お正月に飾る「鏡餅」。12月28日に飾るのがよいされていますが、これは一体なぜなのでしょうか。今回は、鏡餅を飾る由来やタイミングと期間、さらに飾る場所や正式な飾り方について解説します。記事後半では、お餅を使った定番&アレンジレシピもご紹介しているので、ぜひ合わせてチェックしてみてくださいね。
鏡餅はいつからいつまで飾る?どんな意味があるの?定番レシピもご紹介!
- 目次
- 鏡餅を飾るのはいつからいつまで?
- 飾ると縁起がよい日は「12月28日」
- 鏡開きは「1月11日」
- そもそも鏡餅とは?
- 鏡餅はどこに飾るのが正解?
- 鏡餅の正式な飾り方は?
- そもそも鏡餅を飾る理由とは
- 飾ったあとはおいしく食べよう!餅レシピをご紹介
- 鏡餅を飾ってよい年を迎えよう
鏡餅を飾るのはいつからいつまで?
お正月に飾る「鏡餅」。新年に訪れる「年神様」を迎えるためにお供えするもので、丸く平たい餅は神が宿るとされた鏡を模しているといわれています。
飾ると縁起がよい日は「12月28日」
鏡餅を飾り始めるのは「正月事始め」である12月13日以降です。なかでも、末広がりで縁起のよい「八」がつく12月28日に飾るのがよいとされています。
反対に、飾るとよくない日もあります。それが、12月29日と31日です。29日は苦持ちとされ「二重苦の意味」を持ち、31日は葬儀と同じ「一夜飾り」になってしまうため、これらの日は避ける習わしがあります。そのため、鏡餅は12月28日までに飾るか、遅くとも30日までには飾るようにしましょう。
鏡開きは「1月11日」
そして年が明けたら、神様に供えた鏡餅を下げるのが「鏡開き」です。鏡開きは一般的に1月11日ですが、これは地域によって異なります。飾った餅には年神様の魂が宿っており、それを食べることでご利益をいただくと考えられているのです。
また、鏡餅を食べることで、年神様の生命力を取り込むことができるとされているので、お餅はひと欠片も残さず、お雑煮やお汁粉などにしてすべて食べ切ることが大切だといわれています。鏡餅は飾ったあとに食べることで意味のあるものになるんですね。
そもそも鏡餅とは?
鏡餅という呼び名は、先ほども触れましたが文字通り鏡に由来します。昔の鏡は丸い形をしており、神器の一つでした。日光を反射し太陽のように光ることから、太陽の神様に見立てられていたのです。
鏡には神様が宿るものとされており、伊勢神宮など多くの神社で鏡を御神体として祀っています。この神様が宿る丸い鏡に見立てて、神様に捧げるお餅を鏡餅と呼ぶようになり、お正月にお供えするようになったといわれています。
💡ワンポイント豆知識
歴史的には、平安時代には鏡餅の原型のようなものが存在していたとされており、『源氏物語』にも鏡餅についての記述があるようです。その後江戸時代になり、一般庶民の間でも鏡餅をお供えする風習が広がっていきました。
鏡餅はどこに飾るのが正解?
続いて、鏡餅を飾る場所と飾らない方がよい場所を確認しておきましょう。
鏡餅を飾る場所
鏡餅を飾る場所は、神様が祭られている床の間や神棚が基本です。しかし現在はこれらがない家庭も増えており、玄関やリビング、大切な物の近くなどに飾られることが増えています。
テレビの上や音が気になる場所で、見下ろすような低い位置は飾るとよくないと言われているため、避けるようにしましょう。方角は、その年の恵方、または南向きか東向きがよいとされています。
💡ワンポイント豆知識
年神様はお供えした場所に宿ると考えられているので、ひとつに限らず複数お供えすることもできます。リビング以外には、キッチン、書斎、子ども部屋など、大事な場所に飾ってくださいね。
鏡餅の正式な飾り方は?
