔はフレッシュライムジュースの代わりにシロップのような甘さの「コーディアルライム」を使って作っていたそうです。甘みがあるかどうかでギムレット自体の味わいもガラッと変わりますが、食前酒にするならすっきりと甘味なしで、食後酒にするならデザート感覚で甘味をプラスするというように、シーンによって使い分けるのもおすすめです。
ギムレット以外のジンを使ったカクテルもご紹介!
ここからは、ギムレット以外のジンを使ったカクテルをご紹介します。ジンは、ジュニパーベリーをベースに数種類のボタニカル素材を組み合わせて作られる蒸留酒で、薬草のような風味が特徴のスピリッツです。そんなジンの特徴を活かしたカクテルはたくさんありますが、ここではポピュラーなものを3つピックアップしてみました。ジンを使ったカクテルをおうちで作るときや、バーでオーダーするときの参考にしてみてくださいね!
ジントニック
ジンを使って作るカクテルの中でも定番の「ジントニック」。材料は、ドライ・ジンと甘みの中にやや苦みのあるトニックウォーター、ライムの3つです。氷を入れたグラスに注いで作るビルドタイプのロングカクテルでおうちでも作りやすく、爽やかですっきりとした味わいの中に感じられるほのかな苦みが魅力です。組み合わせがシンプルなだけに、使用するジンによって味わいが変わるのもポイント!おうちで作るときはぜひジンにもこだわって作ってみてくださいね。
マティーニ
ドライ・ジンとドライ・ベルモットで作る「マティーニ」。ピックに刺さったオリーブがアクセントのショートカクテルです。ほかのカクテルと比べると歴史が長く「カクテルの王様」と称されています。爽快感のある味わいとほのかな甘みが特徴ですが、材料がシンプルなだけに味わいは作り手の腕に左右されるとも言われています。
ジンバック
ギムレットと同じく、ジンとライムジュースを使用し、そこにジンジャエールを加えて作られるのが「ジンバック」です。ジンジャエールのパンチのある味わいがプラスされたロングカクテルで、すっきりとした飲み心地が魅力。レモンやライムなどの柑橘類が添えられることもあり、果実のフレッシュさも一緒に味わうことができますよ!
ジンとフレッシュライムの絶妙なハーモニーをギムレットで味わって!
ハーブのようなジンの香りと果実味溢れるライムジュースが作り出す爽快感のある味わいが魅力の「ギムレット」。小説を読みながら飲んだら、また楽しみも広がりそうです。おうちで、バーで、ぜひギムレットを味わってみてくださいね!
※20歳未満の飲酒はやめましょう。