「ケジャン」という韓国料理を知っていますか?ケジャンの「ケ」は韓国語でカニという意味で、調味料にワタリガニを漬け込んだ料理を指します。この記事では、ケジャンの特徴や種類について詳しく解説!さらに、ケジャンの作り方や食べ方、アレンジ方法についてもご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
韓国料理「ケジャン」とは?語源や特徴、食べ方について解説!
- 目次
- ケジャンとは?
- ケジャンに使われるカニの種類は?
- ケジャンの種類
- ヤンニョムケジャン
- カンジャンケジャン
- ケジャンはどうやって食べる?
- ケジャンのアレンジ料理
- 炒める
ケジャンとは?
「ケジャン」とは、タレにワタリガニを漬け込んだ韓国料理のこと。韓国語で「ケ」は「カニ」、「ジャン」は「醤」と書き「しょうゆ」や「みそ」を指します。
韓国料理というと辛いものを想像する方も多いかもしれませんが、辛くないものもたくさんあるんですよ!今回テーマのケジャンは使う調味料によって「ヤンニョムケジャン」と「カンジャンケジャン」の2種類に分けられます。ケジャンの種類については後ほど詳しくご説明するので、ぜひそちらをチェックしてみてくださいね。
さて、韓国では定番の人気料理であるケジャンですが、どのように生まれたかははっきりとわかっていないようです。ただ、1670年代に書かれたとされる「飲食知味方」という料理書に、ケジャンの原型と考えられる料理が2種類登場しています。一つは、壷にカニと塩水を入れて作るカニの塩辛。もう一つは、しょうゆやごま油、生姜、山椒などでカニを漬けた「薬ケジョッ」という料理です。これらはしょうゆや塩で味つけをしたものですが、近年になって唐辛子などを使用するケジャンが作られるようになり、今や韓国の定番料理として愛されています。
ケジャンに使われるカニの種類は?
ケジャンに使われるのは、主にワタリガニ。韓国では「コッケ」と呼ばれているそうです。ワタリガニの甲羅は幅15~20cmほどの横長のひし形のような形をしていることから、日本では「菱ガニ」と呼ばれることも。形だけでなく色も特徴的で、甲羅の一部に白い水玉模様があり、脚やはさみは青みがかっています。
韓国では西海岸の瑞山(ソサン)近海がワタリガニの産地と言われていますが、日本でも北海道南部から九州までと広い範囲に生息しています。生息している場所は、水深30mまでの比較的陸に近い砂泥底です。ワタリガニの一番後ろの足はオールのような平たい形をしているので、泳ぐこともできます。
ワタリガニの旬は一年に2回、春と秋に訪れます。まずは、春。春に旬を迎えるのはメスのワタリガニです。この時期のメスの甲羅の中にはオレンジ色の卵が詰まっていて、身も濃厚な味わいなんだとか!そして、秋にはオスのワタリガニが旬を迎えます。海水温の高い夏の間に活発に動き回り、栄養を蓄えたオスの身には旨味がたっぷり詰まっているのだそうですよ!