次に、鏡餅の正式な飾り方を必要な道具とともに確認してみましょう。
「三宝」を用意する
まず、三方(さんぼう、さんぽう)を用意します。この三方というのは、神様にお供えするお供物をのせる台のことです。
前面と左右に穴が開いているため、この名前がついているようで、漢字では「三宝」と書かれることもあります。
半紙とウラジロを敷き、餅をのせる
三宝の上に半紙を敷き、その上にシダ植物である裏白(ウラジロ)やユズリハを置きます。その上に大小の丸い餅を重ねた鏡餅をのせてください。
シダ植物であるウラジロ(裏白)は、古い葉が落ちても新しい葉生えてくることから「生命力」や「いつまでも変わらないこと」を表しています。「長寿」「夫婦円満」「子孫繁栄」などの願いが込められており、縁起物として鏡餅と共に飾られるようになったのだそうです。
昆布・橙・串柿を飾る
そしてさらに鏡餅の間に昆布を挟んだり、上に橙(だいだい)や串柿を飾るのが正式な飾り方です。
これは、三種の神器に見立てているという説もあるのだそうですよ。
そもそも鏡餅を飾る理由とは
お正月に飾る鏡餅には、新年の神様の依り代(神霊が依り憑く対象物のこと)という意味があります。そもそも、お正月というのは、新年に年神様を家に迎えておもてなしをし、見送るための行事であり、お迎えした年神様が過ごされる場所が鏡餅だとされているのです。
松の内の期間に鏡餅に宿った年神様は、新年の幸福や恵みとともに魂を分けてくださり、一年分の力を授けてくださると考えられてきました。何気なく飾っていた鏡餅にも深い意味があったのですね。
松の内とは?
「松の内(まつのうち)」というのは、年神様をお迎えしておもてなしをするお正月の期間のことです。一般的には1月7日までですが、地域によって差があり、関西などの一部地域では1月15日までが松の内の期間となるところもあります。
この期間が終わると年神様が帰られるので、ここでお正月が終わるのです。そのため、年神様の依り代である門松などの正月飾りを片付け、新年の生活に戻します。このことを「松の内が明ける」と言うんですよ。
飾ったあとはおいしく食べよう!餅レシピをご紹介
ここからは、餅を使ったおすすめレシピをご紹介します。今回はお餅を使った定番のレシピから、少し変わったアレンジレシピまで幅広くご紹介します。鏡餅を最後までおいしく食べ切ることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
簡単!フライパンで出来る磯辺焼き
餅の定番レシピ「磯辺焼き」をフライパンで作ってみましょう!フライパンで切り餅を焼きながら、砂糖としょうゆを合わせたタレをたっぷりと絡めました。甘じょっぱい味わいとのりの風味が相性抜群で、いくらでも食べられるおいしさですよ。ササッと作れるので、小腹がすいたときやおやつにもぴったりです。
シーフード明太もちチーズグラタン
グラタンとお餅は意外な組み合わせのように思えるかもしれませんが、実は相性抜群なんです!お餅とチーズがとろりとクリームソースに絡んで、とてもおいしいですよ。冷凍のシーフードミックスを使うので手軽に作れます。和風の味わいに飽きてきた頃にぴったりなレシピです。
切り餅でもっちり 中華おこわ風
おこわというともち米を使うイメージがありますが、もち米を使わなくても簡単にもちもちおこわが作れるんです!このレシピでは、お米とカットした切り餅を一緒に炊飯器で炊いて、おこわ風の一品に仕上げました。具材の旨味とオイスターソースがごはんに染み込んで、わかわり必至のおいしさ!ぜひ試してみてくださいね。
切り餅を簡単アレンジ いちご大福
切り餅で可愛いいちご大福が作れるんです!電子レンジを使うので難しい工程もなく簡単にお作りいただけます。いちごがちょこんとのった見た目がかわいらしく、おもてなしにもぴったり!お好みでほかのフルーツを使うのもおすすめなので、ぜひ作ってみてくださいね。
お餅をアレンジ ダブルチョコ餅
お餅もチョコレートも好きな人にお試しいただきたい、もちもちなチョコ餅です。カットした切り餅と生クリームを電子レンジで加熱し、材料を加えて混ぜるだけの簡単レシピ!ミルクチョコレートを練り込んだ生地に、ココアパウダーとチョコソースをかけて濃厚な味わいに仕上げています。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
鏡餅を飾ってよい年を迎えよう
今回は鏡餅にまつわる豆知識と、切り餅を使った定番の餅レシピをご紹介しました。近年は手軽なパックタイプの鏡餅などが主流になりましたが、和菓子屋さんなどでは手作り鏡餅を販売しているところもまだまだたくさんあります。鏡餅になじみがない方も、今年はおうちに飾って年神様を迎えてみてはいかがでしょうか。ぜひご紹介したレシピも参考にして、飾ったあとのお餅もおいしく味わってくださいね。