ワタリガニは冬には海の深いところにもぐってしまうので漁獲量は少なくなりますが、韓国では冷凍保存したワタリガニも流通しているので、一年を通して食べることができます。
ケジャンの種類
先ほども触れましたが、ケジャンには使う調味料によって2つの種類があり、コチュジャンベースのものを「ヤンニョムケジャン」、しょうゆベースのものを「カンジャンケジャンと」呼びます。ここでは、それぞれについて詳しくご説明します。
ヤンニョムケジャン
ヤンニョムケジャンとは、韓国の合わせ調味料である「ヤンニョム」にワタリガニを漬けこんだ、カニのキムチのような料理です。ヤンニョムとは、コチュジャンや粉末唐辛子、しょうゆ、ごま油、水飴などにニンニクや生姜、ねぎなどの薬味を加えた合わせ調味料の総称です。見た目は真っ赤で見るからに辛そうなものもありますが、辛さの度合いは各家庭やお店によって異なります。
ヤンニョムを使った料理といえば、ほかにヤンニョムチキンがわかりやすいかもしれませんが、トッポギやスンドゥブチゲ、ユッケジャンスープなどの味つけに使う合わせ調味料のこともヤンニョムと呼ぶんですよ。
カンジャンケジャン
カンジャンケジャンは、ワタリガニをニンニクや玉ねぎなどの野菜と一緒にしょうゆベースのタレに漬けこみ、熟成させた料理です。
ワタリガニの風味ややわらかな身にタレがよく合い、ごはんが進む味わいであることから、韓国では「ごはん泥棒」という意味の「パットドゥッ」とも呼ばれています。
ヤンニョムケジャンと違い辛さはないので、辛い味が苦手な方でも食べられますよ。
ケジャンはどうやって食べる?
カニを使った料理というと、殻があるので身を取り出すのが難しいイメージもありますよね。しかしケジャンは、食べやすいようにハサミが入った状態で提供されます。足は胴体の部分からハサミを使って切り離し、手で持って吸いつくように噛みながら身を押し出して食べるのが一般的な食べ方なようです。
甲羅の中の身は、スプーンでこそぐようにして取り出したり、甲羅の中にごはんを入れてカニみそと混ぜながら食べたりします。そのごはんを韓国のりで巻いて食べるのも絶品ですよ!
ヤンニョムケジャンはタレで手が汚れやすいので、ビニール手袋を出してくれるお店も多いそうです。カニの殻はかたく、尖っている部分もあるので、口をつけるときにはケガをしないよう注意して食べてくださいね。
ケジャンのアレンジ料理
先ほどご説明したように、ケジャンはそのまま食べてもちろんおいしい料理ですが、アレンジすることもできます。ここでは、ケジャンのアレンジ料理をご紹介します。
炒める
ケジャンを炒めると、香ばしさが加わりまた違ったおいしさを楽しめます。ごはんにもよく合いますよ。また、余りがちなケジャンのタレを使ったチャーハンもおすすめです。カニの風味がごはんに染みておいしいので、ぜひ試してみてくださいね。
ケジャン鍋
白菜やねぎ、ニラ、豆腐などを使った鍋にケジャンを入れ、ケジャン鍋を作ってみてはいかがでしょうか。カニの旨味たっぷりの汁を楽しめますよ。
みそ汁に入れる
ケジャンは、和食のみそ汁にもぴったり!カニの風味とコチュジャンの辛さがみそと相性抜群ですよ。
ケジャンの作り方は?
ケジャンは、ワタリガニをタレに漬けこむだけと、シンプルな料理のようですが、生のワタリガニを使うので、取り扱いに注意が必要です。以下で、ケジャンの作り方や注意するポイントについて解説します。
ケジャンはカニを生のまま食べるので、鮮度のよいカニを選ぶ必要があります。最も鮮度のよいカニは活きガニ。ただし、生きているカニは調理の際に動くうえ、ワタリガニはそのままゆでたり捌こうとすると防御反応で足がとれてしまうこともあるそうです。そのため、まずは活きガニを冷凍庫で冷やして締めます。
それからタレに漬けこむ前にしっかりと洗います。ブラシなどを使って、足の間などもきれいにしましょう。そのあと「ふんどし」と呼ばれる腹部の三角形の部分と甲羅、エラを取り外し、足の先端を切り落とします。2等分から4等分にカットしてからタレに漬けこむと食べやすいですよ。
ケジャンを食べてみよう!
今回は、ケジャンの語源や特徴、種類について解説しました。韓国ではごはん泥棒とまでいわれるほどのおいしさのケジャンを味わってみたくなった方も多いのではないでしょうか。お店で新鮮なワタリガニを見つけたら、ぜひ作ってみてくださいね。